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【コラボカフェ開催】ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する【アニメ化しました!】  作者: 雨川 透子◆ルプなな&あくまなアニメ化
〜7章3節〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

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298 戦いを辿る

本日2月7日は、ルプなな連載スタート記念日です!

6周年、本当にありがとうございます。物語の最終回まで、引き続き全力で書いて参ります!


 それでいてアルノルトは、『訓練』という名目のもと、場の全体を俯瞰することも忘れていない。

 ザハドが楽しそうに攻撃を命じれば、アルノルトは静かに半歩退いた。その動きを完璧に読んでいたかのように、入れ違いに前に出た騎士たちが、そのまま敵に斬り掛かる。


(殿下に無理をしていただきたくない。だけど)


 木剣同士が激しくぶつかり、再び高い音が鳴る。

 火花が散ったかと錯覚させるような、あまりにも凄まじい攻防に、見ているリーシェまで高揚感に震えた。


(……どうしても、目が奪われる)


 ひとつひとつの打ち合いに、熟練者同士の駆け引きが滲む。ガルクハインの騎士たちも、ハリル・ラシャの兵たちも、双方が最強級の剣士なのだ。


(ザハドが選び抜いた精鋭と、アルノルト殿下が鍛え上げた達人。それぞれが、こうして剣を交えている光景に……!)


 剣術を学んだ経験のある者で、あの場に加わりたい願いを抱かずにいられる人間が、果たして存在するのだろうか。


「…………」

(ヨエル先輩)


 そんな打ち合いを見詰めながら、ヨエルが静かに気を研ぎ澄ませていた。

 強い集中が伝わるものだ。それを目にし、リーシェも自分自身に言い聞かせる。


(……思考をちゃんと、フロレンツィア陛下に戻すの)


 日傘の柄を両手で握り込み、再び椅子に腰を下ろして、凛と背筋を正す。

 戦況からは意識を逸らさないまま、正妃から突き付けられた謎掛けに挑むべく、彼女の事情についてを振り返った。


(この国に嫁いで来られる前の皇后陛下は、言わば『軍国の姫君』だったわ)


 ザハドが身に付けた宝飾が、太陽に反射してきらきらと瞬く。


(皇后陛下の祖国ゼルディア。数十年前までは、世界最強の武力を誇るとも言われた国)


 号令が辺りに響き渡る。それを受けたハリル・ラシャの兵たちは、すぐさま三方向に散った。

 リーシェの元に駆ける者と、途中に留まって彼らの背を守る者。一方でガルクハインの騎士に斬り掛かり、武力での足止めを計る者たちだ。


(同じ大陸の大国レンファと同盟を結び、ゼルディアは世界の覇権を握っていた。だけど、十五年前……)


 ガルクハインの騎士が、数名ほど斬り負けて膝をつく。

 ハリル・ラシャ側が勢い付いた、その直後だ。


(――ゼルディア国の軍事力に、翳りが見え始めていた)

「!!」


 ガルクハインの騎士たちが、ハリル・ラシャの兵への反撃に移る。

 森から新たに現れた十名ほどの騎士が、ハリル・ラシャの兵の不意をつき、斬り掛かったのだ。


「な……っ!?」

「ガルクハイン、森の中にまだあれほどの戦力を!!」


 ハリル・ラシャの兵たちに動揺が見えた。ザハドが笑い、それを煽る。


「面白い! お前たち、騎士殿を歓迎してやれ!!」

(ゼルディア国の弱体化は、領土が広大になってしまった弊害だわ)


 訓練場内に広く散らばったハリル・ラシャと、戦力を一箇所に集めつつあるガルクハイン。その光景を見据えながら、リーシェは情報を整理してゆく。


(国の中枢から物理的な距離が開くほど、統治というものは難しくなるもの――王と同じ志を持ち、近しい統治力を持つ協力者を配置しなければ、政治はそこから腐敗していく)


 ハリル・ラシャの兵が、ガルクハインの騎士たちに襲い掛かった。

 砂漠の砂嵐を思わせる攻撃の大ぶりさは、間違いなく意図的なものだ。


(ゼルディアの同盟相手だった大国レンファも、大きな困難に見舞われていた時期。レンファ国は、クーデターで皇帝の代替わりが行われた混乱が、治まっていなかった)


 方々でせめぎ合いが起こり、誰もが目の前に集中するしかない攻防の只中で、最短距離で進もうとした者がある。


 突出しようとしたのは、ザハドだった。

 ハリル・ラシャの兵のうち十名ほどが、すでにリーシェに接近している。ザハドはそちらに合流し、勝利を得に来るつもりなのだろう。


(一方のガルクハインは、戦勝が続いていた頃)


 順調かに思えたザハドの前進は、意外にもすぐに阻まれる。

 ある人物が背後から、真っ直ぐに心臓を突こうとしたからだ。


(お義父さまが皇帝となってから、何年もかけて軍政の改革が行われた。戦力の増強、補給の課題解決、指揮系統のすべてが合理化された後で……)

「はは……っ」


 木剣が折れるかと思われるほどの、大きく重い打撃音が響いた。

 振り返ったザハドは、自らを襲った木剣を防ぎ、楽しそうに笑う。


「いい一撃だな、アルノルト……!」

「…………」


 アルノルトの放つ静かな闘気は、リーシェの背をぞくりと痺れさせた。



(――当時はまさに、お義父さまの『最初の』黄金期)



 想像上のアンスヴァルトの姿が、この戦場のアルノルトに重なる。


 父子が似ているとは思わない。

 しかし在りし日のアンスヴァルトの強さは、果たして今のアルノルトと、どちらが上だったのだろうか。




挿絵(By みてみん)

ルプななコラボカフェ開催中!

2026年2月4日〜2月23日まで、東京池袋にて開催です!


詳細▶︎

https://emocafe.jp/collaboration/rupunana/

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― 新着の感想 ―
「ループ7回目」6周年おめでとうございます! 最終回は、あまり来て欲しくない・・・・ 楽しみがなくなるから 今回は誰が勝つのでしょう?
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