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引き籠りでFPSゲーマーの俺が異世界転移してアサルトライフルで無双したZE!  作者: ♰闇からいでし災厄♰
第四章 開戦!?異世界大戦!
116/180

貴様の名は

今回は超!無双回です。アサルトライフル大活躍!

しばしの静寂。

しかし、敵の気配は未だに消えていない。


「気をぬくな、一人じゃない…複数人いるぞ。」


ジャスミンが剣を構えたまま、俺に注意を促す。


「分かってる…!」


次の瞬間、四方八方からオーク達が襲いかかってくる。いつの間に囲まれていたのか。


一瞬驚き、動きが止まるもののすぐに照準を合わせ、発砲する。弾丸がオークの肩、膝、足を撃ち抜く。


しかし、奴らの勢いは止まらない。弾丸をくらっても怯まないオークなんて初めてだ。


「おい!やけに硬いぞこいつら!」


しかし、この程度の敵にやられるわけにはいかない。俺がオークの動きを止めると、すぐさまジャスミンが追い打ちをかける。


次々と倒れていくオーク達。しかし、その目はまだ戦うことを諦めていない。俺たちのことを睨みつけ、再び襲いかかろうとする。


「待て!そいつらは帝国の人間じゃない!」


突然の大声、オークの後ろからひときわ大きいオークが現れる。


俺たちは武器を構えたまま、オークと対峙する。


「お前達は…王国の人間だな…?」


人語を理解するオークなんて初めて見た。こいつは何者だ?相手にすべきか迷っていると、ジャスミンが対話に応じた。


「私は王国の聖騎士、ジャスミン。お前達はオークの生き残りか?」


今度はジャスミンが質問する。オークは俺たちをじっと見つめたまま、話を続ける。


「我々はオークの精鋭部隊、いわゆるハイオークと呼ばれる種族だ。」


ハイオーク…?聞いたことがない。こんな風に人間に対話を持ちかけてくるオークがいるなんて知らなかった。銃弾を受けても中々倒れないことを考えると、精鋭部隊というのは誇張ではなさそうだ。


「我々は世界崩壊の日以降、仲間を失いひっそりと暮らしてきた…。だが、遠征から帰ってきたらこの有様だ。」


ひっそりと暮らしてきた?世界崩壊後もオークの被害は度々報告されている。


「信用できない。俺たちはここに来るまでにオークに襲われた。」


「…。」


ハイオークと自称するオークは少し黙った後、俺達に頭をさげる。すると、それを見た他のオーク達も頭をさげた。


「すまない…。お前達が知っているかは分からないが…オークの主食は人肉だ。」


「だが、世界崩壊後は控えていた!食べない努力をしていた!お前達を襲ったオークは飢餓状態から限界を迎えてしまったオークなのだ!」


俺たちは顔を見合わせる。信じてもいいものか…?


「それで、お前達は私達にどうして欲しいんだ?」


ジャスミンが強い口調で問い詰める。

王国で犠牲になった人達を想う故の怒りか。


「我々はもう戦いたくない。王国とも、帝国とも…。仲間を失うのは嫌だ。投降する…。」


「何が言いたい。」


「我々を…王国の傘下に置いて欲しい。労働でもなんでもする…。このままでは…我々は生き残れない…。」


ハイオークは疲れ切った様子でそう呟く。帝国に苦しんでいるのはこいつらも同じだ。だが、こいつらの言葉を信じていいものか…。王国内に入り込む為の口実ではないのか。


いくら人語が理解できても、オークはオークだ。どうしても野蛮なイメージが拭えない。


俺が考え込んでいると、ジャスミンが剣を抜き、ハイオークに近寄る。周りのオーク達が近寄るが、ハイオークはそれを制止する。


「お、おいジャスミン!何をする気だ!」


彼女は俺の言葉を無視し、剣を抜き、ハイオークの喉に突きつける。その目は怒りとも悲しみともとれるような不思議な眼差しだった。


「その言葉に…偽りはないか?」


剣先を喉元に突きつけたまま、ジャスミンが問う。


「あぁ…。約束しよう。」


「…貴様の名は?」


「私の名はオルム…。」


ジャスミンは剣を下ろし、少し考える素振りを見せた後、再びオルムの方に向き直る。


「…私から王国に掛け合ってみよう。」


「…恩にきる。聖騎士。」


オーク達は揃って頭をさげる。

結局、俺が意見を挟む間もなく物事は収束した。


まぁ、こういう取り決めは俺がでしゃばっても仕方がない。王国のことは王国の人間が決めるべきだ。


* * *


「良かったのか?ジャスミン?」


王国に文章を伝えた後オルム達と別れ、俺たちは次の目的地を目指す。


「私は自分の意志に従っただけだ。後は王国の者達が決める。」


多少の動揺はあるかと思ったが、彼女の様子はいつもと変わらない。


「しかし、意外だったな…。お前は交渉には応じないと思っていたよ。」


「…救えるものは救いたいんだ。帝国に仲間を殺されたのは奴らも同じだからな…。」


そうか、そういう意図があったのか…。

どうやら彼女の中にも、色々な葛藤があったようだ。


「必ず異世界の人間を探し出して…王国を…いや、この世界を帝国の魔の手から救おう。」


俺はもう一度確かめるように、ジャスミンに語りかける。彼女もまた、力強く頷く。


見つけたのは異世界の人間ではなかったが、異種族も立派な戦力だ。倒すべき敵は皆同じ。だったら人と人ならざるものが手を取り合うこともできるはずだ。


俺たちは異世界の人間を探すため、旅を続ける。


俺くんとジャスミンが入れ替わる予定でしたが尺の都合で泣く泣くカットしました。

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