異世界は俺には難しい ~帰りたい編~
真夜中に書いたので初投稿です
ここが王国・・・。
「わぁ~・・・すっげぇ・・・。」
女騎士に連れられて、俺は城下町を連れまわされる。
どこを見ても知らない武器、防具、道具が並んでいる。
「おい、なんだよあれ!すごくない?マジで!」
俺は初めて見る『異世界』の『バザー』に目を輝かせる。
(異世界ではバザーという呼び名を使うのだろうか・・・?俺たちのバザーはもしかしたらこの国ではバザーではないのかもしれない。それほどにこの国の規模は大きかった。元の世界で言えば『東京』のような規模だ。)
女騎士はそんな俺を無視してぶつぶつ独り言をつぶやいている。
あの怪物に負けたことがそんなに悔しかったのか・・・?
30分ぐらいだろうか?いや、40分ぐらいか。
体感的には2kmほど歩いただろうか。俺たちは大きな門の前にいた。
「「お疲れ様です!」」
「あぁ。お疲れ。」
二人の兵士から挨拶をされる女騎士。こいつ結構偉い立場なのか・・・?
「おい、お前いったい何者なんだ?」
「いいからついてこい。」
やっぱり怒ってる・・・?
「王様、このあたりで見つけた不審な男を連れてまいりました。」
なんてやつだ。助けてやったにもかかわらず、こいつは俺のことを不審者扱いし、
自らの手柄とするつもりだったのだ。
「おい、ふざけn・・・」
奴に銃口を向けようとしたとき、俺の体はすでに地面と一体化していた。
アサルトライフルが宙を舞う。
「剣をおさめよ。」
「も、申し訳ありません。」
「放してあげなさい。」
「はっ・・・。」
「・・・っつ!てめっ!覚えてろよ!」
俺は荒々しく女騎士の手を払い、王様をにらみつける。
「そなたは不思議な力を持っているようじゃが、その力、詳しく話してみよ。」
「俺だってワケ分かんねぇよ・・・。」
実際、自分でも訳が分からなかった。
突然飛ばされて、化け物と戦って、押さえつけられて・・・。
「混乱しているようじゃな・・・。しばらく休みなさい。」
「ジャスミン、案内してやりなさい。」
俺を抑えつけた女騎士、こいつはジャスミンというらしい。
美人の女騎士を助けて、王様から褒美をもらって・・・。
なんて考えたのにこいつのせいで気分が悪い。
助けてやったのになんなんだよ・・・。
「おい、立てるか?」
差し伸べられた手を払い、俺は荒々しく部屋を出る。息が荒々しい。
ジャスミンが心配そうな目をしてついてくるが知ったことか。
こんなことになるなら助けなければよかった。
俺の描いていた異世界ライフは現実の厳しさに打ち砕かれた。
『こっち』の世界でも俺は邪魔ものなのか・・・。
俺はため息をついた。空が青い。