6-忌々しき人面樹
師匠は困っている木こりたちを見つけ、助けることにした。
彼らに導かれていった先には、幹に男の姿が浮かび上がった奇妙な木があった。
「うちの領主様が言ったんだよ。この森を切り払って、その木材で砦を建てるってな。何でも、この地が軍略の要になるとかどうとか」
「だけどこの森には、人面樹があるんだよなあ……」
「人の顔と言うか、上半身が浮き出た木……。オイラたち木こりの間じゃあ、有名な話だ。少なくとも俺のひい爺ちゃんの代には、ここに生えてたらしい」
「オレたちは何度か、この森で木を切ることはあったが、この人面樹だけは切らなかった。何かこう……、ヤバそうだろ? 上手く言えないけど」
木こりたちは口々に現状の問題と人面樹について説明してくれた。
そして年長者の男は腕を組み、「そうそう、俺はそれが言いたかったわけよ」という顔をしていた。
「人の上半身が浮かび上がった木……。何かわからないものに手を出さなかったのは正解でしたね。厄介な怪異の場合もありますから」
「ああ。木こりの間で、人面樹を切るのを禁止されてた訳じゃないが、わざわざ切る必要もねえ。特に関わらねえようにしてたのさ。だけど今回は、この木も含めて森ごと切り払わなくちゃならなくなった……。異術師さん、これが何かわかるかい? 特に害がないようなら、さっさと切り倒しちまいてえんだが」
「ふむ、そうですね……」
師匠は草を分けて人面樹の根元まで行き、その幹に触れた。
「触った感じ、間違いなく木の質感ですね……。それに、触れても木の男は反応を示さない……。ふむ……」
「どうだい、異術師さん。何かわかるかい?」
師匠は口元に指を添え、深く思案し始めた。異術師としての知識を掘り起こし、人面樹の正体を推察しているのだろう。
「皆さんは何度か、この森で木を切ったことがあるんですよね?」
「ああ、切った切った。最後にここに木を切りに来たのは、二年くらい前だったか」
「木を切った時、切り株から大量の赤い液体が噴き出したことはありましたか?」
「いいや、なかったなあ。そんなおっかないことが起きたら、絶対に覚えてるはずだ」
「この森に長時間居て、不意に視界が上下逆になった経験は?」
「なんだそりゃ? ないない」
「では、晴れているのに雷の音が連続して聞こえたことは?」
「ないない。って言うか、訳わからん質問ばっかりだな。そんなので原因を特定できるのかい?」
「ふむ……」
少しの沈黙が流れた。
師匠は黙ったまま考え込み、木こりたちは不安そうな顔をしている。
そろそろ答え合わせをしてあげますか。
「それは怪異ではありません」
そう呟くと、皆の視線が私に集まった。
「怪異じゃない? どういうことだ、ルヒナ。この木の正体を知っているのか?」
「やはり、師匠じゃわからなかったんですね」
「ああ、そうだ。怪異によって人が木になる、木が人になるという前例はあるが、今回はそれらの前例と条件が合わない」
「その木は怪異のせいで人の上半身が浮き出た訳ではありませんよ。その木はドリアードです。私と同族です」
そう。皆が人面樹と言って気味悪がるそれは、ドリアードの成れの果てだ。
「ドリアード? ドリアードって確か……。あのー、ほら……」
「ああ、あれだろ? 隣の国に住んでる種族だよ。オイラも見るのは初めてだけど」
「あの子、ドリアードだったのか……。昔話で聞いた通りの見た目だ。緑色の髪をしているから、もしやとは思ってたが……」
「でも、あの子と人面樹が同族ってどういうことだ?」
木こりたちは顔を見合わせ、ざわついた。そして話を聞くに、ベルメグン公国が滅んだことはまだ知っていない様子だ。
「ルヒナ、どういうことか話してくれるか?」
「ベルメグン公国で、私は森の世話をする仕事に就いていたことは話しましたよね」
「いや、聞いてないが。初耳だ。そうだったのか」
あれ、言ってなかったっけ?
