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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ダンジョンに落ちた時の対処法 ~これで君もダンジョンマスターだ!~

作者: 鬼シスターくれしま

周りは真っ暗。

何も見えない。

俺はダンジョンにいる。

なんで暗闇という情報しかないのにダンジョンだと分かるのかって?

それはね、とりあえず落ち着こうと思って煙草に火を付けたら、その火に反応して気持ちの悪い動物が近寄ってきたからだよ。

普通あんなん見たらビビるけど、煙草のおかげでそうでもなかった、よくわからない緑のパッケージの煙草さんありがとうな。


てなわけで、ダンジョンから生還できた俺が、そもそも何故ダンジョンにいたのか、どうやって生還できたかを解説しようと思う。



それは平日の清々しい朝だった。

俺はいつものようにスーツに着替え、汚染物質を吐いてできた電気で動く車両へ乗り込もうとしていた。


いつものように会社に行き、指示通りにパソコンを動かし、指示通りに動いたのに怒られたり……今一度言うが、いつもの事だ。


そんで、残業をバックレて、定時で帰った時だった。

急に花を摘みたくなって公園へと足を運んだ。

お花が咲いている場所へと俺は全力疾走していた、そのくらいヤバかったんだ。

その時だ、急に地面が揺れて、立っていられなくなった。

俺はじょうろの水をぶちまけてしまった、だがそんな事は些細な事だ。

地面が割れ始め、それが海溝の如く深くなり始めた。

俺は逃げようと思ったが、じょうろの水が未だに漏れているのと、あまりの揺れで、動くに動けなかった。

そのまんま……俺は穴へと落ちた。



んで、最初の文に戻るけど、目が覚めたら周りが真っ暗だった……途中省略、緑のパッケージがうんたらかんたら。


そんでもって、俺はお構いなしに煙草を吸っていた。

気持ちの悪い動物たちは、火が付いている白い棒を凝視している。

俺は吸いたいのだろうと思って、煙草を差しだした。

気持ちの悪い動物はそれをご丁寧に受け取った。

俺は火を貸してやろうとライターを差しだした。


ここで俺は冷静になった。

なんでこんな連中に一本恵んで、尚且つ火を貸してやらなきゃいけないんだと。

俺は咄嗟に、煙草に火をつけると見せかけて、その気持ちの悪い動物目掛けてライターを近づけた。

するとその気持ちの悪い動物に火が燃え広がり、苦しみだしたのだ。

いい気味だ、俺はその姿を見て嘲笑った。

すると、奴の仲間がいたのか、なにやら話し声が聞こえた。

俺は近くに落ちていた石を拾って近づいた。

なんと、気持ちの悪い動物が大声で仲間を呼んでいたのだ。

俺は黙らせるために、石を何度も脳天に強打させ、絶命させた。

なんだろう、楽しい。

ここはダンジョンなのだから、ステータスボードがある筈だ。

俺は咄嗟にこう唱えた、「ステータスオープン!」と。

すると、目の前にステータス画面が表示された。

レベルが1から10億まで上がっていたのだ。

俺は歓喜のあまり、煙草を持ったまま狂喜乱舞した。

何度も煙草を吸った、めちゃくちゃ美味しい。

ダンジョンに落ちたみたいだけど、このまま先へ進もう。

10億の俺に勝てる奴なんていない、俺はそう考えて先へと進んだ。



いやぁ、楽しいね、気持ちの悪い動物を退治するのは。

俺は歓喜のあまり、暗闇の中を彷徨い続けた。

動物を見つけたらとりあえず石で殺した。

めちゃくちゃ楽しい、レベルが上がるのは。

あぁ、動物はどこかな、早く会いたいな。

早く会って殺したいな。


そう思っていると……突然、周りが明るくなった。

目の前には動物が大量に倒れていた、そう、俺が倒した、殺した、動物だ。

生き残っていた動物が咆哮を上げた。

あいつも殺さなきゃ……俺のレベルの素材になれこの野郎。

あいつに目掛けて石を投げようとしたその時、後ろから何かの力が働いた。

俺は抵抗した、死にたくないから。

こんな訳の分からない穴の中で死んでたまるか、気持ちの悪い動物に殺されてたまるか。

俺は必死に抵抗したが……謎の力によって、俺は眠らされてしまった。



目が覚めると俺は……ベッドの上にいた。

ここはどこだろうか? 分からない。

すると、一人の男が部屋に入ってきた。

なにやら紙を見せてきたが、彼は人間だった、あの気持ちの悪い動物じゃない。

俺はあのダンジョンから脱出できたんだ、やったぜ!

レベルは既に1兆、いや、1阿僧祇だ。


ここまで読んでくれた君にアドバイスだ。

もしもダンジョンに落ちたら煙草を吸う事、そして気持ちの悪い動物に遭遇したら問答無用でぶち殺すこと。

これで君もダンジョンマスターになれる、俺がそうだからね。

それじゃ、またどこかで会おう。

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