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引き籠りでFPSゲーマーの俺が異世界転移してアサルトライフルで無双したZE!  作者: ♰闇からいでし災厄♰
第三章 これが私の異世界デビュー!
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異世界DEアルバイト!

立春を過ぎてもなおきびしい寒さが続いていますが、初投稿です。




「起きろ、柊。もう昼だぞ。」


私はナレガに起こされ、辺りを見回す。いつの間にか寝ていたらしい。


「ここは・・・?」


「着いたぞ。ここがカレーダルトだ。」


たくさんの馬車が並んでいる。駐車場のようなものだろうか。

中には豪華に飾り付けられた高級馬車みたいなのもある。


「よっと!」


寝起きの目をこすり、外に出る。

相変わらず空は赤い。この世界では日が出てる間はずっとこうなのだろうか。


「空の色、太陽が出てるときはずっと変わらないんだね・・・。」


「昔は違ったんだけどな。世界が崩れてからはずっとこんな感じさ。」


ナレガはどこか悲しそうだった。

世界の崩壊・・・それを引き起こしたのは異世界の旅人・・・。


「ナレガ・・・。その。」


「お前が気にする必要はねぇよ。異世界の旅人だからって、そいつが全員悪人とは思わん。」


「うん。」


一体どんな人なんだろう。想像もつかない。

皆が生きていた平和な世界を、崩してしまうような人・・・。

そんな人と同じ世界で生きていたなんて、考えるとゾッとする。


一人悩んでいる私の肩に、ナレガが手を置く。


「さて、そろそろ仕事だ。お前にも働いてもらうからな。」


「え・・・?」


「飯も寝床も用意してやってんだ。少しは働け。」


ごもっとも。でも私にできることってなんだ?そもそも行商って何を仕事にしてんの?


「いや、私接客とかやったことないよ?」


「んなこと頼まねえよ。お前に任せると不安だし・・・。」


ホッとしたけどなんかムカつく。私のことを信用しているのかしていないのか。


* * *


結局私に頼まれたのは旅に必要な道具の買い出しと、行商の宣伝だった。

ナレガから何十枚ものビラをもらう。


「これを配れってか・・・。」


ビラの内容は商品の紹介がビッシリ。

あ、買取もやってるんだ。意外とお金あるのかな・・・。

端の方には手書きの狼のイラスト。絶妙に下手だ。


「これ、微妙に見づらいな・・・。狼の絵も可愛くないし。」


私がもっと良いものにしてやるか!貰ったお金でペンを買い、私は早速手直しをしていく。

表面に大きくバツを書き、裏の白紙に内容を写していく。


私は夢中で描き続けた。美術の成績は結構良い方だ。賞を取ったこともある。


「これでよし・・・と。」


終わるころには結構な時間が経っていたと思う。

だが、納得のいくものができた。自信作だ。これなら繁盛間違いなし!


私は急いで買い出しに向かう。出会った人には全員にビラを渡した。

お店の人にも、町を警備している騎士みたいな人にも。


異世界の人も話してみると、元の世界の人とあまり変わらない。

ビラ配りもアルバイトみたいで結構楽しかった。


* * *


買い出しも終わり、ビラも全部配り終え、私はナレガのもとに向かう。

いやー、働いた働いた。これなら文句ないだろう。


「買い出し、終わりましたっ!」


満面の笑みで帰ってくると、ナレガは神妙な面持ちで私を見てくる。


「なぁ、これお前が書いたのか?」


ビラを指さし、尋ねてくる。

あれ、もしかして余計なことした・・・?

この世界の人達のセンスは私たちのセンスとは全然違うとか?


ナレガが私に近づいてくる。ヤバい、怖い。怒っているのか・・・?

私が覚悟を決め、そっと目を閉じた瞬間だった。


「やるじゃねぇか!お前にこんな才能があったとはな!」


ナレガが私を強く抱きしめてくる。ぐえ、獣臭い。


私の作戦はどうやら功を奏したようだ。

話を聞くと、異世界では珍しい奇抜なデザインに惹かれ、今日はたくさんの客が集まったという。


馬車の中はやけにスッキリしていた。確かによく売れたみたいだ。


ん・・・?


奥の方を見ると、なにやら白いものがもぞもぞと動いている。


「あれ何?」


「あぁ、物を売ってるときに寄ってきてな。懐いちまって・・・仕方なく馬車においてる。」


恐る恐る近づいてみると、それは見覚えのある生き物だった。


「犬・・・?」


そこには微妙に可愛くない、犬のような生き物が座っていた。







カレーダルトはインドみたいなイメージ。おそらく「カレー」という単語に影響されてます。

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