Caval catastrophe
サブタイの英語、これ大丈夫ですかね。和訳で洞窟の乱戦!って感じで。
「レギーオっていうのはさ、この地域ではたびたび問題になるんだ。洞窟や森の奥。暗くてじめじめしたところに住み着く怪物。時折里に下りてきたりもするから…私も小さいのなら見たことある。」
ゆっくりと洞窟の奥に進む途中、リミエラが怪物について知っていることを話してくれた。
「明るいところでは大して強くないんだけど。暗いところだと結構素早く動くって聞く。あと、何故か暗闇でも動きが鈍らないんだよね。」
皆興味津々にリミエラの話に耳を傾ける。もちろん周囲の索敵も欠かさず行いながら。
「どんな姿をしているの?こういうジメジメしたところに住む怪物ってあまりいいイメージないんだけど…。」
柊が隣にいるリミエラに尋ねる。
「蛇みたいな感じかな…。といってもかなりの大きさだけど。」
蛇か…。毒とか持っていたりするのだろうか。そんなことを考えながら歩き続ける。
先程感じた嫌な気配まであと数メートルだ。俺は銃を前方に構える。ジャスミンも短剣を抜き、片手で構える。
「確かにいるな。一番後ろからでも何となくわかる。食べ物が焦げたような…嫌な生臭さだ。」
ナレガがそう呟く。やはり獣人は皆鼻が良いのだろうか。エルフの二人も警戒している。確かに何かがそこにいるみたいだ。
その時だった。物陰から大きな影が飛び出してくる。
「レギーオだ!」
最も早く反応したのはリミエラだった。エルフ二人と柊をかばうように前に出る。
すぐに俺も交戦に入る。照準を合わせ、トリガーを引く。
洞窟内にとどろく銃声。マーレは片手で耳をふさいでいる。
柊も驚きのあまり固まっている。洞窟内の射撃は神経を使う。長時間の使用は仲間にも悪い影響を与えかねない。
「短期決戦だ!」
俺は弾を撃ち続ける。状況に慣れてきたのか各々もそれぞれの武器で攻撃を始める。
後ろから飛んでくる銀矢はシズクのものだろう。正確無比なコントロールでレギーオの目の射貫く。
リミエラは気弾をとばしながらレギーオと距離を取る。ジャスミンは灯りをマーレに任せ前線へ飛び出す。連携に自信ありと言っていただけのことはあり、射線に入らない配慮をしながら華麗な動きで敵を切り付けていく。マーレとナレガは非常時に備え後ろで待機をしている。柊も照準を構えたままレギーオを見つめている。
決着はあっという間についた。体中から血が流れ傷だらけの死骸はなかなか凄惨だ。
柊は気分が悪くなったようでうずくまっている。まぁ、無理もない。ジャスミンが最後に首を切り落としたため、俺も正直、見るのがキツイ。
「これで終わり…なんだよね。うぷ…。」
ナレガに背中をさすられながら、柊が苦しそうな声で尋ねる。
とりあえずはこれで一件落着…のはずだが。
「油断するな!」
「何か来る!」
後方にいたナレガとシズクがほぼ同時に叫ぶ。
その瞬間俺は轟音とともに大きく吹き飛ばされる。
隣の壁が貫かれ幾重にも重なった鱗が見える…もう一匹の蛇。それもさっきよりもずっと大きい…!
それが俺が気絶する前に見た最後の景色だった。
* * *
「……クゥーン。」
目を覚まし、うめき声をあげる。目の前にはマーレ。
どうやら俺はマーレの膝の上で目を覚ましたようだ。
「お、目を覚ましたみたいだね。異世界の人って本当に丈夫だなぁ。」
体を動かそうとすると痛みが走る。出血は…大したことないが、吹き飛んだときに体を強く打ち付けたようだ。
「まだ動かないほうがいいよ。ここは安全だし。多分…。」
周りを見渡すと青い光が漂う、神秘的な空間の中に俺たちはいた。
泉…だろうか?あんなことがあった後とは思えない静かな空間だ。
「目を覚ましたか。ここはおそらく洞窟の地下。大蛇が現れて皆バラバラになっちまった。」
ナレガが小皿のようなものに水を汲んで戻ってくる。
俺はそのままの姿勢で水を飲む。美味しい。
「これからどうしよう…?」
マーレが不安そうな声で俺たちに尋ねる。
「皆を探そう、幸いにも俺たち三人なら一通りのことはこなせる。戦闘は俺とナレガが、灯りはマーレが。二人は索敵能力にも優れてる。」
俺の提案にナレガも頷く。
「そうだな。少し体を休めたらすぐに出発しよう。マーレは魔力の回復に努めろ。マサトシは体が動かせるようになったら動き始めるぞ。」
最年長のナレガの言葉に俺たちは従う。皆無事でいてくれ…。
そう思いながら俺はマーレの膝の上で回復に専念することにした。
ピット器官とかヤコブソン器官とか使おうかと思いましたが、よく分からないのであきらめました。




