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第8撃 足元から鳥が立つ

今日はクリスマス。

町は賑やかお祭り騒ぎ。


マッキーの歌は情景がはっきりと分かっていいですよね!

どこの国にも友好・結託・分かち合いあらゆる時に使えるおなじみの作法がある。

そう。


【握手】


『ユリス、これからよろしくな!』


そっと差し出した俺の右手に合わせて彼女の温もりを感じる。

正直、女性との握手って少し照れるな…。


(それにしてもこんなにも女の子の手ってやつは柔けぇん…。)


【 ん?握手って女の子はこんなにも赤面するものなの?】


なんてことは無い。どうやら、俺の右手は俺の意思に逆らって彼女の、エリスの豊満な右胸に深く深くフィットしてしまっていた。



『さぁ!自己紹介も終わったところで、さっきの話の続きだが!』


平常心を装ってはいるが…。

俺の頬には彼女の熱く赤い一撃の跡がスタンプされている。


『俺のスキルの話だ。』


『そんなのは聞くまでもなくもちろん知ってるわ!全ての悪を焼き尽くすまで消えることの無い聖なる光のスキル、スキルの名は確か永劫(えいごう)。』

ユリスはさながら仲間になりたそうにこちらを見ているスライムがごとし瞳を煌めかしている。


『そう永劫だ…俺のスキルは…永劫!?』


確定。


いきなり出会った彼女に持ち上げられひょっとすると本当に俺が英雄かなんてついついくだらない妄想にふけっていたがやっぱり人違いじゃねぇか…。

やっぱり俺にはどうすることも…。


『悪いな。ユリス。非常に申し訳ないんだが、えっと〜その〜俺のスキルはだな。』



【⠀ズドーーーン! 】


【キャー!】【逃げろー!】


突如としてこのアラクタールに激しい地鳴りがなり響いたかと思えば神・ゼウスが降り立つがごとし大きな雷土が近くの酒場に落ちていく様が窓から見えた。



『ユリス…。話はあとだ!とりあえず外に…。』


(なにか嫌な予感がする。酒場にはマスターが!)


ユリスの手を掴み俺はおもむろにドアを開け外に出…。


『 えっ…。』


驚きのあまりユリスの手を離した俺は腰を抜かしその場に尻込みをついてしまった。


さっきまで平々凡々とした街並みは一転

たくさんの人間の阿鼻叫喚たる叫び、燃える家々、たくさんの人間の返り血によって包まれていた…。

数刻前まで幸せに溢れていた俺の右手も。


悪夢ってのはそんな生易しいものじゃないんだな。


俺はそこで生まれて初めて目撃することになる。


【これが…龍。⠀】




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