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第1話  はじまりのはじまり

 「続いては、新入生代表挨拶です。新入生代表、岸快青(きしかいせい)君お願いします。」


 そう呼ばれ、僕はゆっくりと壇上に向かった。


「桜が満開に咲くなか、私たち新入生120名は私立シャルム魔法文化高等学校の1年生として入学することができました。」


 そう、遂に入学したんだ。

 ずっと憧れていた『シャルム魔法高等学園』に!



 ************************************************************************


 『超能力!?スプーンを浮かばせる赤ちゃん誕生』

 これは、随分前の新聞記事だ。

 まだ、人間が魔法とと言うモノを非科学的なものと考えていた時代。

 突如、超能力のような力を使える子供達が次々と誕生した。

 科学者たちは環境の汚染や、遺伝子の突然変異など様々な説を唱えたが、未だになぜその様な力を持った子供達が生まれたのかは定かではない。

 このような子供達が次々と生まれ、更に彼が親になった頃にはその力は彼らの子に受け継がれていった。

 こうしてその超能力のようなものはどんどん拡がり、気づけば、人類の殆どはその力を手に入れた。

 いつしかその力は超能力ではなく、魔法と呼ばれるようになっていた。

 そして、ここ『シャルム魔法高等学園』はその魔法の力を最大限に引き出すための学園だ。


 ************************************************************************



 新入生代表挨拶も無事に終え、僕は今自分のクラス1年A組で席に座っている。


 皆が皆初対面のため、クラスルームにはどことなく緊張した雰囲気が漂っており、閑静としている。

 周りを見渡すと、きっちりと制服を着こなす真面目そうな子だったり、少し濃いめのメイクをした女の子など様々な多種多様なヒトが見受けられる。


 そうこうして時間を潰していると、ガラガラという音ともにドアが開き、30代前半くらいのメガネをかけた賢そうな男が入ってきた。

 身長は180cmほどあり、キリッとした目つきで一部の女性から人気がありそうなルックスだ。

 スーツも似合っており、長いこと教師をやっていそうなベテラン感を醸しだしている。


「えー、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。この度1年A組の担任を1年間務めさせていただく、山高(やまだか)と申します。今後1年間よろしくお願いします。


「まず初めに、皆さんもご存知の通り、この学園は1学年A組からF組の6つのクラスからでできており、クラス分けのルールとして、入学試験の際に成績が最も良かった20名がAクラス。次に良かった20名がBクラス、その次の20名はCクラス、と成績によって所属されるクラスが決定します。そして、ここはAクラスは、入学試験でトップ20位以内に入った優秀な人たちがいるというわけです。言い換えると、学年の代表クラスという訳でもあります。そのため、この一年間、他のクラスの見本になるように行動をとってください。」


 山高という男は、不愛想な感じで淡々と説明していった。


 山高という先生が言う通り、ここの学園は非常に厳格としたルールでクラスが分けられている。

 成績のトップ20人はAクラス、反対に下位20名はFクラスに所属されるため、どのクラスに所属しているかで、その生徒の成績がどれくらいなのかはある程度わかる。

 だが、Fクラスが落ちこぼれというわけではない。

 この学園は全国の中でもかなり名が知れており、毎年多くの生徒がここに出願する。

 倍率で言えば100倍を優に越す。

 入学することは非常に困難であり、ここの学生はどのクラスであっても優秀で才能があると世間一般からはみられている。


 だからと言って、この学園にさえ入れればどのクラスでもいいかと言うわけでもない。

 クラスごとによって、待遇に大きな違いがあり、上位を目指す学生は少なくない。

 特に授業で扱う魔法の内容はクラスごとで千差万別だ。

 魔法には、誰もができる魔法や、その分野を極めたものにしか使えないような魔法があったりする。

 上位のクラス、とりわけAクラスにおいては、そのような特別なものを学べる機会が多い。そして、大抵そのような魔法は、将来特定の職に就きたい時に使えなければいけない。逆に言えば、それを使えなければ、そのような専門的な職に着くことができない。そのため、何がしたいかが明確であったりする人は、上位クラスに入ろうと必死で努力している。


 僕だってその例外ではない。


 その後も、山高は今後の授業のカリキュラムや、学校の規則など簡単に説明した。

 何だか頭がぼーっとして先生の話が入ってこない。

 熱でもあるのだろうか。


 話も終わりに近づく中、


「それでは、室長についてですが、今回入学試験でトップ及び、入学生代表挨拶を務めた岸君で問題ないでしょうか」


 突然、自分の名前が呼ばれた。

 室長か...誰か他にやりたい人いないのかな、そう思い、周りを見渡すと、それに関して興味なさそうだったり、静かに頷いたりしたりしているなど様々な反応をしていた。

 特に僕が室長をやることに対して不満を持っている人はいなさそうだ。


「僕でよければ務めさせてもらいます。」


「ありがとうございます。でしたら、岸君に決定したいと思います。1年間このクラスをまとめ上げるよう頑張ってください。」


 こうして、あっという間に僕は室長に決まっていた。


 この時、僕は室長になったことを気楽に考えていた。

 だけど、後々、まさかこれが僕の学生生活を苦しめることになるなど思いもしなかった。

初めまして!夜恋と申します!

ありふれた学園ものとなりますが、もし楽しんでいただけたら、ブックマークや☆評価していただいとめちゃくちゃ嬉しいです。

よろしくお願いします。

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