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異世界から来ただけなのに、第一王子に溺愛されています  作者: 夜霞(四片霞彩)


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占いと地震【2】

 水晶玉に両手を翳して、ブツブツと何かを呟くと老婆は、やがて沙彩を見つめたのだった。


「アンタ、本当に珍しいね。こんな占い結果は、なかなか見ないよ」

「それで、どんな結果なんですか……?」


 まさか、病気だろうか……。

 沙彩が固唾を飲んで見守っていると、老婆はふと笑った。


「そんな酷いものじゃないよ。恋愛に関するものだよ」

「恋愛ですか!?」


 ようやく、沙彩にも春がやってきたのだろうか。

 これまで、仕事と趣味に全力を費やし気味だった沙彩は、一度も男性と付き合った事がなかった。

 本やテレビの中で、あるいは身近な人から、恋人や結婚の話を聞くと羨ましい気持ちになった。

 けれども、沙彩の周りには女性がほとんどであり、身近な男性も既婚者かふた回り以上、歳上の人しかいなかったのだった。


「そうさね。男性と出会う事になってる。それも今日」

「今日!?」


「けれども」と、老婆は眉をひそめる。


「男性と出会うけども、その代わりにアンタは大切なモノを失う事になる。……数え切れないくらいに」

「そんな……」


 男性と引き換えに、何を失うのだろうか。知りたいような、知りたくないようなそんな気持ちになる。


「失いたくなければ、その男性についていかなければいい。その代わりに、恋する機会が失われるだけさ」

「どちらかしか選べないんですね……。じゃあ、その男性について行くと、大切なモノを失う代わりに、男性を得られると……?」

「ああ。そうさ。その男性はアンタを必ず幸せにする。結婚も、その先も、幸せな未来が待ってるよ」


 すると、外から「ここだよ。よく当たると評判の占いの館」と女性の声が聞こえてきたのだった。


「この先生だっけ? よく当たると評判の」

「そうそう。この先生は……始めて見る名前かも」


 沙彩は「そろそろ行かないと……」と、立ち上がりながら礼を述べる。


「ありがとうございました。参考になります」


「いいんだよ」と、老婆は笑みを浮かべる。

 沙彩が立ち去りかけると、老婆は再度、告げる。


「今日、これから出会う男性を信じてついて行くんだよ。それが、アンタの運命を幸運へと導く」


「はい、ありがとうございます」


 沙彩は一礼すると、入って来た女性数人と入れ違うように、占いの館から出たのだった。


(今日、これから出会う男性か……)


 占いの館から出た沙彩は、エレベーターが止まるのを待っていた。

 男性と言っても、世の中には多くの男性がいる。

 道端ですれ違う男性も含めれば、多くの男性と出会う事になる。


(その中から、どうやって運命の男性を見つければいいんだろう)


 もしかしたら、占い師に嘘をつかれたのかもしれない。タダで占ってもらったのだ。適当を言った可能性もゼロではない。


 そう考えていると、ようやくエレベーターが止まった。

 沙彩はエレベーターに乗ると、階下のボタンを押したのだった。


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