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引き籠りでFPSゲーマーの俺が異世界転移してアサルトライフルで無双したZE!  作者: ♰闇からいでし災厄♰
第一章 アサルトライフルは中世で使うには強すぎました。
11/180

いままでと、これから

パソコンで執筆しているので初投稿です。

「ニーナは・・・分からない・・・。」


何だよそれ!どうなったんだよ!ふざけんな!

叫びたい気持ちは、あいつの目にたまった涙を見てどうでもよくなった。


あいつが俺のことを気遣ってそういってくれたのか。それとも本当に分からないのか。

そんなことを深く考えるほどの余裕が、今の俺にはなかった。


きっと俺なんかよりずっと仲が良かったんだろう。

ニーナがあいつを慕う気持ちは俺にも何となく伝わっていた。

あいつが、ジャスミンが感情を抑えているのに俺なんかが泣けるわけがない。

あんなに近くにいて、何もできなかった俺が。泣けるわけがないんだ。



・・・疲れた。


この世界は元いた世界の何倍も、何十倍も疲れる。


部屋に閉じこもっているだけの俺を見て、周りは愛想をつかした。


俺は自由になった。俺は一人になった。


そして異世界に飛ばされた。



そのあとのことはよく覚えていない。事情聴取が行われて。集団葬式が行われた。

俺は、自分が悲しいのか、悔しいのかよく分からなかった。

怠惰なままに生きてきた俺にとってそれはあまりにも突然で、衝撃的だった。


爺やが俺を気遣ってくれた、お前だけでも生きていたことは奇跡だと。

ジャスミンは髪を切った。自分自身への戒めなのか、前より家を留守にすることも多くなった。


俺は・・・俺は。


ある朝、屋敷にフリッツが訪ねてきた。あいつは俺を思いっきりぶん殴り、

なぜ守ってくれなかった!と怒鳴りつけた。


そして頭を下げた。


「頼む、お前のその力を。国のために貸してくれ。俺はもう、大切な人を失いたくない。」


その時俺は初めて泣いた。フリッツも泣いていた。

ニーナはフリッツにとっての家族、妹だったらしい。


俺はその日からフリッツとともに鍛錬を積んだ。

野球部も真っ青の地獄のような鍛錬。


吐いた。泣いた。やめたくなった。


それでも俺は、ニーナを失った悲しみを。忘れることはできなかった。

そんな俺の姿を見て、少しずつだけど騎士たちも心を開いてくれた。


もう、長い間、アサルトライフルを出していない。

最後に出したのはこの訓練場だったか。フリッツに煽られた時だったかな。


たぶんまだ一年もたっていない。けどあの日から結構な日数がたった。

元いた世界の俺は騒ぎになっているだろうか。行方不明者として扱われているだろうか。


ニーナのように、俺がいなくなったときに泣いてくれる人はいるだろうか。

この国が何と戦っているのかは分からない。結局、あの日の出来事についても教えてもらえなかった。


でも、それは今後次第だ。今度こそ皆からの信用を得て・・・。

らしくないことを考えながら、俺は今日の分の鍛錬を終える。


空が青い。この国の空はいつだって青くてまぶしい。


伏して生きるな

立ちて死すべし

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