三話 愛情
遅くなりました。体調を崩し全く進まない日がありました……。
とりあえず読んで下さい!
「やっぱりお前か……兇!」
「次は貴方ですか元村長」兇さんの足元にはおっさんに教えていた田所さんが殺されていた。
「田所……」
「おっさんの師匠……」
「田所さんは岡田さんと重症を負った生田目さんと芦田さんを逃がすため私に挑んできてこうなりました。自分が死ぬと分かっていながら戦うとは流石ですね」
「兇自分が何をしたか分かっているのか?」
「勿論分かっていますよ。でも、仕方がなかったんです。私が強くなるためにはそして、眼を入手するためには」
「……眼をどうしたんだ?」
「そんな愚問……使える眼は全部私が持っていますよ」またあの時みたいに笑っている。
「お前一人で持てる訳がない眼は一人一つの能力しか使えないはずだ!」
「持てますよ。なぜなら私の眼は複眼で複数の眼を持てるんですよ」
「そのために仲間を殺し眼を奪うとは堕ちたな兇……私達がお前を倒してやる」
「海さん空から何かが!」
「やっと来たか」空から来た生物は黒と白の竜だった。
「待たせたな海」黒い竜が喋る。
「私は、この子を守ればいいのかしら?」白い竜が喋る。
「良く来てくれたクロ。いや、今の兇の力は分からないシロも私に手を貸してくれ」
「分かったわ海」
「おいおい海さんどうなってんだ竜は来るし喋るし俺に出来る事はないのか?」
「私達を見てればいい。大丈夫だ凪あんただけは絶対私が守ってやる。だから下がって見てな」
見てるだけってなんだよ……俺は要らないのか……。
「クロ、シロ早速行くよ」
「おう!」
「うん!」
「竜術! 黒刀」「竜術! 白衣」
黒い綺麗な刀に真っ白な天女のような衣……何て綺麗でかっこいいんだ。
「竜術……竜と絆を深めた者だけしか使えない術……ふふ貴方を倒したら竜は私が貰いますよ」
「お前が竜術を使える日は一切来ないしクロとシロは絶対に渡さん!」
早速海さんが兇の後ろに物凄いスピードで移動する瞬進の術だ! 完全に虚を突いてる!
背後の海さんに気付いた兇だが遅い! 右腕が斬られ吹き飛ぶ。
「兇油断したわね次は左腕をもらうわ」
斬りかかった海さんに対し兇は左手を見せると突然爆発が起こり海さんが吹き飛ぶ。
「竜術本当に便利ですね」
「海今のは危なかったわ」
白い衣に包まれた中から海さんが兇に話し掛ける。どうやらあの衣はシロという竜の意志で守られたみたいだ。
「シロ助かった。にしても厄介な眼だな兇」
「厄介だなんてこれはこれで便利なんですよ。手をかざしただけで爆発が起こせるなんて凄いと思いませんか?」
目が赤くなっている! 修行中海さんが言っていた眼を使うと色が変わると!
「その眼も村の者の能力だろ!」
「そうですよ。他にもありますよ」
眼の色が次々と変わる。
「兇もういい……」その瞬間、海さんの目の色が金色に変わる。
「それですよそれ! その眼えぇぇえ!」
互いに瞬進で近付き黒刀と鉄の色をした腕がぶつかり合い激しい火花を散らす!
「黒刀に斬れない物はない!」刀が腕にどんどん斬り込まれていく。
「腕の1本ぐらいどうぞ私はこの眼を貰います!」
海さんの目に手を伸ばす。
「ぐっシロ頼む!」「えぇ!」袖が別れ兇の手を止める。
「ふふ」兇が笑った瞬間爆発が起きる。
土煙が晴れていくとそこには斬られた腕から血を流しながらもう一方の腕で血を流す海さんを引きずっていた。
ここまでの戦いを見て俺には到底敵わないのは分かっていた。それでも俺は走っていた。何故なら……だって、だって……。
俺の母ちゃんだから! 俺は泣きながら向かって行った。涙が止まらない足も止められない止めてはいけない。俺を叱り褒め優しい言葉を掛け温かい微笑みをくれた母ちゃんを……。
「俺は母ちゃんを死なせない!」
「無刀流一拳! 二拳! 三拳! 」当たる! 拳に気を纏い通常の何倍もの力で殴る技だ! 拳から血が出る。でも、大丈夫だ拳が使えなくなったら足がある! 倒すまで休むな打ち続けろ。
「はぁはぁ」俺は母ちゃんを抱き上げながら涙を拭う。何とか右腕だけで済んだ。兇は体中がボロボロだこのままなら俺でもいける!
「はは凪君痛いじゃないですか見て下さいよこの体。骨だってあちこち折れてる。私そんなにひどい事しましたか?」
「母ちゃんを見れば分かるだろそれに今までお前がして来た事を考えれば当然の報いと言いたいがまだ足りない! 俺は絶対にお前を許さない!」
俺は母ちゃんを下ろし無刀流を使い兇に向かって歩き出したが途中で気付く兇の体が……治ってる!
「すいません言ってなかったですね……体を治す眼も手に入れてるんですよ回数が限られますがね」
どうする? どうする? 母ちゃんは気絶してる背負ってじゃ逃げられず必ずやられる。いや、治すには回数があるって言ってた! その限界を超えれば……勝てる!
「無刀流双蹴! お前の治す回数の限界を超えてやる!」
「どうやらもう治せないみたいだな……」くっ両腕はもう上がらないそれに足もふらついてる立ってるのがやっとの状態だ……。
「凪君ひどいじゃないですかもう死にかけ……なーんてね! うっそでーす! アッハッハ回数制限何てないんですよこの眼」
ふざけるなふざけるな人をどこまでもおちょくりやがって……くそ……悔しい……。
「あー凪君泣かないで下さいよ君は良く頑張ったじゃないですか仕方ないな……ペロペロ……はは凪君美味しいですよ?」
こんなふざけた奴に負けたくないなのに……涙が止まらない……。
「あたしの息子に触れんじゃねぇー!」
「ぶほっ!!」吹っ飛んで行く兇。
「凪……!」抱きしめられてる……母ちゃんに。
「母ちゃん……うっうぐ……」
「うん、大丈夫だよ言ったろ絶対に守ってやるって」
「うん……うん……!」強く抱きしめられながらおでこにキスをされる。
「な、なんだよ急に!」
「照れてんじゃないよ母ちゃんからの愛情だ! 今までの分全部詰めたからね」
「そ、そっかありがとう……」
「凪の成長も見れたそれに息子から母ちゃんって呼ばれる幸せも貰ったシロ後は頼んだよ」
「海本当にいいのね?」
「えぇ! 愛情は貰ったしあげた! 後は息子を守るだけさ!」
「分かったわ」シロが俺を掴み空に上がっていく。
「シロ待ってくれよ! 母ちゃんも連れてってくれ血を流してたのを見てだだろ? 俺だけを助けるなら俺も母ちゃんと戦う」シロの腕を残りの力を絞り切り全力で抜け出そうとする。あともう少しだ!
「凪!」
名前を呼ばれ母ちゃんの方を離れて行く中見ると何て言ったか聞こえなかったが口の動きで分かった……。
「愛してる……俺も愛してる! ずっと死んでも愛してる……」そのまま俺は気を失った。最後に見たのは向かって行く母の背中だった。
自分は感情移入しやすく書いてる途中で泣いてしまいました。
皆さんの心を少しでも動かせたならいいと思います。
読んでくださりありがとうございました。