ザ・サバイバー
帰宅したので初投稿です。
頭が痛い。
何が起きたのか理解できない。
身体もまったく動かない。
呼吸すらままならない。
何が起きたのか。
思考が混線して結論に至らなかった。
「大丈夫か!?」
「しっかりしろ!」
霞む視界にいろいろなモノが映った。
黒焦げの地面。
そして、地面に突っ伏したまま動かない兵士たち。
すぐに無事だった兵士が収集にあたっていた。
俺は、ただ見てるだけだ。
にしても周りは死体だらけ。なのに俺は意外と無事だ。
そうか…この対爆アーマーのおかげか。
爆発物によるダメージを30パーセントカットすることができる。
どうやらこの世界でも効果は働くらしい。
それでも感じるリアルな痛み。
本物の衝撃。
「大丈夫ですか!」
「う、うん。ありがと…」
俺は一人の騎士に発見され、彼とともに救護所へ向かおうとした。
その時、ふと思い出した。
「ニーナは?」
その刹那、俺は元の場所に戻る為、駆け出していた。
ニーナは?
俺より明らかに爆心地の近くにいた。
もう結果なんて見えていた。
「くそっ!ニーナ!」
「き、君!血が…はやく救護所に!」
「俺はいいんだ。それよりも他のみんなは?」
「いいって…とてもそうは見えない。それにここにいてもいいものは何もない。
救護所へ行くんだ。」
燃え跡でなにやらしていた男にそうきつめに言われ、
俺は渋々、後ろからついてきた兵士と共に救護所へ戻った。
救護所といっても簡易キャンプみたいなものだった。
しかし、キャンプとは違う。
数十人の傷ついた兵士が呻き声を上げ、まるで地獄のようだった。
「傷はたいしたことないです。安静にしておけば大丈夫でしょう。」
俺は医者にそう言われたのを覚えていない。
必死に倒れている兵士たちに目を凝らす。
いない。
いない。
いない。
どれも黒焦げで誰だか見分けもつかない。
しかし、一人、見分けがつく人がいた。
ニーナと話していた一際ガタイのいい屈強な男。
彼が黒こげになって担架に乗せられ運ばれていく。
生きてはいないことは俺でもわかる。
「おい。聞いてるのか?」
俺はそこで初めてジャスミンが俺に話しかけていることに気づいた。
「お前は一番近くにいた。何があった?」
「何があった?おれだってわからねぇよ…」
思い出せるのは閃光と男の不気味な笑み…
「男がいてそしたら閃光。そしてこうだ。」
「閃光…自爆魔法を使ったか。」
ジャスミンが他の騎士たちと立ち去ろうとする。
俺はとっさに呼び止めた。
「おい!ニーナは?ニーナは…」
そこまで言って言葉が途絶えた。
返ってくる答えがあまりにも容易く予想できたから。
俺の望んでいない…最悪の返答が…
初投稿でした。
燃え跡を調査していたのは王国の跡詰処理部隊「ルノ087小隊カワード」です。
後付けです