悪は正義の下に裁かれる!
初投稿にしろ、初投稿でないにしろ、初投稿です。
暗闇から現れたのはナレガ・・・と数人の知らない人たち。
「あぁ!?てめぇがそのお友達か?」
カエル男が怒鳴りつける。ナレガは意にも介さない。
随分と威勢がいい。しかし、隣にいる青服の集団を見て狼狽え始める。
「げ・・・。」
次の瞬間、カエル男は空高く飛び上がり、屋根を伝って逃げていった。
すごいジャンプ力。さすがカエル。
「逃がすな!追え!」
青服たちもそれを追う。
とりあえず、助かった・・・。
「ナレガぁ・・・助かったよぉ・・・。」
私は半泣きだった。犬を洗いに来ただけなのになんでこんな目に・・・。
異世界は元の世界と勝手が違うのか。街の人達と話しているときはそんな感じしなかったのに・・・。
「あいつら何者?一緒にいるその人たちはどなた様?なんでここが分かったの?」
私は聞きたいことがたくさんありすぎて混乱していた。
ナレガは私を落ち着かせた後、質問に答えていく。
「あいつらはラヴェリア・ファミリー。ここら一体で悪さを繰り返す悪党だよ。奴らはその下っ端。
そんで、この人たちは王国所属の警備隊。巡回中に出会ってな。お前の場所は声と匂いで分かった。
やけに帰ってくるのが遅いと思ったら厄介なのに絡まれていやがって。いったい何をしたんだよ。」
「なんか犬洗ってたら因縁つけられて・・・。ねぇ、水ってお金払わないと使えないの?」
「いえ、そんなことはありませんよ。町の中にある井戸は王国が管理しておりますので、どなたでも自由に使用可能です。」
ナレガの代わりに、隣にいたいかにも真面目そうな警備隊の人が答える。
なんだ。あいつらがでたらめ言ってただけなのか・・・。
私は胸をなでおろす、それと同時に怒りがわいてきた。
「やつらは私たちの威信にかけて、必ず捕まえます。夜の街は物騒ですので、お気をつけて。」
そう言って警備隊の人達は私たちに一礼し、去っていく。
「あ、ありがとうございました・・・。」
* * *
馬車に戻った私はナレガに愚痴をこぼしていた。
「なにが300ガレルじゃあ!そんなモン払うかぁ!」
私は犬の体をまさぐり、耳を引っ張る。完全に八つ当たりだ。
いや、そもそもこいつが臭くなければ私は厄介ごとにも巻き込まれなかったはずだ。
「犬ー!お前のせいだぞー!」
よくよく考えたら犬と呼ぶのも面白くない。なんか名前をつけてやろう。
白いからシロ?ホワイトマン?臭うからスメル?それともオフェンシブ?
「ナレガぁ!なんかこいつにつける素敵な名前ない?」
「ぺドル・・・とか?」
ぺドルか、悪くない。中々おしゃれだ。こいつにはもったいないぐらい。
どういう意味なのかは分からないが、私の候補よりは断然良い。
「よし、お前は今日からぺドルだ!よろしくな、ぺドル!」
「よろしくなって・・・お前、これからの旅にそいつを連れていくつもりなのか?」
色々あったが、私はこいつに愛着がわいていた。ぶさいくだけど人懐っこいし。
ナレガとはいろいろ話し合った結果、なんとか説得に成功した。今日からこいつも旅の仲間だ。
「エサ代はお前が稼いで来いよ。あと、明日からはまた別の国に向かうから、今日はもう寝るぞ。」
街の中だっていうのに結局寝るのは馬車の中。まぁ、文句は言えない。今日は色々迷惑もかけたし。
街の中なら警備の人達もいるし、森の中みたく夜盗が来ることもないだろう。
「おやすみ・・・ナレガ。今日はありがと。」
私はぺドルを抱きながら眠りにつく。次の国はどんな場所なんだろう・・・。
ぺドルは行商とかそんな意味だった気がします。間違っていた場合はナレガが悪いです。




