異世界といったら魔法だろ?私はそう思う。
お昼なので初投稿です。
戦車は森を進んでいた。
一応道だが荒れて穴が開いていたりする。
しかし、どんな荒れた道も戦車なら簡単に走破できる。
「おーい、権正院。なんか見えないか?」
「いいや、木しか見えない。」
ずっと森の中を進んでいて俺らはそろそろ飽きてきていた。
異世界らしいものが見当たらない。
こう……エルフとかさ。でてきませんかね。
現状、森で出会ったのは気持ち悪い大きな蟲と人食い植物。
どちらも戦車にぺちゃんこにされたが。
それでも念のために俺は機関銃のトリガーに手をかけておく。
「お、待て待て!停車!」
俺は山田さんに声をかける。
そしてハッチを開けて体を乗り出した。
目の前にあったのは巨大な壁。
俺は地図を取り出す。
「着いたぞー!次の街!」
俺のその声に歓声が起こった。
「やったぜ!」
「うひょお!俺の憧れ!長年の夢がかなう時が来た!」
テンションが上がるのも無理はない。
なんたってここは…
「ようこそ!ファンモール魔法学校へ!」
天高くそびえる塔。
赤レンガの大きな建物が大学のキャンパスのように並んでいる。
いや、まさしくキャンパスなんだろう。
ここが俺たちが獣人族の村を出てから目指してきた場所。
地図には『魔術都市』と書かれていたが俺たちの想像以上のものが目の前にあった。
「ほんとに魔女がいるんだな。」
「あぁ。ほら見ろよ。箒で空飛んでるぜ。」
「すごいわ。魔法なんて…」
それぞれ感嘆の声が漏れる。
ちなみに戦車は怪しまれると思って森の中に隠してきた。
それだけだと心配なのでじゃんけんに負けた飯山が見張りについている。
俺たちは魔術都市を散策し、そしてここ魔法学園にたどり着いた。
「魔法だってよ…おれらでも使えるのかな?」
「俺に聞かれても…」
空を飛んだりといった願望は俺にもあるさ。
いや、しかし、この世界の魔法がどんなものか…
「うわぁぁぁああああ!!危ない!危ない!!」
魔法学校の前で呆然としていた俺らは背後から聞こえてくる悲鳴に似た声に驚き振り返った。
その瞬間だった。
「ぐふっ!」
「きゃっ!」
俺の顔面に箒の柄が直撃した。
それは、実に強烈な一撃だ。
「痛たた…。あ、あわ…大丈夫?」
大丈夫なんかじゃないと言おうと思ったがまぁ、どもって言えない。
痛む頬をさすりながら体を起こすとやっと俺にぶつかったやつの正体がわかった。
魔法使い特有の帽子を被り箒を手に持った同年代くらいの女の子。
ボーイッシュな雰囲気で黒い短い髪と日焼けした肌はすこし魔法使いのイメージからかけ離れている。
「ごめんごめん。箒って苦手でさ。」
「は、はぁ…」
「君たちはここになんか用があるの?みたとこ学生ではないみたいだし。」
「用って程じゃないんだけど。」
「あ!見学?なら私が案内するよ!!」
こいつ勝手に話を進めやがる。
いや、でも魔法学校見学はすごい興味がある…
「私は、アマーリエ・ミナライキ。マーレでいいよ!」
こうして俺らはマーレについていくことにした。
あ、そうだ。戦車の中の飯山、どうしようか。
…まぁいいか。
すまんな、飯山。
お前の事は忘れないさ…
初投稿でした。
我が道を行く。