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引き籠りでFPSゲーマーの俺が異世界転移してアサルトライフルで無双したZE!  作者: ♰闇からいでし災厄♰
第三章 これが私の異世界デビュー!
88/180

傷の痛み、心の痛み

初初投稿です。



「ナレガ!」


私はナレガを呼び止める。銃を撃ったことは一回しかない。

二人が戦っている中でビゼラーだけを打ち抜くのは難しい。


ナレガは私の方を見て動きを止める。ビゼラーも私の方を見る。

よしよし、ここまでは狙い通りだ。二人とも止まってくれた。


しかし、止めたはいいけどどこを撃てばいい?頭、は死んじゃうよね・・・。

手だ。手を撃とう。そうすればたぶん死なないよね。痛いだろうけど。撃たないと。私たちが危ない。


「ごめんなさい!」


私は謝りながら、ビゼラーの腕に照準を合わせ、引き金を引く。

オークの時は意識せずに撃ったけど、人に向かって撃つときのプレッシャーは半端じゃない。

この一発の弾丸が、一人の命を奪ってしまうかもしれないのだから。


放たれた弾丸はビゼラーの腕に直撃する。直撃したはずだった・・・。


「・・・。」


しかし、倒れない。腕をおさえるようなしぐさも見せない。

嘘でしょ・・・。効かなかったの?銃だよ?本当に人間?


床を見ると血が流れている。それなのにあいつは少しも気にしていないようだ。


「小娘・・・。やってくれたな。」


私の方をにらみつけるビゼラー。初めて見た時とは全然違う。声も姿も。

私は怯えていた。もう一度銃を構える。


ビゼラーが動き出す。私は引き金を引こうと考えたが、それよりも早くナレガが動く。

こうなると撃てない。私は戦いの行方を怯えながら見ていた。


私の知らないナレガ。目は血走り、時折聞こえる唸り声は狼そのものだった。

戦いを楽しんでいるかのような興奮した様子。まるで獣の狩りを見ているようだ。


やがて、ビゼラーが膝をつく。私が撃った腕はボロボロで、血まみれだった。

ナレガはどうやら傷口を重点的に狙って、片腕を再起不能にしようとしているようだった。


片腕を抑えるビゼラー。それでもなお戦うことをやめようとしない。

ナレガを睨みつけ、低く唸っている。


「ナレガ、お前はあの小娘を使って何をするつもりだ・・・。今度は何を企んでいる?」


「・・・。」


ナレガは黙ったまま、ビゼラーに近寄っていく。

二人は知り合いのようだが、どのような関係なのだろう。

企む?今度は?一体何を話している・・・?


「お前は決してまともな生き方などできない。お前はこちら側から抜け出すことはできない。」


まるで聞こえてないかのようにナレガは少しづつ近寄っていく。

その雰囲気はいつもの優しくておせっかいなナレガとはまるで別人。

ビゼラーに似た恐ろしさ、冷酷さをまとっているように見えた。


「そうか、そうかもしれないな。だがお前には関係のないことだ。」


ナレガの腕がビゼラーの首を絞めつける。爪が食い込んでいく。


「ま、待ってナレガ!」


血に染まっていくナレガを必死で呼び止める。

このままだと私の知っているナレガが、いなくなってしまいそうだったから。

だから・・・必死に呼び止めた。もう一度あの頃に、自由に旅をしていた頃に戻りたいと願いながら。



近代兵器は基本的に異世界では通用しないと考えていただいて結構です。

戦車やRPGを除いて。

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