【第7話】セリカ
「よしまずは、スキルについて試してみよう。」
タクト「スキル なし」
まずは、この問題からだ。一般にスキルを持ってない人は多いようだが、レベル99でなしってのはおかしい。
ナオルグの平均的なスキルが15~20くらいが大人の平均らしい、これは人間も亜人も関係ない。
ちなみにおれの創世のスキルで、スキルを作ることは可能。これを精霊化のように付与することはできないか?やってみる。
できた!タクト「スキル 魔法」
こっそりつけておこう。分かったら危ないからね
他の子供達にも試してみる。
できないみたい、やっぱりレベルかなぁ
全員がまだ1レベル。
レベル上げは、モンスターを倒せばいいらしい。これは普通だな
精霊化もタクト以外には今のところできない。何でだろう。
「待て待てーー」
子供達が結局鬼ごっこになっている。
カボチャのステッキに変身
「セリカ、少し話を聞いて言いか?」
ビックっ
「何でございましょうか?」 ひざまづいて頭を下げてくる。
まだ慣れていないみたいだ。タクトには優しいお姉さんだが、おれには恐怖の存在のようだ。
なかなか心をひらいてくれない。
「楽にしていいよ。いつもありがとう。タクトの面倒を見てくれて」
ほんとに感謝をしている。おれは、実体がない身体なので、朝から夜寝るときまで、セリカと一緒に過ごしている。
なるべく遠くにいて見守るようにしてるのだが、近くにくるとセリカの緊張が伝わる。
「すこしは楽にしていいよ」
「めっそうもございません。至高の方々に使えるのはこの上ない幸せでございます。」
タクトの落差がすごい、タクトへの笑顔をおれに見せてくれるときがあるのだろうか?
「タクトと子供達なんだけど、レベル上げはどうしたらいいと思う?」
「それでしたら、まずは装備を整えて低ランクのモンスターを退治するのがよいかと」
やっぱりそうか、他にもありそうだけど無難なところを話しているみたいだ。誰も罰したりしないのに。やっぱり身体は必要だな。
光の玉か、カボチャステッキ、アクセサリー、くらいしか見てないからね。
「無理しなくていいからね。たまには、リーシュのところにでも言って休んできてもいいよ。」
「それはクビということでしょうか?誠に申し訳ございません。」
クールなセリカが、泣きそうになっている。ていうか泣いている。
わんわんと。どうしよう
「パパ、いじめてるの?」
タクトが怒っている!
光のビームがとんできた!魔法かな
吹き飛ばされる。この世界で初めて感じる痛みだ。まさかタクトだけには、おれを倒せる力があるのではないかとおもってしまった。
その後タクトと、セリカをなだめタクトは、子供達に任せた。
「お恥ずかしい話ですが、もう少しこちらにいさせてもらえないでしょうか?」
もちろん、許可をする。
理由を聞かせてもらった。セリカの親が借金をしてしまい、困っていたところをリーシュに助けてもらったとのこと。
タクトの養育係をすることで、借金取りからも国が守ってくれているらしい。
借金を帳消しにして上げればいいじゃないかとおもったけど。
そこまでは、申し訳ないと断ったとのこと。
かなりのお人好しだな。
まぁ好感は持てるけど。借金かぁ
そもそもお金って、こっちの世界で、まったく持っていない。
セリカに本来なら給料を払わなくてはいけないのに、払ってなかった。そういえばいつも同じ服を着てたな。
ロク亀ちょっとしめてやる。
と心に誓うのであった