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【コラボカフェ開催】ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する【アニメ化しました!】  作者: 雨川 透子◆ルプなな&あくまなアニメ化
〜7章3節〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

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297 鮮烈な剣

本日から、ルプななコラボカフェの開催です!


挿絵(By みてみん)


 鳥が一斉に飛び立つ羽音が、遠く離れたここまで聞こえてくる。まだ誰の姿も見えない中だというのに、彼らの気迫が伝わってくるかのようだ。


 対戦が待ち切れないらしきヨエルが、数歩ほど前に進み出て呟いた。


「……ご馳走だ……」

「ごちそう」


 こくんとひとつ頷いて、ヨエルはリーシェを振り返る。


「どっちが先に、来てくれるかな。ハリル・ラシャ、ガルクハイン……」

「ふふ。実は、ヨエルさまがここを離れてはいけないという規定は無いのですよ?」


 金色の瞳が、誰かに遊んでもらっているときの猫のように輝きを放っている。リーシェは思わず笑ってしまいながら、ヨエルに提案した。


「作戦の一環ということであれば、私の傍に居てくださらなくとも、自由に動いていただいて問題ありません。あちらに行ってみられますか?」

「んーん。……行かない」


 即答を意外に思っていると、ヨエルは再びリーシェに背を向けて言う。


「今は、君の騎士だから」

「……ヨエルさま……」


 騎士だった人生において、いつもひとりで戦っていたヨエルの背中を思い出した。

 リーシェがいま見ている彼の背中は、あの頃に見たどれとも違う。


(誰かと居ることで得る強さに、ちゃんと向き合って下さっているのね)


 先日のベゼトリアの船上で、リーシェに話してくれたように。

 そんな変化が伝わってきて、心から嬉しくなる。


(この方式を提案した狙いは、いくつかあったわ。ひとつは、ヨエル先輩へのお返し)


『アルノルトとの手合わせを交渉する』という約束を、随分と待たせてしまった。

 奴隷商から女性たちを救出するにあたり、ヨエルにまで変装をさせて巻き込んだことにも、きちんと礼を尽くさなければならない。


(せっかくなら、ヨエル先輩の苦手分野を鍛錬するのに、この場を利用いただこうと思ったけれど……すごくやる気を出してくださっているみたい)


 木々の向こうから聞こえる戦いの声は、どんどん大きくなってくる。木剣同士が打ち合う重い音が、夏晴れの下に次々と響き渡った。


(音は近付いてきていても、数は最初より減っている。戦力の削ぎ合いが進んでいるのね)


 日傘の柄をぎゅっと握り込む。リーシェの計画は、どれほど上手く回っているだろうか。


(……この演練における、更にもうひとつの目的も、上手くいくといいのだけれど)

「…………」


 柔らかな殺気を纏わせたヨエルが、静かに一歩前へ出た。


(アルノルト殿下は、きっと後衛。お怪我の療養中なのだし、全体の指揮を取りながら、俯瞰してご覧になる定石を踏むはず)


 一方で、ザハドは真逆の配置にいるだろう。


(ザハドならきっと前線ね。こうしたお祭りのような出来事で、後ろに退いていられる人じゃない。やっぱり、最初にヨエル先輩と対抗するのは……)


 そのときだった。

 主城の方に気配を感じて、リーシェは反射的に振り返る。そして、目を見張った。


「――――!」


 遥か高くに設けられた窓辺へ、ひとりの女性が佇んでいるのだ。


(……あれは、フロレンツィア陛下……?)


 ガルクハイン皇帝の正妃である彼女が、訓練場を見下ろしている。

 広げた扇子で口元を隠し、片手はそっと窓枠に添えて。思わぬ見学者の存在を、リーシェは真っ直ぐに注視する。


(何かを観察なさっている。視線の先は……)


 少なくともリーシェには向いていない。辿ることを試みようとした、直後のことだ。


「――来た」

「!」


 ヨエルの声と共に、誰かが木々を抜けたと気付く。

 立ち上がったリーシェの目に、ザハドの銀色の髪が見えた。そうしておよそ半数ほどに削られたガルクハインの騎士と、ハリル・ラシャの兵もだ。


 続いて、リーシェからは岩場の死角となっていた影に、思わぬ姿を見付ける。


(まさか)


 戦場において、リーシェが『彼』を見間違えることはない。

 その正確な体捌き。重厚で大胆なのに、荒々しくも鮮やかで美しい剣術。


 彼のすべてに、どうしようもなく目を奪われるのだ。


(アルノルト殿下……!!)


 ザハドが出した号令が、ハリル・ラシャの兵を動かした。

 しかし、最前線でたった一度剣を振っただけのアルノルトが、敵兵を一気にふたり斬り伏せる。


 そして、リーシェのことを一瞥した。


(…………っ)


 リーシェがそこにいることを、確かめるためだ。

 まなざしはきっと、それだけの意味しか持たない。けれどもリーシェは、こうして対峙したアルノルトのまなざしに、どうしてもかつてを思い出す。


(失策だわ。たとえ、負傷中であろうとも)


 アルノルトは視線を戻しながら、即座に次の一手に移った。

 彼を直接狙ってきたハリル・ラシャの兵を、再び一閃で倒してしまう。


(……アルノルト殿下が、後衛に留まるはずがなかった……!)

ルプななコラボカフェ、本日開催となりました!

美麗グッズや、ルプなな世界をイメージしたフード&ドリンクメニュー、新規ボイスとなるアルノルトとリーシェのナレーションなどをお楽しみに!


挿絵(By みてみん)


【カフェ公式ページ】

https://emocafe.jp/collaboration/rupunana/


2026年2月4日〜2月23日まで、東京池袋にて開催です!


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― 新着の感想 ―
リーシェの残念そうで多少落ち込んでいる顔が目に浮かぶ様だ、はは。 そりゃそうだよ。的がリーシェではないのだったら、そりゃリーシェの考えた予想通りになったかもしれないよ。けれど、最終目的があなたの手に触…
それでこそアルノルト殿下だよな、と納得してしまいました 可愛いお嫁さん(の首飾り)が標的となっている状況で、おとなしく後ろに下がっていられるような性分ではないと
殿下がカッコ良過ぎて、鼻血がでそう…。 リーシェのちょっと悲しそうな表情が頭に浮かびました。
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