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引き籠りでFPSゲーマーの俺が異世界転移してアサルトライフルで無双したZE!  作者: ♰闇からいでし災厄♰
第二章 戦車分隊、異世界へ
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硝煙の騎士

夢にまでみた初投稿です。



がたがたと揺れる木々たち。

戦車は地面を豪快にえぐりながら進む。


「おい!飯山、シズクのはどこにいるんだ?」


俺は外を見ながら言った。

シズクは街にいるものと思っていたがもう里に返されたのか?

だとしたら飯山の慌てようも納得だ。

あの炎…とても気楽な考えはできない。


「あぁシズクは里に帰った。だから……炎の方へ行けばいい…」


「了解。敵の追撃は?」


山田さんは戦車を運転しながらも周りを気にしている。

俺も周囲をぐるっと見回した。


「まだないな…うわぁ!来た来た!木の上だ!」


木々の間を跳びまわる黒い影。

エルフでも森の動物でもない。

魔法の影だ。

敵の影は木の上を走り、戦車に並走しているようだ。


「木の上…」


飯山は持ち場から身を乗り出して戦車砲の角度を変えてやる。

戦車の操作は複雑だ。

慣れてる俺たちならともかくマーレにはその辺の『機械の操作』は不可能だ。

飯山が頑張って教えたが結局、機械の操作は飯山がしている。


マーレに任せるのは発射のタイミング…


距離、空気抵抗、重力、敵の速度、自分の速度…

それらは計算と経験で得られるものだ。

マーレの腕は天性のものか…確かにすごい。

エルフ特有の目のよさ…暗闇でも目標を捕捉できるのも大きいだろう。


「木の上はまずいわね…」


山田さんが呟いた。


俺もすぐになぜまずいのか気付いた。


「仰角がとれない!」


そうなのだ。

戦車砲は上を向けることができるが限界がある。

20度が限界だろう。

そしてこのすぐ傍の大きな木々の上を狙うには角度があまりにも足りない。


「機関銃で…」


俺が遠隔操作可能な重機関銃のモニタを覗いた…

が、当てるのは無理だろう。


「くそ!やっぱ何も映らない!あいつら熱を出してないんだ!」


機関銃の遠隔操作画面は熱映像だ。

つまり熱を発していなければ画面に映らない。

影…あれは生物かもわからないのだ。熱を発していなくてもおかしくはない。


「上から撃つしかねぇな…」


飯山はハッチに手をかけた。

だがそれはあまりにも危険だ。

あの影、想像以上に素早い。ハッチを開けて身を乗り出すのはさすがに危険すぎる。


「やめろ!危なすぎ…うわぁ!!」


戦車が急ブレーキをかけたのだ。

俺は壁に顔面を強打した。


「みんな見てみなよ…」


山田さんが呆然と言った。


俺はただならぬ気配を感じた。

小窓から差し込む明かりが、車内を赤に染めている…

俺は体を起こすと外を見た。


そこに広がっているのは、燃える木々。

燃える家屋。

燃える人々。


「そんな…」


マーレが呟いた。

その横顔は何も語らない。

あまりにも多くの感情が湧きすぎて表情にできないのだ。

飯山も言葉を失っている。

山田さんも口を押えている。


「どうなってんだこれ…」


そして俺は見たくないものを見てしまった。

どうしようもない現実。

どうしようもなく残酷な世界。


なんであいつが?

なんで、屍の山の中で一人立っている?



炎の中に立つ紅い人間。

手に持つ軽機関銃が炎に照らされ不気味に輝く。

彼の顔にも表情はなかった。


ただ、その真っ暗な目は俺たちを見ていた。


初投稿でした。

魔法学校は滅びないさ。何度でも蘇る!

私の夢だからだ。

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