漆黒の記憶、絶望の記憶
「いえ、記憶を消
消えた。
一面が黒く染まる。
黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒。
俺は確か少女と魔法について熱く(?)語り合っていたはずだ。
黒黒黒黒黒。
漆黒。
いきなりの事で対応できない。何も前触れは無かった。ただ話していただけだった。
一瞬で世界が暗転した。何も見えない。何も聞こえない。視覚と聴覚と嗅覚と触覚と味覚が機能していない。
五感が何一つ機能していない。何も感じないことに恐怖を感じる。
頭痛。
急に頭が痛くなる。目の前が急に真っ暗になった後、さらに頭痛で追い打ちとは全く容赦がない。
痛い・・・どんどん痛みが強くなっている。痛い・・・痛い痛い。まともに思考できなくなっている。
痛い痛い!!だめだ・・・もう意識が飛ぶ。もうだめだ・・・
記憶が戻り始める。
___---をなんで殺したんだ?
___ははは・・・これは君が作った私の、つまり君の意思だよ。
___・・・ああ。俺は馬鹿だったよ。すべて作ったのが悪かったんだ。
少年は血まみれの少女にとどめを刺す。
___次は?
___次は何を俺から奪うんだ?
そして少年は笑う。その目に光は無い。そうしたら金髪の少女が叫ぶ。
___---!!絶対にお前を救う!!---のためにも。だからそれまで
『眠っていろ。』と。悲しそうに。
そこで視界が消える。
黒黒黒黒黒。
黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒。
黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒。
そこでさらに昔の記憶が甦る。
無限に近い虚無と漆黒と絶望。
そこで悟る。
この漆黒の虚無が記憶を呼び出すトリガーだったという事。
しかしこの記憶は思い出してはいけない。本能的にそうわかる。
絶望。
これが俺には重すぎて、
重荷過ぎて、投げ出したのだ。
記憶が無くなった元凶。
「分かった。この青年にも聞いてもらわないとね。」
聞き覚えのある、若干高い声だった。
突如視界が明るくなる。決してまぶしくはない。
「蒼。大丈夫?そんなに五感が途切れたのが怖かったの?」
目の前には先ほどまで会話していた少女がいる。その顔には心配の表情が浮かんでいる。本気で心配しているようだ。
「大丈夫大丈夫。ちょっと最悪な所の記憶が戻っただけだから。」
「よほどの記憶だったのね。顔がちょっと人には見せられないくらい歪んでいたのよ?」
少女が心配げにそう言う。
「そんなにだったのか?」
「ええ。具体的には地上波では放送できないくらい。」
「地上波!?」
なんだって!?この小説はアニメ化するのか?可能性は零ではないがほぼ零だぞ?
「そうそう。ブルーレイでZ指定されるくらいよ。」
マジか・・・これはほぼ零のアニメ化の可能性が零になってしまうではないか。
「しかもそのシーンはモザイクとして私の笑顔がばっちり映ってるわ!!」
「よく考えたらこのシリーズ二次創作だからアニメ化しないじゃん。」
よく説明を見るんだ。二次創作なんだよ。
「ちょっと人には見せられないくらい歪んでいたのよ。」
しれっと本筋に戻る。
「そうなのか。心配してくれてありがとう。」
素直に嬉しいがそれは言わない。
「楽しく雑談しているところいいかな?大切は話があるんだよ。」
はい。前回から続いているように見えません。次回はその辺が分かると思います。
・・・多分。