魔法学校へようこそ!
ラインの通知が激しいので初投稿です。
ファンモール魔法学校。
ここは魔術、魔法を扱えるあらゆる種族がそれらを学ぶための空間。
生徒数は2万2千人ほど。
基本的に5年制で大学のように自分で受ける講義を決めることができる。
基礎魔術の教育はもちろん、魔術研究や魔導具開発など研究機関としての側面も持つ。
そして、魔法使いのランク付けを行ってもいる。
ランクは魔法使いとして働くときにはとても大事なモノらしい。
「私もいつか偉大な魔法使いになりたいな!
今はまだ1年生だけど。」
「へぇ、で、なんで俺たちはマーレと一緒に講義受けてるわけ?」
俺たちはマーレと一緒に500人くらいは余裕で座れる講義室にいた。
それも真ん中あたりの席。
「だ、大丈夫なんすかね?勝手にこんなとこにいて?」
「大丈夫大丈夫!たぶんね!」
田辺も同じ気持ちのようだ。
心配だ。
あーすごく周りから見られている気がする。
「そこ!静かにしなさい!」
「す、すみません…」
なんで俺が謝る…
「講義終わったら案内してあげるから!」
マーレの適当具合には驚かされる…
すでに冷や汗でシャツが大変なことになっているというのに。
山田さんは凄く興味深げに講義を受けているが。
「今日の講義はここまで!」
「た、助かった…」
「先生来てないよね?なんか怒られたりしないよね!?」
「楽しい講義だったわ!」
講義が終わった…
俺と田辺は顔面蒼白だ。
「終わったぁ!!さぁ、案内するよ!」
テンションの高いマーレ。
講義室から引っ張り出される。
しかし、俺たちも講義から抜け出せて一安心していたところだ。
「さぁ、どこに行く?
図書館かな?魔導書や魔法史の本がたくさんあるよ!
薬学室もおもしろいかもなぁ。魔女っぽいもの多いし!」
「おぉ!」
「魔法学校っぽいな!」
マーレの提案は魅力的だ。
正直、どこへ行っても楽しめそうだった。
「ねぇ、マーレ。ここって本当にいろいろな種族がいるのね。」
山田さんは周りを見てそう言った。
確かにそうだ。
講義中は気にしていなかったがまさに異世界といった感じのあらゆる種族が集合している。
「魔力を持ち友好的で意思疎通ができる種族なら大体は入学できるよ!」
猫耳の生えた人や羽の生えた人。
お、あのスライムみたいなのも生徒か?人型でなくてもいいのか。
様々種族がいるが、ふと俺は思った。
「エルフはいないんだな。」
異世界といえば猫耳にエルフ…
そうだ!エルフを異世界に来てから一度も見ていない!
それにエルフは魔法を使いそうなイメージだが…
「あぁ、エルフね。あの種族は少し私らとは魔法の考え方が違うんだよ。」
マーレは気まずそうに言った。
「エルフが扱うのは精霊魔法。それも自然とつながりがとても深い魔法を扱うんだ。
魔法都市の魔法は人為的だとかでエルフの魔法観と相反しているんだよ……」
なるほど、魔法にもいろいろあるわけだ。
この学校の魔法とはもしかしたら科学により近い体系のものなのかもしれない。
「エルフはすぐ近くの森に棲んでるんだけどね…
あってはいけないし、話してもいけない。」
それがこの街のルールらしい。
それを話すマーレはとても悲しそうな顔をしていた。
「って前、先輩から聞きました。あ、これ内緒で…
こういうのってあまり人前で話す内容じゃないんで。」
そういうものなのか。
でも、なんか嫌だなこういうのって。
俺はマーレの悲しそうな顔が何故か忘れられなかった。
初投稿でした。
受けていた講義は近世魔術史Aです。
出席してれば単位が取れます。