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第6話  2回目のデュエル

 ちゅんちゅん


 天気のいい朝を告げるかのように、外でスズメが鳴いている。

 ふう、いい朝だ。

 しっかりと寝れたことで、昨日のデュエルの疲れも嘘のようになくなっている。

 今日も1日の始まりだ。


 顔を洗い、リビングに行くといつものように母親が朝食を食べながら座っていた。


「おはよう。」


「あら、快晴おはよう。」


 いつものように母さんはゆっくりとした口調で挨拶をしてきた。


「快晴、学校はどうだったの。昨日はとっても疲れていたみたいですぐ寝ちゃったけど、大丈夫だった?」


「ああ、昨日ね。初日で緊張してたこともあって疲れてただけだよ。母さんは何にも心配することないよ。」


「そうなのね。ならいいけど。貴方の学校には独特のシステムがあるでしょ。それで何かあったら心配で。」


 ギクッ

 さすが母さんだ。


 母は昔から何かと勘がいい。

 今までの人生で何か隠し事をしていても、まるで知っていたかのように当ててくる。

 今回も僕が昨日デュエルに巻き込まれたのを知っているんじゃないかと思うような発言をしてくる。

 昨日のことを話してもいいけど。変に心配かけるのもあれかな。


「_ははは、大丈夫だよ。あっ、やばいもう学校行く時間だし、行ってくるね。それじゃあ。」


「あらー、早いのね。いってらっしゃい。」


「いってきます。」


 岸は急ぎで玄関を出て、昨日と同様に転移魔法で、学校に到着した。


 昨日の今日ということもあり、相変わらずこの校庭の広さは桁違いだな。

 早く、ここで魔法の実践授業をしたいな。

 そうなったらどれだけ楽しいことやら。


 よし、それじゃあ今日も頑張るか。


 そう思い、気合いを入れて岸が校舎に入ろうとした瞬間、


「おっと、そこのやつ、ちょっと待ってくれ。お前首席の岸だろ。」


 隣から突然声が聞こえてきた。

 そこを見ると、前髪を上げた痩せ型の男がじっとこちら見ていた。

 何だろう、嫌な予感がする。


「はっはっはっ、そんな名前呼ばれただけで嫌そうな顔しなさんな。俺はFクラスの白水真人(はくすいまひと)。以後お見知りおきを。早速で悪いが、岸!お前とデュエルをしたい。」


 ドスのきいた声で男は岸にそう言った。


 何だデュエルしたいだけか。

 よかったただのデュエルか


 はあ...

 朝から冗談がきつい。


 二日目にして、何でまたデュエルを挑まれないといけないんだ。

 しかも、学校にきたばっかりで。

 ここの生徒ならデュエルに勝って、Aクラスに入りたい気持ちはわかる。

 だけど、僕以外にもAクラスの人間は何人もいるんだから、他の人ではダメなのか....


「拒否権は?」


「そんなものはない。」

 即答される。


「はあ、岸悪いがこいつに付き合ってくれないか。」

 ため息交じりで、白水の隣から誰かが岸に話しかけてきた。

 そこには、ジャージ姿で勇ましいあご髭をつけた人が疲れた顔で立っていた。


「こいつはな、俺が受け持ってる生徒なんだが、1時間以上前から俺を呼び出して、岸を倒すって言ってるんだ。やる気があるのはいいんだが、こんな早くから来ないといけないこっちの身にもなってほしいな。」


 そう言ってその男は再度ため息を漏らす。


 ここの先生も大変そうだ。



 せっかくの朝に時間を取られるのが嫌だから、さっきはああ言ったものの、正直今日に関してはデュエルをやることに関しては問題ない。

 昨日に比べ今日は調子がいいし、今の時間帯は登校時間の30分程前で人が少ない。

 これなら、自分の戦いをあまり多くの人に見られることもない。

 何より、断ったら、この先生がかわいそうだ。


「別に構いませんよ。デュエルやりますよ。」


「はっはっは。それは、感謝だ岸。早速だが、やるか。」


「ありがとう岸。それじゃあ、俺も朝のうちにやっておきたいこともあるし、早速だが魔法結界を張らせてもらう。」


 そういってジャージ姿の男は地面に掌でふれ、魔法陣を展開するとともに、周りには魔法結界が出現した。


 岸と白水はその中心でお互い見合っている。


「昨日は極がやられたが、俺はあいつより強いからな、覚悟しておけよ。」


 白水は闘争心を抑えきれていない目で岸を睨んでいる。



「極...てことは、白水君って布衣野君の友達なの?」


「ああ、そうだ。友でありクラスメイトだ。」


 __なるほどね。

 彼がこんな早くからデュエルを挑んできた意味がわかった気がする。

 彼は、友の敵討ちとして僕にデュエルを申し込んできたのか。

 だから、こんなに気合い入ってるんだ。


「二人とも悪いが、こっちも暇じゃないからもう始めさせてもらうよ。」


 そう言って、隣では、ジャージ姿の男は例のごとく、手を上げ


「デュエル」


 そう叫んだ。


 それと同時に





「ぐああああああ」







 白水は叫び声を上げていた。

 そして、そのまま、前のめりに倒れる。


「よっと。」

 岸は一歩前に出て倒れる白水を支える。


 そして、先生の方を見ながら、

「先生、白水君気絶していますね。僕の勝ちでいいですか?」

 と聞いた。


 だが、そのジャージ姿の男は驚いているためか、声が耳に入っている様子がなく、一向に返答をしない。


「あの、結界を解いてもらってもいいですか?」


「あ、ああ、すまない。そうだな。勝者岸!」


 そう言って、結界が解かれた。



 よかった今日は問題なく戦えそうだ。

 岸はそう思いながら、ニコニコしながら校舎に入っていった。




「おい、白水大丈夫か?」


 岸が校舎に入っていくのとは対照に、デュエルが終わり、白水の所に先生が駆け寄る。


「生きてるか。」


 ジャージ姿の男はそう言いながら、白水の顔をピチパチと叩く。


 すると、突然白水の目が開き、その手首を握る。


「うっ、大丈夫だ。少し気を失っただけだ。」


 苦しそうな顔をしながら、白水は答える。


「本当に大丈夫か?保健室に行くか?」


「いや、本当にもうなんともない。何もなかったかのように体は動く。だが...まさか今年のトップがこれほどだったとは。予想以上だ。はっはっはこれは倒しがいがあるな。」


「おお、そうか、ならよかった。」


「授業には、ちゃんと参加する、迷惑かけてすまなかったな。」


「教師として当然のことしただけだから、それは気にすんな!だがな、白水、お前な俺は教師なんだから、少しは敬語使えんのか。」


「はっはっは、それは無理な話だな。」


 岸快晴か。本当にあいつは面白いな。だが、Aクラスの室長という座必ず奪ってやるからな。

 白水はそう決心し、岸の後を追うかのように校舎へと入っていった。

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