Independence mirage
コツコツと、定期更新で頑張っています。
ジニーがいなくなってから数日。俺は無気力で怠惰な日々を過ごしていた。
記憶は戻っても明確な道しるべはない。急に一人になった俺は、何をすれば分からず途方に暮れていた。
こうやって待っていればある日突然ジニーが帰ってくるのではないか。そんな淡い期待を描くが、ある日それは最悪の形で裏切られることになった。
その日は朝から雨が降っていた。
「……!」
玄関の戸を叩く音に俺は飛び起きる。
あの日以降ジニーも、黒服達も姿を見せていない。
急ぎ外に出ると数人の黒服達が俺を待っていた。
「…ジニーは、いるか?」
一人が俺に尋ねる。その口調は重く、どこか息苦しかった。
「いや、分からない。お前達も知らないのか?」
「そうか…。」
空気が一瞬張り詰めた。こいつらがジニーとどういう関係だったのかは分からない。だけど、気のせいだろうか俺に向けられているのは…敵意?
緊張感から少しずつ後ろに下がる。黒服達は皆一様に俺を見つめていた。
突然、距離が近づく。あと数歩のところで、俺は屋内に入り、扉を閉める。
直後に聞こえたのは扉を強引に叩く音。今にも壊れそうな音を立て、軋む様子を見て、俺はどうしたら良いのか分からず、唖然としていた。
何故俺が狙われている…。奴らは何者だ?
周囲を見渡し、武器になりそうなものを探す。
俺が武器を見つけるのと扉が破壊されたのはほぼ同時だった。
だけどそれは黒服の手によってではなく、別の大きな衝撃によって。
辺りに轟音が響き土煙が舞い上がる。
耳が聞こえない。辺りが見えない。
不意に誰かに腕を引っ張られる。
柔らかい手のひら、手首には装飾品が飾られている。
「…!…っ!」
何を言っているか分からない。必死に訴えかけるような口調で、話しかけてくる。
この空間には、黒服以外の誰かがいる…?
どういうわけか分からないが俺を導く手は土煙の中を迷いなく進む。敵か味方も分からないまま、俺は半ば引きずられるようにして部屋の中を動き回る。この状況から逃れられるのであれば誰でもいい。そんな思いだった。
荷物と武器を片手に窓から外に飛び出し、逃げていく。雨の中、ぼやけていた視界が少しずつ明確になっていく。月日がたって変わっていても、その姿を…俺は確かに知っていた。覚えていた。
できる限り定期更新にしていきたいです。