「私に愛国心が無かったのも、むしろ国が嫌いだったのも、そしてそんな国が滅びて吹っ切れたのも、その木が一因なんです」
「え、そうだったのか。もっと悲しんでると思ってた」
師匠が意外そうに言うので、「まあ、同族が死んで悲しみが無かったわけじゃないですけどね」と付け加えておいた。
「師匠はドリアードが何年くらい生きると思いますか?」
「……確か、長寿で有名なエルフが二千年くらい生きるから、ドリアードはその倍の四千年くらいか?」
「いいえ、長いと人の状態で六千年生きます」
「六千年!?」
「そして鬱などの精神病や加齢によって精神活動が低下すると、体が徐々に樹木に変化していくのです。そして最終的にそこの人面樹のような状態になります」
「それじゃあこれは、本当にドリアードの……」
師匠は振り返り、人面樹の幹を再び撫でた。
「そのように樹木化したドリアードのことを、エントと呼んだりしますね。そして草刈りや剪定などの世話を欠かさなければ、エントの状態で八千年は生きます」
「……この状態で、意識や感覚はあるのか?」
師匠はゆっくりと向き直り、私の目を真っすぐに見てそう言った。
「はっきりとしたことはわかりません。ですが、生きていることは確かです」
今の今まで話についていけてなかったのか、ポカンとした様子だった木こりたちだったけど、それを聞いて急に慌てふためき出した。
「え? え? 話はよくわからなかったが、人面樹って生き物だったのか!? いや、木だから生き物と言えば生き物だが」
「それじゃあ何か? この木を切ったらオレたち、殺人者になっちまうのか? オレは嫌だぞ? 罪に問われなかったとしても、嫌だ」
「でもどうするんだよ。領主様の命令を無視するつもりか? 早々にこの森を切り払わないといけないんだぞ?」
「とは言ってもよう……。困ったなあ」
周囲が騒ぐ中、師匠は無言のまま私を見つめていた。
「それじゃあルヒナ、俺たちはこの木をどうすればいいんだ?」
◆
答えはすぐには出なかった。木こりたちにはとりあえず、森の入り口から伐採を始めてもらった。要するに、問題を先送りにしたのだ。
そして私は今、人面樹ことエントの根の上に腰を下ろし、青々と茂る葉を見上げながらこれからどうしたものかと思案していた。
「なあ、あんたはこの人面樹がドリアードだって知ってたんだろ? どうして最初からそれを言わなかったんだ?」
そう言いながら師匠が私の隣に腰を下ろした。そして根元から、エントの樹冠を見上げる。
「師匠に知識マウントを取りたかったからです」
「……そうか。……ところで、あんたが最初に言ってたあれはどういうことだ?」
「あれとは?」
「ほら、愛国心が無いとか、国が嫌いだったとかどうとか」
「ああ、あれですね。ドリアードは長くて六千年、そしてその後、樹木化して八千年生きるって言いましたよね。そして樹木化したら、草刈や剪定などの世話が必要になります。要するに、介護です」
「言ってたな。えらい話だよな。人間族で言ったら四十代くらいで働けなくなって、その後は完全に介護に頼りっきりになるみたいな話だよな」
「それは少し違いますね。ドリアードの六千歳が、人間族でいう八十歳に相当すると言われています」
「ますますとんでもない話じゃないか。生きてきた年月以上に、介護が必要な年月の方が長いって」
師匠は結構物知りみたいだけど、ドリアードの情報は全然知らないみたいだ。
「……そんな生態を持った種族の社会は、どうなると思いますか?」
「エントを老人と言っていいものかわからないが……。まあ普通に考えて、老人が増えて相対的に子供が減るだろうな」
「ええ、とんでもない少子高齢化社会ですよ。ただでさえドリアードは出生率が低いのに」
「人間族は多産でよかったよ」
「そして当然、人々は樹木化した後に手入れをしてもらうため、お金を貯めこむようになります。そうすると経済は上手く回らなくなり、不景気になります」
「そうなのか? 金を貯めたら、金持ちが増えそうなものだが」
