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引き籠りでFPSゲーマーの俺が異世界転移してアサルトライフルで無双したZE!  作者: ♰闇からいでし災厄♰
第一章 アサルトライフルは中世で使うには強すぎました。
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リバイバル・ペイン

虫歯があるので初投稿です。

「騎士団の皆さん、至急現場に向かってください。フリッツは王と、他部隊の隊長に

 このことを伝えて!」


退出したばかりの訓練場から声が聞こえる。覗いてみる。


彼女は騎士たちの前では勇ましく、頼もしかった。

呼応する騎士たちもまた、彼女に従い動き出す。


信頼関係・・・。このチームには間違いなくそれがあった。

俺が手に入れたかったもの。手に入らなかったもの。


たぶん俺は、新参者はこのチームには馴染めない。ましてや『特別枠』の俺は・・・。


落ち込んでる俺の顔をいつの間にかニーナがのぞき込んでいた。


「大丈夫ですか・・・。ごめんなさい。私の指導が至らないせいで・・・。」


「いや、俺こそごめん・・・なさい。手伝えることがあれば手伝います。」


俺は完全に委縮していた。野球部ににらまれたみたいな、嫌な感覚が蘇る。


「行きましょう。私に・・・。いえ、この国のために力を貸してください。」


俺はニーナに連れられて王宮の外に出る。



黒煙・・・。町まで2km。部屋に引きこもっていた俺には堪えられない距離だ。


それでも俺は前を見て走った。ニーナが俺に寄り添う。

こいつだったらきっと、誰よりも早く現場にたどり着けるだろうに。


恩返しがしたかった。出会って数日しかたってないけど。彼女のことはまだ全然知らないけど。

それでも助けになりたかった。彼女の人柄の良さは長い間嫌われていた俺の心を癒してくれた。


何が起こったかは分からない。でも、彼女のため、いや、この国のために力を使えば

きっと騎士団も、ジャスミンも俺を認めてくれるはずだ。


俺はそう自分に言い聞かせ。走り続けた。



俺たちが現場に来ると、事態は収束していたようだった。

消火活動にあたる兵士たち。捕らえられた全身黒ずくめの男。


俺はなんの役にも立てなかった。力はあってもそれは武器の力だ。俺自身の力じゃない。


「お疲れ様です。これは・・・また例の・・・。」

「えぇ、ニーナ様のおっしゃる通り。奴らで間違いないでしょう・・・。」


ニーナは屈強な男と話を始めた。俺はまた一人になる。


捕らえられた黒ずくめの男を見る。男か女かもわからない、まさに『悪』といった出で立ちの『犯人』は兵士に囲まれてもなお、微笑んでいた。


『THE悪人』漫画やアニメで見るような狂人も実際に見てみると寒気がする。

こいつはまだ何か隠しているような。まだ危機は去っていないような。

そんな危うさがあった。でなきゃこの状況下においてあんな表情を作れるわけがない。

それとも追い詰められておかしくなったのか・・・?



なんにせよ俺にはどうしようもできなかった。あとは兵士たちが事件を解決してくれるだろう。

最高にかっこ悪い。もう帰りたい。自暴自棄になった俺。



ため息をつき、歩き出したその瞬間、俺は閃光と、静かにほほ笑むもう一人の狂人の姿を見た。





シンプルシリーズ2000 『THE 悪人』

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