【第4話】首都到着、一国平定
首都に到着。
せっかく仲良くなった子供たちは、孤児院に身を寄せることになった。
「タクトちゃんは、一緒にいこうね」金髪のリーシュが手を離さない。
「タクトね、一緒に行ってあげることにしてあげてもいいよ」
上から目線のタクトくん
「そうですね、気になることもあるので連れていきましょう」
それにしてもこの2人はどういう関係なんだろう。ここまでくる途中でリーシュの身分が高そうなのは少しわかったけど、セリカの方は少しエルフっぽい美人なおねいさん。
当然タクトは、気にもせずルンルンだ。タクトに期待するのは無理だろう。
代表のおばちゃんと共にお城に向かってる。ちなみに代表のおばちゃんはマルリアと言うらしい。
「マルリア レベル6 村人」
それにしてもこの魔物の国、ナオルグと言うらしいが、中世のヨーロッパみたいだな、行ったことはないが。魔物の国ってイメージではない。
とりあえず、王様への謁見、各大臣たちも集まっているようだ。
いきなりそんなとこに連れていかれたが、それだけ切迫した状況らしい。
「王は、生死不明の状況で、もっか捜索中でございます」
兵士の一人が答える。オオカミ男みたいだな。やっぱり魔物の国かぁ
大臣「なんと言うことだ、だから前線に出ることは反対したのに、こうなっては、王子のリクセント様に頑張ってもらうしかありません」
言われた本人はびくっとなってたぞ。大丈夫か?まだ若いウサギ耳の王子。女じゃないんだ、ちょっと残念。
事前に聞いた話だと、魔物の国ナオルグは、6人の大臣、12人の領主で納めてる国らしい。種族の平等を理念としており6人の大臣の半分は亜人、半分は人間で構成されている
その方が、派閥できてもめるだろうと思ったけどね。
案の定、お互い半々に分かれてもめている。その後ろに貴族たちもいてこの部屋に百人近くいることになる。
王の席は空席で、その席の横に王子が立っている。おろおろしてるなぁ
気になるのはその横にある像だ、おそらくこれが精霊の像。
そして、王の席よりも後ろの台座には亀の置物があった。この国はあのエロ亀仙人を崇拝してるようだ。
このままでは、会議も決まりそうにない。
そろそろ、タクトに精霊化でもするかな。タクトに入り込むようにして精霊化を行う。
その、直後精霊の像から光が放たれてタクトにあたる。回りの人々は驚いてその様子をみていた。
「まさか、これは皇帝が現れた印なのか」人間の大臣の一人がつぶやく
「こんな子供が」魔物の大臣、ちょっと怒ったような口調だ。フクロウのような大臣だな。ここは動物園かな?
セリカとリーシュは驚いているようだ。黒髪のセリカが光が出たときに必死に守ろうとしてくれたのは嬉しかったなぁ
少し光ってまたもとに戻ってしまった。
「マルリア領主、そのものは誰ですか?」おばちゃん領主だったのか
「この子供は、攻撃を受けた時に避難してきたもので保護しました」
「スキルの確認を」兵士が精霊の像へ向かう。ヤバイと思いながらすぐ近くにいるので止めることができない
「ステータスが見えません」
「どういうことだ?まれにレベルが違いすぎると見えないことがあるらしいが信じられない」
ざわつく人々。覚悟を決めるか、実は四神のロク亀....いい表現だ、これからこう呼ぼう。
もとの世界に戻るには、世界をあるべきもとの姿に戻せば可能性はあると教えられていた。
「驚かせて、しまって申し訳ない自分は転生してこの世界にやってきたショウ、息子に変わって話をしている。調停者として復活した。」
辺りが静まりかえった。
数人の人々が即座に跪く、
「我々の救世主、創造主様だ」
いろいろな称賛の声が届いてきた
「静かに!それでどのようなご用件でしょうか?」フクロウ大臣が尋ねてきた。
「まずは、この国を守りたい力を貸して欲しい」うさみみ王子が、感動した様子で眺めている。
「信用する根拠はございますか?」人間の大臣が問いかけてくる、顔色悪そうな親父だなぁ
「我々のロク神こそ、唯一の存在でございます」白いローブをかぶったおそらく大臣が発言する
少し面倒になってきたな、タクトに精霊化してるせいもあって子供のわがままな心が出てきてるみたいだ。タクトの影響だろう
突然身体がういた。亀の像の前まで移動した。
ロク亀の声が聞こえる「無礼な方々、少し力をお見せすればよろしいかと」
「無礼者!! 王の席よりもなお上の席、神の位置に立つなど、許されません! 罰をあたえよ」
兵士が取り押さえるべく武器を構える、それより先に白ロープの大臣が動いた。
「願わくは四神の力を我に、キッコウライハ」雷の塊が飛んでくる。
どうしよう! 手をかざす、「創世の、力をみせる。創世壁」
見えない壁ができる、ロク亀の言うとおりにしてみた
凄い、壁に触れると飛んできた魔法が消えた、しかも音を立てずに
兵士達が、突撃してくる。
それも壁に触れるとその場で倒れてしまった。
ロク亀「この力は、触れるものを滅してしまう力があります。正直これ程とは」頭の中に響く声
兵士達の命は亡くなったようだ。
焦ったおれ、どうしよう
白ロープの大臣は、状況が読めないようで、立て続けに攻撃を行う
このままだと回りにも被害がおよびそうだな。さっきから頭のなかに様々なスキルの使い方が巡ってきている。
よし、白ロープの大臣に手をかざす。意識をこめると、大臣が固まった、そして崩れ落ちた。
遠巻きに他の人々が見ている
「調停者の力のまえでは、どのような力も無意味だ。これでわかったと思う。」
「もうひとつの力を見せよう」
また手をかざす、すると亡くなっていた兵士、大臣が起き上がった。
「おーーー!」「生死も自由なのか」「まさしく調停者の力だ」
うまくいってよかった。
できなかったら、ただの殺人犯だ。
それにしても凄い力だなぁ
白ロープの大臣が、起き上がる状況がつかめていないようだが
「かなわなくとも、我々のロク神への忠誠を誓ったものまだこれからだ」なかなか根性あるなこいつ
「待つのだ」亀の像がしゃべった。またこのパターンか
亀の像が形を変えて、ロク亀になり現れた。
また歓声が上がる「神が降臨された!」
白ロープも「我々を助けに参られたのだ!我々を見捨てにはならなかった」
「助けにきたと勘違いをするでない」
「どういうこと」
「この方がどのような方かまだ分からぬのか、こうすれば全て分かるだろう」
ロク亀がおれのまえで跪く。頭も下げて、その様子で回りが全て悟ったようだ。
全員が跪く、なんかテレビで見たことあるシーンだな。
こうして一国の平定があっさり終わろうとしていた。