闇を従える者
バイト禁止令がでたので初投稿です。
「マーレちゃんどうしたの!?」
山田さんは俺とマーレを見てさぞ驚いたことだろう。
「その犬はなに!?」
「犬!?」
この時初めて犬には気づいた。
どこからついてきた?びしょ濡れだ。
今はそれどころじゃないんだが…
山田さんへの説明は飯山に任せて俺はマーレを戦車内に運んだ。
戦車に乗り込むと俺はマーレを寝かせた。
といっても狭い車内。
足を折り曲げ何とか押し込める。
山田さんと飯山は外で待機。
念のため、M16とAN-94をもたせた。
俺はまずマーレの三角帽子を外した。
とても邪魔だったからだ。
いつも被ってるから少し悪いと思ったが外させてもらう。
そして俺は初めて、マーレのことを知った。
「お前…エルフだったのか?」
黒い髪の間から覗く尖った耳。
それは前見たシズクと同じ…エルフの特徴の一つだ。
「…あはは。うまくいくと思ってたのになぁ…」
マーレはうっすらと目を開けてゆっくりと消え入りそうな声で話し始めた。
「私、ずっと魔法使いになりたかった…
私は普通のエルフと違ったから…
友達が少なかった…
私にはいろんな人たちがいる街は明るくて楽しそうで…」
マーレはどこか遠くを眺めている。
「大ババ様が入学を認めてくれた時、私、とても嬉しかった…
でも私だけ特別だって…
だから私は私を認めてくれた大ババ様の為に…」
マーレの頬を涙が伝った。
それ以上の言葉はなかった。
死んだのかと焦ったが息はしている。
その時だ。
「権丈院くん、見て!」
山田さんがハッチを開けて叫んだ。
俺は山田さんの手を借りてハッチから身を乗り出す。
「なんだこりゃ…」
街を囲む壁の向こう、
森の方が空まで赤く染まっていた。
「そんな……」
言葉を失う飯山。
そうかあの森は、エルフの里がある…
「権丈院くん危ない!」
俺が山田に駆け寄ろうとした時だった。
砲塔に乗っていた山田さんが俺の体を押さえつけた。
黒い刃が俺の頭のあった位置を切り裂いた。
山田さんがとっさにその黒いものに銃弾を浴びせた。
3発の弾丸が黒いもの…前見たマーレの影のようなものを吹き飛ばした。
「なにこいつら!」
「魔法学校で見たやつだ!大ババの使い魔か!?」
よく見たら闇の中に何匹もいる。
それぞれ人の形をしているが腕や頭が伸縮し人間とは明らかに違う。
そして、光に照らされた影はそのまま黒い塊の実体と化し伸びた腕は刃に変わる。
「射撃は有効だ!撃て撃て!」
山田さんは安定した三点バーストの射撃で影を蹴散らしていく。
俺も戦車ないからmp7を引っ張り出し山田さんの死角をカバーする。
「飯山ーー!」
一人突っ立ってた飯山も俺の呼びかけに気づき戦車に戻る。
「おい!戦車出せるか!?」
「そうね。一気に押し切りましょう。」
俺が敵を排除している間に二人は戦車に乗り込む。それを確認し、俺も乗り込みハッチを閉めた。
「シズクのとこに行く!」
「飯山!そんな暇は…」
俺の言葉を遮るようにマーレが俺の足を引っ張った。
そしてお願いと目で訴える。
「わかった。田辺もどっか行ったし探しながらシズクのとこにも向かう!」
カズタービンが轟々と排気音をあげる。
戦車のキャタピラが石畳の地面は削り取る。
「「「いけーーー!!」」」
初投稿でした。
2的な?でも2はやったこと)ないです。




