拝啓!馬車の中から!
今日からまた一週間が初投稿です。
馬車の中はギルドから貰ったたくさんの餞別品。
出発の朝、リリーさんは笑顔で見送ってくれた。
「2人とも、行商は色々大変だろうけど頑張りなよ。なんか辛いことがあったらいつでも戻ってきてくれて構わないから。ギルドはいつでも歓迎するよ。」
「ありがとうございます!」
私が頭を下げると、リリーさんは近づいてきてそっと耳打ちする。
「ナレガに襲われたらすぐにいいなよ。」
え…?それってどういう…。
困惑する私をからかうように彼女は笑みを浮かべる。
「冗談だよ。あなたも必ず、生きて帰ってきてね。ギルドの大切な仲間なんだから。」
「は、はい!」
リリーさん、良い人なんだろうけど…。ずっと話のペースがつかめなかったな。なんだか不思議な人だ。ナレガとも関係があるみたいだし、私みたいな異世界の人にも会っている。
「ナレガ。最近帝国の動きも怪しいし、今後何が起こるかも分からない。ちゃんとあの子を守ってあげなよ。」
「分かってる。お前も気をつけろよ。元気でな。」
* * *
「なんだか大人っぽい人だったなぁ…。」
ポッコの手綱を引きながら、私は上の空で呟く。
「大人っぽいって・・・あいつまだ17だぞ。」
「え・・・17ぁ!?」
私と同い年・・・。
はは、嘘だ。私の周りにはあんな17歳はいなかったぞ。
「それに、お前もあいつも。俺からしたらそんなに変わらねぇよ・・・。」
じゃあ、あの子は私と同い年でナレガとあんな親しげに話していたのか。
てっきりナレガと同じぐらいだと思っていた。
「そもそもナレガっていくつ・・・?」
「はっきりとは言わんが、お前より十数年長く生きてるな。」
私が見た獣人族は皆おかしい。リリーさんは同い年にしては大人びた外見だったし、ナレガは私より十数年も生きてる割には若く見える。私がおかしいのか?17歳っていうのはこの世界ではあんな風なのか?
「確かにお前は17にしてはガキっぽいな。」
いつの間にか背後に座っていたナレガがそう呟く。心の中を見透かされた!?
やっぱり私は子供っぽいのか。ぐぬぬ。
「お前そこ代われ。ポッコがおかしい方向に進んでる。」
私が手綱をめちゃくちゃに引いたせいで、ポッコはその場をぐるぐると回っていた。
手綱を引くナレガの後姿を見ながら、私はいじけていた。
子供っぽいと言われたことに。
私は元の世界ではそこそこおしゃれに自信があった。
友達とよく服を見に行ったし、周りから大人っぽいと言われたこともあった。
それが異世界ではこの有様だ。あーあ、誰か私と同い年ぐらいで、私と話が合いそうな人いないかな・・・。ナレガとの旅は楽しいが、時折友達と過ごしていた日々を思い出して誰かと話したくなる。
私の気持ちを察してくれたのか、ぺドルが近づき私のお腹の辺りで丸くなる。
私はぺドルを抱きながら、しばらくは何も考えず馬車に揺られることにした。
ポッコもぺドルもギルドで洗ってもらいました。しばらくは臭いません。




