表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/160

探検大会(準備)~前日~

 翌日の放課後、ルナティアとライラ、ジュリアはカエラと別れ、回復魔法の練習のために中央棟に向かった。


 中央棟の入り口に着くと、そこには既にジークリードが待機していた。

「殿下、遅くなって申し訳ございません。」

 ルナティアが頭を下げると、続いてジュリアとライラも頭を下げた。

「いや…むしろ、折角の放課後が魔法の練習になってしまって、すまない。」

「いえ、それより、殿下の貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございます。」

「…ルナティア。」

「はい?」

「ここでは…殿下と呼ばないで欲しい。前にも言ったが、俺は()()()として学園に通いたいんだ。…殿下と呼ばれると…。」

「そ、そうでしたね。申し訳ございません。トニトルス様がそうお呼びしていたので…そうすべきなのかと…。」

「彼女はそれほど親しくないから、なんと呼ぼうが気にならないが…。」

「分かりました。…では、私はなんとお呼びしたら宜しいのでしょうか。」

 ルナティアの問いに、少し間を置いて、ジークリードが答えた。

「…名前で、いい。」

「っ!!」

 思わぬ言葉に、一瞬、言葉が詰まったが、深呼吸をしたルナティアが笑顔で答えた。

「かしこまりました。では…ジークリード様、とお呼びいたしますね。」

 微笑みながら答えるルナティアの表情を横目に、ジークリードが続けて言った。

「…ジュリア嬢もライラも、同様に頼む。それからカエラ嬢にもそう伝えてくれ。」

 平静を装ってルナティアの友人たちにも同じように伝える。

「「かしこまりました。」」

 僅かに耳が赤くなっているジークリードに気づいているジュリアとライラは、内心、微笑ましく思いながら答えた。

 2人の内心など知る由もないジークリードは、返事をそのまま受取り、

「ありがとう。…では早速、回復魔法の練習に入ろう。この部屋を借りているから…中へ。」

と言って、ルナティア達を(いざな)い、1階の教室へと入って行った。


 それからの数日は、探検大会(エクスプロラル)までの短い期間の放課後を毎日、中央棟1階の教室で、ジークリードの指導の下、魔法の練習を行い続けたのだった。



 そして、探検大会の前日、言付(ことづ)けどおりに、10名全員が中央棟5階に集合した。

 今回は、()()()()クラーロ・レーヴも参加している。


「いよいよ探検会は明日、となった。まずは、前回欠席だった、クラーロ・レーヴに聞いておきたいことがある。」

 ジークリードの言葉に、クラーロは、ふぃ、と顔を背けた。どうやら責められると思っているようだ。

 そんな様子を気にもせず、ジークリードは話を続けた。

「クラーロ・レーヴ、君は回復魔法が使えるか?」

「…は?」

 思いもよらない質問だったのだろう、クラーロは間抜けな声で返事をした。


「君は、回復魔法が使えるのか、と聞いている。」

 ジークリードが再度聞くと、

「まぁ…、初期の初期ですが…体力回復の魔法なら…。」

「そうか!どれくらいの回復を見込める?」

「ポーションの半分くらい、ですかね。」

「そうか…。…うん、とりあえず何とかなるだろう。」


 黙って聞いていたエリカが口を挟んだ。

「殿下。回復魔法の練習の成果はいかがでして?」

「ああ、ルナティア嬢が回復魔法を、何とか、な。」

 エリカがルナティア達の方を見ながら、

「まぁ、そうでしたの。闇魔法の方は出来なかったのですね?折角、殿下自らお時間を作ってくださったのに、成果がないなんて…。」

と、呆れたように言った。

「闇魔法自体が珍しい属性だから、回復の呪文が分からなくて、な。友人に聞いたが分からなかったんだ。ルナティアの場合も、魔法書にはまだ記載が無から、風属性の友人に呪文を聞いて、ひたすら練習した結果なんだ。」

「…そうでしたの。そういうことなら仕方ないですわね。」

 納得したのかしていないのかは分からないが、つまらなそうにエリカが言った。


「さて、これで明日の本番では体力回復の心配も無くなった。他の異常事態は恐らく無いと思うが、念のため保護魔法をかけておいた方が良いだろう。そこで、エセリアル嬢、以前お願いしていたハンカチは出来ているだろうか。」

「はい、こちらに…10名分ございます。」

「ありがとう。ではこれに、保護魔法をかけよう。…保護魔法は土魔法の保護魔法が一番強力だと思うのだが…トニトルス嬢、貴女は、保護魔法は使えるかな?」

「え?…あ…いえ、わたくしはまだ…。」

 さっき、ジュリアとライラに少し毒舌を吐いたこともあるからだろうか、ばつが悪そうだ。

「そうか…仕方がない、これは先生方に依頼をしよう。」

 ジークリードがカトレアからハンカチを受ると、途中でカエラが声をかけた。

「先生方に依頼、って、そんなことできる…ですか?」

「あぁ、前日まで申請すれば、保護魔法をかけるだけなら協力してくれる。魔力が無いものが集まったチームなどは、保護がないと大変だろう?」

「なるほど…。」


 その後も当日の様々な優先順位などを決めて解散となった。



 そして翌日。

 いよいよ、最初の大きなイベント、探検大会が始まろうとしていた。


長々とすみません。

次回から本戦です。まだ続きますがお付き合いくだませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