「経済学はドリアードの方が発展していたみたいですね。そして不景気になった結果、税が増えました」
「いや、それは流石に俺でもおかしいって思うぞ。民の生活が苦しくなったら、税は下げるものだろ。人間族の領主はそうしてる」
「それについては、単にドリアードの政治家の頭がおかしかっただけですよ」
やっぱり議会制だと、各人が甘い蜜を吸おうとするから、政治腐敗しやすいのかな。
「ええ……。上がそんなだったら、俺なら他所に移り住んでるな……」
「ドリアードは人口が少なくて一族一国なんですよね。他に行く所がなくって、どんなに国が腐敗してもそこにしがみつくしかなくって……」
いや、それは違うかも。その気になれば、国を捨てて逃げることだってできたはずだ。それができなかったのは自分の優柔不断さや、新しい生活への不安……。
「あ……」
ここまで聞いて、師匠は何かに合点がいったようにハッとした顔をした。
「ベルメグン公国が森に覆われてたのって、もしかしてエントたちの……?」
「ええ。国の八割が森で、その森の半分くらいが樹木化した者たちでした。そんな広大な面積の森の世話は大変でしたよ。昔は他種族の奴隷を使っていたみたいですが、すぐに死んでしまう上、嫌気がさして森を燃やしたりしてましたから、いつからか使われなくなりました。まあ、最近では奴隷みたいに働かされる若者も嫌気がさして森を焼くって事件もままありましたが……。って、師匠?」
師匠が頭を抱えて落ち込んでいた。どうしたどうした。
「……この国を守るためとは言え、俺、ベルメグン公国の森を焼いちまったよなあ。その中に、エントも含まれていたんだろうか……」
「国境付近には、エントの森は無かったはずですよ? 他国と戦争になった時、真っ先に燃やされちゃいますし。それに火を放たなくても、どの道あの怪異にやられていましたから」
ベルメグン公国を襲ったあの怪異、名前は何だったっけ。ドロアウン? ドンアンウンだっけ? まあいいや。
「よしよし」
私はうなだれている師匠の肩をポンポンと叩いてやった。まるで子供をなだめるお姉さんだ。いや、よく考えたら年齢的には私の方が圧倒的にお姉さんだった。私は千二百十六歳だし。
「まあ、そんなこんなでベルメグン公国の国力は衰え、ここ数百年は戦争をやめて守りに専念してた訳ですよ。そんな国で、私はエントの森の世話をしてました。その仕事がまあ薄給重労働で……。まさに介護奴隷でしたよ。と言いますか、樹木化後に世話をしてもらえるのは上級国民だけで、お金の無い一般人は碌に手入れもされない森に植えられるか、木のまま放置されて早々に朽ちていきます。そんな将来に絶望し、若くして樹木化する者も……」
「ちょいちょいちょい、ちょっと待ってくれ。話が愚痴になってないか? あんたの国がどんな社会状況だったかはわかった。それで、こいつをどうするんだ? どうしたらいいんだ?」
師匠は少しだけ声を荒げながら、エントの男に視線を向けた。そうだよなあ、このエント、どうしよう。
働いていた時の自分からしたらエントなんて、無数にある手入れをしないといけない木に過ぎなかった。今目の前にあるエントだって、切られるならまあ仕方ないよね。くらいに思っていただろう。
しかし、私以外のドリアードが滅んでしまった今となっては……。
「……思うところがあるんだな」
「ええ。愛着とか仲間意識とか、そういうのとは違う気がしますが……。うーん、上手く言えませんね……」
「エントってのは、別の所に植え替えることはできないのか?」
「エントはその辺、繊細ですからねえ。専門の職人ならともかく、素人が下手にやるとすぐに枯らしてしまいます」
「かと言って、ずっとここに植えておく訳にはいかないだろ。ましてや、俺たちがずっとエントの手入れをし続けることもできない」
「……そうですねえ」
私は考えがまとまらず、子供のように足をパタパタと上下させた。
「もう少し、考えさせてもらってもいいですか?」
「ああ」
