アサルトライフルは中世で使うには強すぎました。
初投稿です。
引き籠りの俺がいる。
俺だって引き籠りになりたくてなったわけじゃない。
中学まで野球をやっていたけどいじめにあってから心を閉ざしてしまった。
部活なんてろくなことはない。厳しい人間関係。無意味な努力。
今ではFPSでストレスを発散する日々だ。
今日もVRでFPSをしている。
本当、リアルにできている。
それに今日はいい調子だ。このままならキルレ8くらいいくかな。
まるで自身が兵士になったようだ。
その時だった。ふと、周りの景色が変わっていることに気づいた。
草の臭い。頬を撫でる風。
VRでは感じ得ない筈の五感への刺激。
重い銃器の冷たい感触。
「なんじゃこりゃ」
森だ。森にいる。
さらに手にはアサルトライフル。
ベルギー産の7.62ミリ弾を使用する自動小銃FNスカーHだ。
サイドアームのM1911も腰についたまま。
インパクトグレネードと小型迫撃砲。それにナイフ。
「マジパネェ…」
その時、森に女の人の声が木霊する。
「な、なんだ?」
俺は声のする方へ走った。
野球部で鍛えた体はまだ衰えていないようだ。
さて、その声の主は思ったより近くにいた。
「くっ、離せ!」
目の前には騎士が一人。
軽装でしっかりしたつくりだが確かに実用的。それでいて装飾も凝った鎧だ。
「くそ!こいつら!」
その騎士は巨大な豚のような怪物…RPGでいうオークに襲われていた。
オークは3匹で騎士を組み伏せている。
騎士とオークの足元には数10ものオークの死体が転がっている。
騎士が倒したのだろうが数にはかなわなかったのだろう。
俺はライフルを構えた。
安全装置を外し、ドットサイトを覗いた。
レティクルにオークの頭部を重ねる。
そして、引き金をひいた。
オークの頭が砕けた。
他の二匹がこちらに気づく前に弾丸はもう一匹を仕留める。
最期の一匹が人質の騎士に何かするよりも早くライフル弾はオークを永遠に沈黙させた。
俺はライフルから伝わる振動に震えていた。
感動的。
ゲームとは違う本物の感覚!
「やったぜ!」
「お、お前がたおしたのか?」
俺は騎士の存在に気づいた。
そういや忘れていた。
「お、おう。」
「君のおかげではやく倒せた。感謝しておく。」
騎士はそう言い、兜を脱いだ。
声で女だとは思っていたが、ものすごい美人だ。
金髪のつややかな髪。すこしキツイ目つきだがそこがまたいい。
騎士は感謝の言葉だけ言うとすたすたと歩き出した。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!俺はどうすりゃいいんだ?」
騎士は歩みを止める。
そして俺の体を上から下まで見る。
「不思議な格好だ。異国の者か?」
「異国…異国なんだろうかねぇ。異世界?かな。」
「まぁいい。わかった。王国まで案内しよう。」
こうして俺は王国へ向かう。
異世界での冒険、一体どうなるんだ?
初投稿でした。
私はM16派です。