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探検大会~チーム分け~

 ルナティア達が入学して1ヶ月くらい経った頃、学園内の掲示板に『探検大会(エクスプロラル)のお知らせ』が張り出された。


探検大会(エクスプロラル)』とは、1年から3年まででいくつかのグループに分かれ、様々な情報を集め、集めた先の宝を持ち帰る、宝探しゲームのようなものだ。

 隠されたお宝には、それぞれ点数がつけられていて、点数の高いグループが優勝、となる。毎年、この時期に開催される、一種の新入生歓迎会&親睦会のイベントだ。


 チームの決め方は、まず、チームの代表となる生徒を選出後、2、3年生は個々人ごとにクジでチームに振り分けられる。

 1年生だけは、慣れていないためグループでのエントリーが認められていて、エントリー後、グループ単位で、クジにより振り分けられ、2,3年生のチームと合流する。こうして各チーム、8~12名で編成され、30組に分けられる。

 因みに、クジを引くのは、教師たちと決まっている。


 生徒代表であるジークリードやレグルスは、探検大会(エクスプロラル)の準備で入学式後からずっと忙しかった。

 このイベントでの生徒代表の仕事は、場所やエリアの選定を行った後、お宝を決め、それに得点を配分し、表にまとめる。それが終わったら、今度は各学年に周知するための、掲示物の作成や教師・魔法科の先輩との連携を行い、最後にグループ分けのクジ引きを実施する。


 探検大会(エクスプロラル)には、生徒代表達も参加できるよう、生徒代表の下準備の後の会場設営や問題作成などは、学園の教師や魔法科の4~6年生たちが行うことになっている。勿論、生徒代表に、提供する情報の内容もお宝を隠した詳しい場所や探し出す方法なども内緒だ。

 生徒代表が知っているのは、開催場所のざくっりしたエリアと、お宝に配分された得点だけなのだが、元々の能力値が高い生徒代表達は同じチームになることはない。


 『探検大会(エクスプロラル)のお知らせ』が掲示された翌日、中央棟の生徒代表用の会議室では、教師たちによるチーム分けのクジ引きが行われていた。


 まず、選別された『代表者』にチーム色の振り分けをする。

 チームは、『金、銀、白、赤、黒、緑、青、紫、黄、桃、茶、橙、赤茶、赤紫、薄紫、黄緑、深緑、浅葱、群青、水、空、灰、黄土、茜、朱、薄紅、山吹、白藍(しらあい)紺藍(こんあい)濃藍(こいあい)』と、それぞれの色で分けられる。

 因みに、代表者の選別方法は、生徒代表の10名と、2、3年生の()()()()()が選ばれる。

 ()()()()()とは、試験結果の上位者と、魔力を含む総合戦闘能力上位者から選ばれる。


 振り分けられた結果、金チームにはジークリード、銀チームはレグルス、白チームがカートリス…と、桃チームまでの色が生徒代表10名でうまる。

 次に、2,3年の代表者となった生徒にチーム色が決められ、そうして30チームが出来上がった後、いよいよ、教師たちによるクジ引きが始まろうとしていた。


 チームのメンバーは、本当に『運』でもあるのだ。

 特に、1年生の実力は知られていないため、実力がある者同士がグループになっていた場合り、そのグループを引いたチームは代表がイマイチでも優勝してしまうことだってある。2()()()()()()()だ。


「さて、今年の1年生に、君たち以上(ジークとレスルス以上)の大盤振る舞いの生徒がいるかな?私は毎年、コレ(クジ引き)が楽しみなんだよ。」

 そう言って、1年生のグループ番号が入った壺に手を入れたのは、学首だ。

 いつも、()()()()()()()()何故かクジ引きの時、教師たちの中に加わっている。


「うーん…まずは、金チーム…(ガサゴソ…)これだ!」

 引いた番号を見ると、『A-5』とある。

「えーっと、A-5、A-5…あった。…えっ?」

 1年生のグループ一覧を確認していた、リリー・グレシャが驚きの声を上げた。

「何?リリー、どうしたのさ?」

 ソイル・スオーロが声をかけ、カイル・スオーロと一緒に一覧表を覗き込む。

「あっ!レグの妹君!!」

 その声に、ジークリードとレグルスが立ち上がった。

「え、何でルナとジークなんだよ…。僕のチームにしたかったのに…。」

 悔しがるレグルスと対照的に、ジークリードは立ち上がったまま、無言で固まっている。

「…私の妹(カエラ)もいるね。…いいなぁ…。」

 アマラ・ウーヤンも言う。「いいなぁ…。」が何処にかかるのかは微妙だが…。


「ジーク、ルナティアにケガでもさせたら許さないからな。」

「当たり前だ。ケガなんてさせないさ。だけど、ルナティアは…ケガなんてしなさそうだな。」

 さっきまで固まっていたジークリードは、もういつも通りに戻り、レグルスに言い返していた。


 そんな年相応のやり取りを目を細めて見守っていた学首が言う。

「これも()()()ですからね…。それじゃあ、次、引きますよ?」

そう言って、クジ引きを続け、結局、1年生の分のクジは、全て学首が引いてしまった。


「では次…2年生――。」

 次も引こうとする学首を、流石に他の教師たちが止めた。

「あのー…学首。2年3年は私たちが引きますから、見守っていてください。…というか、私たちにも引かせてくださいっ!!」

 教師たちと学首のやり取りは、各チームへの振り分けが終わるまで続いた。



 チーム分けが決まり、翌日には掲示板に各チームの振り分けが発表された。

 探検大会(エクスプロラル)までの日数は、もう1週間しかない。

 各チームは、代表者の指示のもと、あちらこちらで顔合わせを行い、作戦会議が行われていた。


 もちろんルナティア達が振り分けられた、金チームも例外ではなく、発表後、すぐに招集がかかった。()()()()()()()()()()5()()()だ。


 集合場所に驚いてしまったルナティアだったが、その日の放課後、ライラとカエラ、ジュリアと一緒に、中央棟へ向かったのだった。


学園生活にはイベント必要ですよね。

2年前の例は、ジークとレグのグループを引き当てた想定外のチームが「優勝」したようです。


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