仕組みなんてわからなくてもだれでも扱えるのが科学の利点です。
昼間なので初投稿です。
「で、王様はなんて言ったんだ?」
ジャスミンはそう話を切り出した。
くそ長い机にはジャスミンと俺しか座っていない。
そう言えばこいつの両親とかどうしてるんだろうな?
いや、聞きづらいから聞かないけど。
「うん?あぁ、なんかお前の不可思議な道具を見せてくれって。」
2時間くらい前、俺はニーナと一緒に王様の元へ行った。
王は適当になんか話した後、俺の持っているアサルトライフルに興味を持ったようだ。
俺は簡単に説明してやった。
「わかった?簡単に言うと火薬で弾丸を発射する機械だね。
こいつはフルオート…つまり引き金引いたら弾がなくなるまで撃ち続けるんだ。」
試しに柱に向かって撃ってやる。柱までは15メートルほどだ。
突然の爆発音に周りの護衛の兵士が慌てふためく。
「どう?」
きまった。
銃痕は狙ったところから直径10ミリの円の中に納まっている。
柱には大きな穴が開いている感じだ。
周りの兵士が息を呑む。
それもそうだろうな。
俺がざっと兵士の装備を見たところ、この世界には銃が見当たらない。
中世かそれ以下の文明レベルだ。
あって弓。クロスボウは怪しいかな…。
「す、すごいです…!な、なんの、魔法なんですか?」
「ま、魔法?」
ニーナが目を輝かせて聞いてきた。
思わず吹き出しかけたぞ。
魔法なんかじゃない。これは科学だ。
でもこの文明レベルなら魔法に見えても致し方ないか。
もはや火薬があるかも怪しい。
「私、魔法には多少心得があるんですが、どうも…まだまだでして…」
ふぁっ!?
この世界にはリアルに魔法があんの?
こりゃたまげた。科学ではなく魔法が発展していた、って感じか。
その証拠にとニーナは掌にテニスボールくらいの火の玉をだし、くるくると操って見せてくれた。
「すげぇ」
「いえ、まだまだです。魔法は崇高なる力。もっと学ばなくちゃいけません。」
ニーナはそうにっこり笑った。
魔法については興味がわいた。
時間があればニーナからいろいろ聞きたいものだ。
「おっほん。本題じゃが…」
王様が咳ばらいをした。
重苦しい空気。なんか嫌な感じがする。
「その、アサルトライフルとやら。わしらに譲ってはくれんか?」
はい、きました。
こんなの答えは一つしかない。
でも相手は王様、ここははぶらかす。
「かまいませんが王様。これは私にしか扱えない特別な物なのです。」
俺はそういうと近くの兵士にためしに撃ってみろといった。
兵士はさっき俺がやったように引き金を引くが弾は出ない。
そりゃそうだ。セーフティ…安全装置がかかったままだ。
「なるほど…たしかにそのようじゃな。残念じゃ…」
「いえ、お力になれず。」
思惑通り。
しかし、その後は予想外だった
「それではどうじゃ?おぬし、騎士団に入ってみては?」
「き、騎士団!?」
「おぬの特別な力があれば我が騎士団の大きな力になるはずじゃ。
それに特別待遇で給料も多めにだそう。」
「なら…」
俺はちょうど屋敷の仕事にも嫌気がさしてきたところだしと了承した。
俺はこうして騎士団に入ることになった。
ジャスミンはそのことを聞いて微妙な表情をしている。
俺もまだ知らなかった。
これが世界の命運を分かつ大きな動きの初動だということに。
初投稿でした。
私は魔法の方がロマンがあって好きです。
でも魔法使えません。




