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引き籠りでFPSゲーマーの俺が異世界転移してアサルトライフルで無双したZE!  作者: ♰闇からいでし災厄♰
第三章 これが私の異世界デビュー!
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これが私の初共闘!

但し初投稿に限る



「大丈夫かな・・・。」

私は銃を持ちながら馬車の隅で震えていた。

相手はオーク?ゴブリン?とか言ってたな・・・。


もしナレガがやられちゃったらどうしよう・・・。

奴らはきっと私のことを攫って良からぬことをするに違いない。

勝て!勝ってくれナレガ!


やがて馬車の周りから金属同士がぶつかり合う音がするようになり、それに交じって悲鳴やうめき声が聞こえ始める。どっちだ?これはどっちがやられているんだ?


馬車から出て見に行く勇気などない。とにかく今は祈るしかない。


「おい。」


「ひっ・・・!」


何者かが馬車の入り口から声をかけてくる。よく見るとそれは返り血を浴びて立っているナレガの姿だった。ビビるわ。暗い中に血まみれの狼男が立っていたら。


「終わったぞ。」


よかった。本当によかった。熱探知暗視装置を覗いた時には結構な反応があったと思うのだが、あれを全部一人で片付けたのか。ナレガは結構強いのかもしれない。頼もしい限りだ。


その時だった。彼の右側から大きな影のようなものがヌッと現れる。

夜闇でよく見えないがごつごつした巨体に緑色の肌。これがオーク?ゴブリン?だということは分かった。


「ナレガ危ない!」


その巨体が腕を振り上げたと同時に私は銃を構え、照準を合わせる。

FPSならともかく、実銃なんて使ったことないし、正しい使い方なんてわからない。

でも今はこれにかけるしかない。ナレガのため、そして私が今後快適な異世界生活を過ごすために!


巨体が腕を振り下ろしたのと私が引き金を引いたのはほぼ同時だった。

放たれた弾丸はナレガの頬をかすめ、巨体の肩を撃ち抜く。ナレガは状況を理解したのか咄嗟に振り返り、槍を構える。巨体は弾丸をくらい、もがき苦しんでいるところをナレガにとどめを刺された。



* * *


「ありがとな、助かったよ。」

夜盗が現れた森の中で、私たちはなんとか無事に戦い抜くことができた。


「助かったって、ナレガそれ・・・大丈夫なの?」

ナレガの左肩から結構な量の血が出ている。間に合わなかったのだ。

銃弾が奴を貫くよりも奴がナレガに一撃を加える方が早かった。


「大した傷じゃねぇよ。薬草をつけときゃ治る。」


ナレガはいつもと変わらぬ様子でそう答え、馬車の中にある葉っぱを取ってくれと私に言う。

あぁ、この悪臭がする葉っぱはそうやって使うのか。大丈夫かなコレ。臭いがすごいんだけど。

逆に悪化したりしないよね・・・?


「まぁ、一日もすれば治るだろうがそれまではポッコを動かすことはできそうもねぇな。」


「えー!じゃぁしばらく森の中!?なんかやだぁ・・・。」


辺りを見回すと死屍累々。ナレガは自分の倍ぐらいある怪物相手に戦っていたのか・・・。


「ねぇ、こいつらって死んじゃったの・・・?」


私は恐る恐る聞いてみる。


「いや、傷は深いが殺してはいない・・・はずだ。しばらくは動けねぇがじきに起き上がってくるだろう。」


それを聞いて何となく安心した。たとえ夜盗でも誰かが死ぬ姿は見たくない。

最も、奴らは私たちを殺そうとしていたのだから甘い考え方だと思うが・・・。


でも私はそういう考え方のできるやつの方が好きだ。

よかった。ナレガがためらいなく殺しを行える悪い狼男とかじゃなくて。


「そっか!じゃあ奴らが起き上がってくるまえに動き出さなきゃ!」


上機嫌の私にナレガが呆れた口調で尋ねる。


「ポッコの手綱は誰が引くんだよ・・・。」


「もちろん私さ!さ、ナレガ!教えてよ、ポッコの操り方。」


ナレガがため息をつきながら笑う。


「お前は本当に・・・。変な奴だよ。」


闇夜の中、馬車には再び灯りがともり、騒がしさが帰ってきた。

馬車には風呂もトイレもないのでひーちゃんは微妙にストレスが溜まります。

でも、ナレガに見捨てられると生きていけないので贅沢は言いません。

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