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すでに終わった世界  作者: 榮 裕也
12/12

甦る記憶、災悪の記憶

「よし!散歩にいこう!!進路は北北西!!」


まず北北西がわからなかった。

蒼降ってきた日は『たまたま』青い空が見えただけで、今は全然見えるはずもなく、太陽の位置すらも確認できない。もし、確認できたとしてもここが北半球という保証はない。みんな日本語喋ってたけど。

「今日は適当に方向を決めてそっちにいこう。」

と言って少女を促す。とりあえず、木の棒を拾って立てる。

「なにやってんの?」

「俺の家に代々伝わる儀式。」

そう言うと少女は緊迫した空気を作り出し唾を飲む。

「ごくり・・・それはまさか・・・」

「そう!!これはBOUTAOSIだ!!」

「なにアホなことしてるんだ。」

と、後ろから叩かれた。

あれれー?この人何でここに居るのー??

「実はなあ、あの時去ったあとに思い出したんだが私達意外に人が居ないんだよな。じゃあ、あの『ニンゲン』から逃げきれる確率が高いだろ?」

何で思いつかなかったんだ?またボケ役が増えたというのか・・・。

「いや・・・アレは多分少し抜けているタイプよ。・・・基本は突っ込みのはずよ」

なるほど・・・そんな感じか。

「とりあえず、行くか。」

スルーしてみると金髪は、

「おい。何行こうとしてるんだ。というか北北西はあっちだ。」

と指を指す。うん。これは突っ込み役だな!突っ込み不在のこの空間に舞い降りた一筋の光だと俺は思った。

そして俺と少女は手を取り合う。「これでどちらかが突っ込みをしなくて済むな。」

「ええそうね。これで私達は救われたのよ・・・」

「お前らなあ、散歩に行くんじゃなかったのか?アホなことしてないでいこうぜ?」

素直に行くことにした。

俺は今日の目的を金髪の少女をいじることに変えた。


「あ・・・この家は・・・」

そこには普通の民家があった。いや、普通の民家があることがそもそもおかしいのだ。何故ならここの文化レベルは江戸時代後期から明治なのだ。『21世紀』式の民家があるはずないのだ。だが、しかし、俺は分かる。これを見ていると記憶が戻る。

「見るな蒼!これは記憶のトリガーになってしまう建造物だ!」

金髪の少女がそういう頃には遅かった。記憶がどんどん戻っていく。

ある日俺はこの世界に来た。

この世界で事件が起こった。

それを俺の『能力』を使って解決した。

数人の友達ができた。

す べ て 死 ん だ 。

だから。

だから俺は

せかいをほろぼs

その時、体に大きな衝撃が走り、記憶が途切れた。


私は蒼の意識を刈り取った。多分、危なかった。このまま見ていたら全部思い出していたかも知れない。


こうなった理由は約十分前に遡る。


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