世界は私の夢を見るか?
風邪には注意しましょう。食事睡眠をしっかりとって体調を万全に!私も寝たい。
「なんだこれ!?ありえない!」
俺は驚愕し眼下に広がるビル群を見ていた。
こんなことってあるだろうか。
明らかに異世界に似つかわしくないものが乱立している。
所狭しと敷き詰められた高層ビル。東京だってこんなにビルは密集していない。まさに異様な光景だった。
「まぁ、そうなるよね。今まで隠してきたから」
「隠してきたって…なんで?そんな素振りは一度も……」
「さぁ、降りるよ!」
俺の言葉を遮り山田さんは龍の背中からポンと降りる。
慌てて下を見ると高層ビルのヘリポートに龍は着地していた。
「山田さん!なんで俺たちに黙ってたんですか?それにここは何なんですか?」
「あなたも良く知る世界だよ。ここは君たちの作った世界なんだから」
「どう言う意味ですか?」
「そのまんまさ」
なんだそりゃ?どう言う事だろうか?俺たちの作った世界ってなんだ?ここはゲームの世界なのだろうか。それだとしたら俺はまだゲームをプレイしているのか?いやいや、プレイしていたFPSとここはあまりにも違う。なら別のゲーム?そんなことあるか?
「君たちの次元はより高次にあり……いうならばより複雑で、でも整備された世界なんだ。この世界は少しだけ乱雑で、かわりに自由だ。」
俺が思考に囚われてる間も山田さんは話し続ける。困惑しているがそれを悟られないように努めて冷静に返す。
「まるでわからない……この世界と俺たちはどんな関係なんだ?なんでこの世界に来れたのかの説明をしてください。」
「君たちが私を作り、私たちがこの世界を作った。そしてこの世界が君たちを望んだ。この世界をより正常な世界に正すために」
この世界を作った?山田さんは本当に何者なんだろうか。観測者って言ってたけど……
彼女の話は続く。俺は慌てて話を追う。
「この世界は私たちが君たちを観測し君たちの世界を模して作った理想郷なんだ。私たちはこの世界が君たちの世界により近づくために、より完璧であるように監視してきた」
「つまりなんですか?山田さん、あなたは神様かなんかなのか?」
「これを作ったのは私の意思じゃない。より大きな意識によるものだよ。沢山の意識がこの世界を形作る。私はその意識の中に入ってすらいないよ。」
山田さんはそう笑顔で返した。
やばい。本格的に意味がわからない。
「わかった……わかったよ。何から何までさっぱり意味不明。山田さんは俺たちに何をして欲しいんだよ」
「さっき話した通り、この世界の意識が君たちを望んだ。だから私もまた成り行きを見守るだけ。ただこの世界に転機が訪れる事はわかる。そしてそれを起こすのもその先へこの世界を導くのも君たちだと。」
そう言うと山田さんは歩き始める。そしてヘリポートを降りて俺の視界から消える。
慌てて追いかけると彼女はビルの中へ続くであろう扉の前で手招きしていた。
後を追い俺は扉を潜る。
明らかにエレベーターだ。
扉が閉まると小さな部屋は駆動音を発しながら動き始める。
俺は黙ったまま山田さんの頭を見つめていた。
この場所はなんだ?
この世界はなんだ?
俺たちはこの世界でずっと何をしていたんだ?
まるで悠久のような時間が過ぎる。
何を考えても答えは俺の中には決して見つからない。
答えなどあるのか?
誰か用意しているのか?
「着いたよ」
エレベーターの扉が開く。
俺は黙って降りた。
大きなテレビモニターのある部屋だ。
異様だがもう慣れたな。
だが、モニターに映るものが何なのか気づいて俺は言葉を失った。
そこには見慣れたものがあった。懐かしいものがあった。見たことのあるポスターだ。読み途中だった本だ。やっていたゲームだ。
そして、知っている人物がいた。
「なんで、俺がいるんだ?」
説明回




