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引き籠りでFPSゲーマーの俺が異世界転移してアサルトライフルで無双したZE!  作者: ♰闇からいでし災厄♰
第二章 戦車分隊、異世界へ
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月は無慈悲な夜の女王

初投稿であることをここに誓います。



「ちょ、ま・・・。ぜぇ。ぜぇ。」

早くも息切れしている飯山を放っておいて、俺たちは先へ進む。

匍匐前進なんてしてるから無駄に体力を使うのだ。自業自得だ。


「森林で敵に見つからないように移動するためには、匍匐前進で進むしかない!」

と提案した元気な姿はどこへいったのやら。


しかし、今までは戦車で移動していたから分からなかったが、里から魔法学校までは結構な距離がある。そのうえ、森は木々が生い茂り、道も複雑で走りづらい。


何度も躓きかける俺。

山田さんは全く疲れた様子も見せず、木々の間をすごいスピードで駆け抜けていく。

戦車の運転技術といい・・・交渉術といい・・・ずば抜けた運動神経といい・・・。

山田さんはいったい何者なんだ・・・。


「山田さん・・・ちょ。そろそろ・・・止ま。速・・・。」


「あぁ、ごめん!ちょっとペースが速かったね。」


まだまだ余裕そうな山田さんになんとか追いつく。数分後には息切れした飯山と田辺犬も追いついた。


「まだ着かないのか・・・。遠い。」


「少し休憩しようか。」

山田さんの提案に俺達もうなずく。

空を見上げると偽物の月。森は静寂に包まれていた。


「あの影みたいな魔物が全く出てこないのが不気味だな・・・。」


道中、俺たちは森に棲む生き物も、魔法使いも、影の姿も見ていない。

もしかしたら影は里の方に向かったのか?


「なぁ、もしあいつらの所に影が向かっていたらよ。マズくないか・・・?」

狼狽える飯山。


「落ち着け。あいつらなら大丈夫だ。集団でいるし、土地勘もある。なによりあの弓術の腕前なら影なんかにやられたりはしない。それより、マズいのは俺たちの方だ。」


俺は一呼吸して話を続ける。


「俺たちは今回、戦車なしで戦わなきゃいけない。聖騎士みたいな超人がいるわけでもなければ、ちょうどいいタイミングで助けが来るなんてこともない。俺たち三人で魔法学校まで行かなきゃいけないんだよ。影に襲われれば、どうなるか分からない。冷静になれ。」


自分への戒めの意味も込めて、飯山を説得する。

前回は生身で戦っても無事でいられたが、あれは奇跡のようなものだ。

三人という少人数で動かねばならない以上、一人一人が緊張感を持って動く必要がある。


「すまん・・・。そうだよな。あいつらなら大丈夫か。」


飯山はエルフのことになると気持ちが昂る。

だが、まずは自分の事を考えなければならない。


「・・・そろそろ行こうか。」

俺達は再び魔法学校に向かって走り始めた。


* * *


「おかしい・・・静かすぎる。」

里のエルフたちは困惑していた。森が結界に包まれてからどれくらいたっただろうか。

普段は里を襲う影たちも今日は全く姿を見せない。


「私、行って来てもいい?」


マーレが意を決して老年のエルフに尋ねる。


「しかし・・・。」


「大丈夫。少し森の様子を見てくるだけだから。待ってるだけは嫌なの。」


マーレは知りたかった。今、この森で何が起こっているのか。これから何が起ころうとしているのか。


「私も行く。もう昔のように・・・。森が壊れていくのをただ見ているのは御免だ。」


シズクもマーレについていくことを決める。

二人は里を抜け、森の様子を確かめに向かうことにした。



魔法学校から戦車で結構走ったので、かなりの距離があると思います。

フルマラソンぐらいはあるんじゃないですかね。たどり着けるのか・・・。

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