チャンス!アンド ピンチ!
レトロゲームが懐かしいので初投稿です。
「フフフ…どうだ!思い知ったか!」
「くそ!!てめぇ、放せ!」
私はカエル男をロープでぐるぐる巻きにして床に転がす。
いい気味だ!私も同じ目にあわされたのだからな!
とりあえずこいつなんか持ってないか服を脱がす。ナイフでも持ってて私みたいに逃げられたらまずいからね。こいつの裸なんて見たくないけど。
お、ピストル!やった。これで私の武器も戻ってきた。
「これ、返してもらうよ!」
「てめぇ…どうなっても知らんぞ?」
カエル男はドスの利いた低い声で威圧するように言う。
う、なかなか怖い…さすが、裏社会で生きてきた貫禄ってやつがある。
でも、ビビってなんかやるもんか。ワタシの方が圧倒的に有利なんだから。それにアリーさんが他の黒服を今とっちめているはず。
「ファッ!なにが起きたん!んん!?」
あ、カエル男の横にいた黒服が目を覚ました。こいつのことすっかり忘れていた。カエル男を捕まえた後、同じように罠に引っかかったのだ。
「これで全員かい?」
「「あ、アニキ!?」」
と、アリーさんが戻ってきた。黒服二人がロープに縛られて引きずられている。その後ろには子供たちがついてきている。
子どもたちは引きずられる黒服に蹴りを入れたり近くの物を投げつけたりしている。そのせいで黒服の顔はあざだらけだ。子供って無邪気で怖い…
「く~~頼りない部下どもだ!」
カエル男は手足をじたばたさせている。勿論縛られて動けていないが。
「うん。それで私の知っているのは全員。」
「そうか。じゃあ、ゆっくり話を聞けるな。」
アリーさんはそう言うとカエル男の前に立った。
カエル男はその気味の悪い目をアリーさんに向ける。
「なんだ?なんかようか?あん?」
「いや、人を探してるんだ。妖精だ。カレーダルトでお前らが攫ったのは知っている。」
カエル男はしらを切った。
「しらんなぁ?俺たちは妖精に興味はねぇよ。」
「知らない…か。」
アリーさんは剣を一閃。目にも留まらぬ斬撃!
その一撃はカエル男の指を一つ切り落とした。
「ぎいいいいいいい!!」
「うるさいな。お前らは指ぐらい再生するだろ。でもまぁ、彼女の場所を教えないと再生できないほどの傷になるかもしれないな。」
カエル男は歯ぎしりをしている。悔しいのか痛いのか。周りの黒服はしきりに何か呻いている。
それにしてもアリーさん…そこまでするのか…怖い…
「わ、わかった…妖精は奥の部屋だ。俺たちのいた部屋のもっと奥だ。」
カエル男が吐くとアリーさんは奥の部屋に向かっていった。
あの妖精は本当に大切な存在なんだな。
でも、私も何か忘れているような……
カエル男は、部屋の奥に消えたアリーさんを見てにやりと笑った。
何だろ…なんかまずい気がする。
アリーさんはなかなか戻ってこなかった。
「遅いなぁ。」
子どもたちも黒服をいじることに飽きてきている。
私はピストルをいじる。マガジンを入れたり抜いたり。
にしても長いな。
「おい。」
カエル男が急に口を開いた。
うおっ脅かすなよ!
「なに?」
「お前も行かなくていいのか?」
「な、なんで?」
なんだろ。嫌な感じ…
カエル男はなぜか笑っている。他の黒服は冷や汗をかいている。
そうだ…思い出した。
まだいた。逃げる前に現れた大男。
その時後ろから足音がした。アリーさんが戻ってきたんだ。
私は安心して振り返った。何か嫌な予感っはしたが…
その予感は的中した。
私の前で崩れ落ちる人影。目の前には、ぼこぼこにされ血まみれのアリーさん。そして、アリーさんをこんなにしたであろう張本人が立っていた。
「そんな。」
2メートルを超える身長。汚れひとつない服。
目の前の大男はまさに怪物だった。
初投稿でした。
STGすき。グラディウス久しぶりにやりたい。