「半年くらい」
「いや、長いわ!」
かさ……。
「あれ?」
足をパタパタさせてたら、草の隙間から何かが見えた。石だったけど、やけに平面的で人工物的な……。
かさかさ……。
しゃがみこんで草を掻き分けてみると、表面に文字が彫り込まれた真っ白な石板が埋まっていた。いや、これは……。
「ん? どうした? 何かあったのか? 何だそれ。石板か? やけに表面がツルツルだな」
「石板……。という物なんでしょうが、これ、ただの石じゃないみたいです」
石板の表面を指先でそっとなぞってみた。感触はガラスのように滑らかで、文字が刻まれた部分に触れると指が切れてしまいそうな鋭利さがあった。
エントの男がここに埋めたものだと考えられるけど、それにしては一切摩耗していない。まるでこの石板だけ、時が止まっているような……。こんなのを作れるなんて、相当な技術力を持っていたのだろう。
「文字が書いてあるみたいだけど、読めないな。共通語じゃないみたいだ」
「これはドリアードの古い文字ですね」
「ドリアードからしても古いって、いったい何万年前のだよ……。あんた、読めるのか?」
「ええ、これくらいなら。私は学校で古文も習っていたので」
「習ったのは何年前だ?」
「三百年くらい前ですかね」
「……」
私は三百年前の記憶を呼び起こしながら、石板の文字を読み進めた。
これは神が定めた共通語から派生して近いものなので、解読は難しくなさそうだ。ふむふむ、なになに……。
「……なるほど」
「何かわかったか? 何て書いてあるんだ?」
「要約すると、この森にはかつて、ベルメグン公国から逃げてきたドリアードの一団の村があったみたいです」
「逃げてきた……?」
「単純に、腐敗政治に耐えられなくなって国に見切りをつけたみたいですね。そして、その村では樹木化した者の世話はせずに、火葬にするという掟があったそうです」
「火葬か……。そういう文化もあると聞くが、エントの場合は生きたまま焼くってことになるだろ……」
「ですので苦しむ暇も無いよう、高位の魔法で一瞬の内に焼却したそうです。ここでの暮らしが始まってから年月が過ぎ、村の人口は緩やかに減っていきました。二十人が十人に、十人が五人に、五人が二人に。そして、二人が一人ぼっちに……。彼はその最後の生き残りで、誰にも火葬してもらえないままエントになったようです」
私と師匠は石板から目を離し、目の前のエントの男を見上げる。幹は太く、力強い。そして樹冠には青々とした葉を茂らせている。手入れなしで、よくここまで朽ちなかったものだ。環境が良かったのかな。
「この男、まだ若いよな」
「ええ。私と四百歳くらいしか変わらないでしょうね」
「……そんな若くしてエントに。やっぱり、老化で樹木化した訳じゃないんだろうな……」
「石板の最後には、こう書かれていました。これを見たドリアードがいたら、自分を火葬してほしいと」
「……あんた、やるのか?」
一陣の風が吹き、私の髪をサラリと揺らした。
「……まあ、やりますよ。それが彼のためです。それに、切り倒されて木材にされることは、エントにとって最大の屈辱になります。放置してはおけませんよ」
私はエントの男の遺言に従うことにした。
◆
エントを火葬にする。それが本人の望みとはいえ、緊張するなあ。覚悟も要るし。
あの後、私はたっぷりと時間を使って気持ちを整えた。そしてようやく、心の準備ができた。
「何が起こるかわからん。念のため、魔力の余力は残しておけよ」
「はい、わかりました」
私はエントの男の正面──広場と森の境目に立ち、師匠はその後ろの木の陰に隠れている。
「すー……、はー……」
息を整え、魔力の操作に集中する。エントの根はもう、地中深くまで達しているだろう。それも一瞬の内に燃やしきりたい。しかし、私は高位の魔法は使えない。なので、ありったけの魔力を簡易魔法に上乗せしなくてはならない。
「簡易魔法、着火・球!」
線状に放たれる炎を球状に押し込め、範囲内を超高温にする。
ゴウッ!!
