ReTake
改めまして初投稿です。
最後に感じたのは大きな衝撃。頭が割れるような痛み。
世界が真っ白になる。白く染まる世界が認識できる。まるで白い世界に落ちていくよう。
あらゆるごちゃごちゃした感覚も感情もなくなり…
とても静かだった。
私ってなんなのだろう。
誰にもいい顔をして。流行に気を付けて。
秘密を守って。友達面して。
もっと何にも縛られなければ、私は清々しく生きられるの?
私は目を覚ました。
あれ?ここはどこだろう。
知らない天井だ。
「お!目が覚めたか!!」
大きな声がする。
横に誰かいる。誰だろう。
「大丈夫か?」
体…動かない。指くらいなら動かせるけど。全身がピリピリする。
何より、頭が痛い。こめかみがズキズキと痛む。
何だろ…
何で私ここにいるんだろ?
「よかった。本当にごめんな…まさかこんなことになるとは。」
彼が私をこんなにしたのだろうか。
にしてもとても変わった人だ。狼みたい。
「本当に申し訳ない…」
謝ってる。
私は倒れたのか?ならここは病院かな。
にしては清潔感があんまないけど…木造なのも珍しい。
「お、おい?本当に大丈夫か?ぼんやり俺の顔を見て…」
本物みたいだなと思った。
特殊メイクってやつ?いやーすごいな。
にしてもなんなのだろ?どっきり?周りには彼のような人は他にいない。けが人と白衣の人が何人かいる。よくある大きな病室。
事故が起きて巻き込まれたみたいだからなにかあったのかな。
お母さんに連絡しなきゃ。心配してるだろうし。
「ねえ……」
「どうした?何か飲み物が欲しいか?」
狼男が私の体を起こしてくれた。
「ありがと…それでなんだけど…」
「なんだ?」
「ここはどこ?病室みたいだけど。」
私は手を動かした。うん、動くようになった。脚もちゃんと動く。
「ここは街の診療所だ。まさか俺の肘が頭に当たるとはな。倒れた時は焦ったが、先生が言うにはしばらく安静にしてれば大丈夫らしい。俺も頭に血が上りすぎた…柊、すまん…」
彼が私を?それになんで私の名前を!?
「あなた、誰!?」
狼男の動きが止まった。
目が点になっている。
「ハハ、冗談か?確かに俺のせいでこうなっちまったがそりゃさすがに面白くないぜ?」
「何言ってるの!?誰?何?ここは本当はどこなの!?」
もうわけがわからない。ここがどこでこいつはなに?
誰でもいい!ワタシに説明して。
私を助けて…
涙を流しながら私は訴えた。
目の前の男はただうろたえるだけだった。
記憶喪失ってなったことないけど怖そう(小並感