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第3撃 ハマった歯車

この世界に出てくるお金の単位ログ。

わかりやすく日本円で例えると

50円で1ログ相応になります。

てことは10万ログで…

算数が苦手な私には計算ができませんが

とりあえず50本以上所持しているトールは

まぁまぁの金持ちということになりますね。

あまりの寒さに目が覚めた。

(ん?朝・・・か)

俺はどうやら草原の上で朝を迎えてしまったらしい。


あの後、俺は3時間走り続けた。自分のスキルを受け入れられなかった俺は何も考えず無心で走り続けた。

数々の戦闘からの逃げ術によりスタミナだけはついていたようだ。

(笑えないな・・・)

目はハチに刺されたのかと思うほど腫れていた。

どうやら寝ている時も泣いてしまっていたようだ。


きれいさっぱり忘れよう。


やっぱり俺にはLv1の依頼をチンケにこなして日銭を稼ぐのが向いている・・・


「あっ!そうだアリアの鉄剣!!」


1年と思っていたが今日はパァーっと使おう。

ギャンブルで増やそうか・・・いや、街か?

何に使おう・・・

そう考えている間だけは少し心が癒された。6時間は歩いただろうか。酒場に着くまでに何人のオッサンに話しかけられただろう・・・

よくよく考えてみれば確かに俺の周りに昔からいつもおっさんがいた。まさか、それが俺のスキルだったなんて・・・


【おっさん呼び】聞くだけで鬱陶しい。

考えるのはやめよう


「見えてきたな。」


ようやく酒場に着いた。


「マスターただい・・・」

ん?無い・・・

アリアの鉄剣は長さだけで1メートルはある。

カウンターから明らかに無くなっていることに気づいた。


「アリアの鉄剣は?ねぇマスター!!どこにあんだよ?」


「はい?それなら昨日若いお姉さんが持っていかれましたよ。」


速攻で酒場を出た。

俺には心当たりしかなかった。

(あのババァ、待ってろよ!!)

この後、俺は店に着くのだが・・・


結論から言おう。店は消えていた。

跡形もなく消えていた。

「嘘、だろ・・・」


俺はその場で崩れ落ちた。

何もかもが嫌になった。

1時間は立っただろうか。

もう帰ろうにも歩く気力もない。


(・・・)


そうだ、俺のスキルは【おっさん呼び 】いっその事おっさんでも呼んで酒場まで運んでってもらえないだろうか。

今まで使おうと思って使ったことなんて1度も無かったスキル。

もう恥ずかしいなんて気持ちはない。


「おっさーん!!!」

速攻で来た。5~60人は来ただろうか・・・


「俺を酒場まで運んでってくれ!」

明らかに暴力的な見た目をしたおっさん達ばっかりだった。普通こんな偉そうに言ったらボコボコに殴られるかもしれない。だが今はどうでもよかった・・・

(その時はその時だ・・・)


「はい。かしこまりました。」


ん??!


(ひょっとしたら言うことまで聞くのか・・・)

以外にこの能力使えるかもしれないぞ・・・

とスキルを使った瞬間俺の頭の上に文字が浮かんだ。


【 おっさん呼びLv99】


「ん?おっさん呼びLv99?」


何故、自分のスキル名が?

スキル持ちは1回使えば頭上に表示されるようになるのか?

こんな文字、道行く人に見られてみろ・・・【おっさん呼びLv99 】の男なんてネタにもならないぞ・・・


だがどうやら道行く人は私の頭上になんか目もくれない。どうやら自分にしか見えないらしい。

(良かった・・・)


「じゃあ、行こうか!」




「ここで充分だ。」


「はい。」


酒場に着いた。

さっきはつい、気を乱してしまった。

酒場に入れば、マスターに謝ろう。

そう思いながら中に入る

「ただいま・・・」


「おかえりなさい。」

マスターは笑顔で俺を迎えてくれた。


「本当にさっきはごめん!反省してる!」


「いえいえ、とんでもない。私もそれは約束上のことだとそう思っていました。知っていたら渡しなどしなかったのですが・・・すみません。」


「いや、いいんだ・・・」


「あの・・・これなんですが、女性が持っていく前にヨビトさんに渡してくれと置いていかれました。」


怪しげな袋に入ったそれはサッカーボールぐらいの大きさがある。

まさか・・・

スキル増幅の実だった。

そして小さな紙が中に入っており、こう書かれていた。

【毎度あり】と・・・。

危うく、地面に叩きつけそうになりつつも、寸前で止めた。

「もうどうにでもなれ・・・。」

独りでに呟き、勢いよくその実を食した。


体の内側から熱くなるのを感じる。酷く胸が痛い。


「まさか・・・毒か!」


どうやら俺は死んでしまうかもしれない・・・随分呆気ない人生だったな。

そう思い、目を閉じた。


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