プロローグ
素人なので暖かく見守ってください
「まじか…」
3月が始まり卒業も近い頃、俺こと松山翔太は県立翡翠高校の合否を見に来ていた。遠目から自分の番号を必死に探したが…どこにもない。落ちたのだ。
「くっそ〜受かると思ったのに!」
周りでは受かった奴らが奇声を発しながら喜び合っている。俺も混ざりたかった。クソが。俺は居た堪れなくなって翡翠高校をあとにした。
「あー…落ちちゃったか…」
担任は報告に来た俺の顔を見てすべてを察したらしい。自分で言って期待を裏切るより気が楽で助かる。
「はい…ぜってーいけると思ってたんすけどね…」
「それで、これからどうするの?公立の後期受けるか、それとも…」
担任は途中まで話すと手元に持っていた資料に目を落とした。
ーーー仲葉学園高等部 合格通知ーーー
「ここに決める?」
俺は軽く唸ると腕を組んだ。仲葉学園…翡翠高校に行くもんだと思ってたからたいして調べてないし、説明会にも文化祭にも行ってない。先生たちがあれ程併願でもしっかり調べろと言ってたのに。良い子のみんなはどうか俺のようにはならないでくれ。
そんな俺でもこの学校について知ってることが一つだけある。
『全寮制』ということだ。
親元を離れ生徒だけで生活する、ロマンはあるが俺一人で決めていいことじゃない。
「親と、話し合います…」
「それがいいね。期限過ぎたらここにも入学できなくなるから気をつけて。」
夜、家族会議が開かれた。議題はもちろん、俺の進学先だ。
「寮だなんて何があるか心配じゃない!公立の後期、受けなさい!」
「お兄ちゃん、翡翠高落ちたの?ダサww」
母さんと妹の美緒がギャンギャン言ってくる。俺は今ブルーなんだよ、そっとしといてくれ。
「母さん、俺たちが決めることじゃないよ。翔太、おまえはどうしたいんだ。」
父さんが二人をなだめながら聞いてきた。翡翠高落ちてからずっと考えてたんだ。俺の気持ちはもう決まっていた。
「仲葉学園、いきたい…!」
どんな学校が微塵も知らないけど…俺はこの学校で誰もが羨む高校生活を送ってやる!脱・普通の男!
決意し拳を突き上げ…テーブルにぶつけた。幸先悪いなオイ。
読んでいただきありがとうございます。