異世界は俺には難しい ~爺は強いぞ編~
一人きりなので初投稿です。
「よし、私が王国を案内しよう。」
ジャスミンはそう言って俺の肩に手を置いた。
窓の外の蒼い空。
その下には日本では見られない異国の景色が広がっている。
俺も代わり映えのしない景色と違う新たな世界に少し興味がわいた。
引き籠ってたからあんま外のこと知らないけどな!
「わかった。行くよ。」
渋々だが了承する。
「あー、しかし、その恰好では怪しまれるな。それに住む場所もないのだろ?」
「確かに…」
「王国には空き家も多いが…ここ中心街ではさすがにそう空いてる手頃な部屋は見つからないだろ。」
「はぁ。」
「よし、私の家に来るといい。」
「はぁ…はぁっ!?」
驚いた。いやぁ、俺でも驚いた。
この人の家に?
こんな美人と一緒に暮らせるなら願ってもないことだが…
「空き部屋が多くてどうしようか迷っていたんだ。ちょうどいい。」
なるほどと俺は思った。
ジャスミンの家は超巨大な邸宅だ。いや、城か。
映画とか教科書で見た宮殿のような感じ。
勿論、王宮の建物よりは小さいがそれでも十分だろう。
同じ屋根の下といっても規模が違う。それに使用人もいっぱいいる。
「にてもすげぇな。こりゃ…」
豪華な内装に俺はたまげた。
「ホホホ、お嬢様はアルデント家の長女。
アルデント家は12席しかない円卓の聖騎士に代々名を連ねる家系。驚かれるのも無理はありません。」
俺の背後に何の気配もなく立つ執事の爺。
自慢じゃないが俺は耳がいい。
FPSでは足音は重要だ。
なのに何の音もなく背後に回るとは…
「円卓の聖騎士?」
俺は執事に疑問を投げかけた。
もっとも動揺を隠すためだが…そんなこといいや。
執事は壁の絵画を見るように促した。
「右から代々のアルデント家の聖騎士。
聖騎士は王国で優れた騎士と認められたもののみが授かる称号でございます。
さらにそのうちから12人が王宮の議会にある12の席に座れるのです。
12席の円卓の聖騎士。それは最高位の騎士の称号なのでございます。
そして現在のアルデント家の円卓の聖騎士こそ、ジャスミン・フォン・アルデントお嬢様なのです。」
なるほど、ジャスミンがすごい奴ってことはわかった。
「さぁ、部屋へ案内します。」
俺の案内された部屋は俺のもといた部屋とは比べ物にならないほど豪華だった。
すごいの一言に尽きる。
「うひょーー!すげぇ。」
俺が美しい芸術品に唸っているとジャスミンがやってきた。
「なに子供みたいにはしゃいでいる。
さぁ、着替えろ。街に行くぞ。」
俺は少しわくわくして街に出た。
街は新たな興奮と感動を与えてくれた。
そして、新たな出会いも。
俺の今後の運命を分かつ、出来過ぎた出会いを。
初投稿でした。
私は執事よりメイドが好きです。