親愛なる裏切り者へ
たぶん初投稿です。
「聖バーズ教会ねぇ・・・。」
結局元に戻らなかった犬田辺をつれ、俺は皆のもとへ帰ることにした。
今日は月に一回行われる騎士団の演武大会が行われるとか。
正直武術には全く興味がないが、ジャスミンやフリッツがどれほどの手練れなのかは気になった。
「大会までまだ時間があるな・・・。」
思っていたより用事が早く済んだ俺は、この世界の宗教について調べることにした。
初めて見た教会、その景色と雰囲気に圧倒され、興味がわいたからだ。
この世界の宗教、そしてそれに関する施設は俺たちの元いた世界とは異なる。
なぜ、特定の魔法は医療機関ではなく教会に任されているのだろうか。
教会とは、そして宗教とはこの世界においてどのような意味を持っているのだろう。
それを知るためには、根本的な宗教の起こりについて調べる必要があった。
「・・・ということなのよ。」
「そうですか。それはよいと思います。でも、今日は忙しいので明日でも良いですか?」
書物庫まで、フリッツに案内を頼もうかと思ったが断られる。
お人好しのフリッツでも、さすがに大会が控えているとなれば他人に構っている暇はない様だ。
「代わりの物に案内させます。」
さすがフリッツ。気が利く。
「なんだ?てめ書庫に行きてぇのか?仕方ねぇな!連れていってやるよ!」
で、やってきたのがこいつ。俺と角でぶつかった屈強な騎士。
この人選はどうなんだ。暇なのがこいつしかいなかったのか?
それとも忙しい時に自分勝手に頼みごとをしてくる俺に怒って、わざとこいつを案内役にしたとか?
「着いたど!」
無事に到着。道中、特に何事もなくてよかった。
初対面の印象の悪さから面倒なことが起きるかもしれないと不安だったが、こいつも城内では大人しいようだ。
「あっ?あいつ俺のこと睨んでねぇか?」
そう思ったそばから喧嘩を吹っ掛けようとする。こいつといると俺まで巻き込まれない。
「案内ありがとう。もう帰っていいから。帰れ。」
モリアード?だっけ?
説得の末、何とか奴をなだめることに成功する。
「そういや、てめなんのために書庫に来たんだ?」
まだ帰らないのか。帰れよ。
そう思いながらも、渋々俺は質問に答える。
「あ?宗教だよ、宗教。ちょっと興味がわいてさ。」
「あぁ!?」
俺の言葉を聞き、驚く様子を見せるモリアード。
「なんだよ、なんかおかしいこと言ったか?」
急に真面目な顔になるとこっちまでビックリするだろ。
「おい、てめ、あんまり宗教については調べないほうがいい。裏切り者を探そうとするな。」
「は?裏切り者?いや、俺はそういうのは調べてないぞ。」
「そうか、ならよい。この国の宗教は色々複雑なんだよ。あんまり深いところまで見ないようにしろよ。」
そう言って立ち去ってくモリアード。なんなんだ一体・・・?
この国では宗教問題でも起こっているのか?
そういや、なんか教会に怒鳴り込んできたやつがいたな。
教会も兵器の製造に関わっているのだろうか。
俺はキナ臭さを感じながらも、宗教についての本を探すことにした。
深く探るつもりはない。少しだけでも異世界の様子を知るきっかけになれば良い。
宗教を調べるに至るまでの動機がガバガバすぎる。反省。