まるで目の前に太陽が現れたかのように、景色が光で包まれた。続いて肌を焼くような熱波が押し寄せる。この熱波はエネルギーのロスだ。上位の魔法使いならこの熱波も含めて丸ごと球内に押し込め、温度を高めるんだろうなあ。
ぼしゅう……。
太陽の顕現は一秒程度で、すぐに魔力切れを起こして消滅してしまった。
目の前の広場は跡形もなくなり、ただ黒く焼け焦げた巨大なクレーターだけが残った。クレーター表面の岩は溶けて赤熱し、土は高温にさらされてガラス質に変化している。木の焼け残りは見当たらない。上手く火葬、できたかな……。
「あ、あれ……」
魔力、使いきっちゃったみたい。もう、立ってもいられない……。
「大丈夫か、ルヒナ!」
倒れそうになった私を、師匠が優しく抱きかかえてくれた。心配そうな師匠の顔が、目の前にある。空はもう夕闇に包まれようとしていた。
「師匠、どうでしたかね……」
「とんでもない魔法だったぞ。エントの男も、苦しまずに逝けたはずだ」
「なら、いいですが……」
今日は疲れた。もう寝てしまおうかな……。
「な、なあルヒナ。まだ目は閉じるな? 寝るな?」
はい?
「なあ、おい。起きろって、おい!」
何ですか? そんなに揺らさないでください。
「あんたの魔法の余波で、火が森に燃え移ってるんだが? このままじゃ、大火事が起きるんだが……?」
「火事ぃ……?」
「なあ、水の魔法とかで鎮火してくれって。それくらい簡単だろ? なあ、おいって!」
「今日は魔力を使い切ったので、もう無理です……。むにゃむにゃ……」
「おい、寝るなー!!」
◆
「へえ、そんなことがあったのかあ。それでこんなでっかい穴が」
「これをその子がやったってえのかい? ドリアードってのはとんでもないんだなあ」
「まあ、何はともあれ、これで憂いなく森を切り払えるって訳だな」
「で、その子はどうして首からそんな物を?」
翌日、師匠は人面樹ことエントが生えていたかつての広場──今は巨大なクレーターになっている所に木こりたちを連れてきて、事の顛末を説明した。
「はあ……」
そして私の首からは、「私は無計画に魔力を使い魔力切れを起こし、危うく森を焼いてしまうところでした」と言う木札が掛けられていた。これは反省の証しとして、師匠に掛けさせられた物だ。
私は昨日、最大級の魔法を放った後、魔力をほとんど使い果たして寝てしまった。そして師匠は夜通し、森に燃え移った火の対処に当たっていたらしい。火が燃え移った草木を刈り取ったり、薬品を「ただの水」として使ったり……。
そして朝起きた時、師匠から説教をくらってしまった。希少な薬品をあんな贅沢に使ったことは今までに一度もないと、師匠は言っていたな……。
かくして多大な損害を出しながらも、人面樹の一件は解決した。木こりたちは森の伐採を本格的に開始できた。
カンカン、カン……。
伐採作業を進める木こりたちを見ていて、ふと考えた。自分が樹木化した後はどうなるのかと。
切られて木材になるのは絶対嫌だなあ。できれば特別な木として、どこかの村とかで崇め奉られたい。それで行き届いた世話をしてもらいたい。それが無理なら、せめて一思いに今回みたいに火葬にされたい。とは言え、あのレベルの火力を出せる者なんてドリアードが滅んだ今ではそうそういないし……。
まあ、今は樹木化について悩まなくてもいいか。どうせ何千年も先の話だ。そう思うことにしよう。
不景気な時に増税する国があるかって?
あるじゃないですか。