猫シリーズ第2話 猫の缶詰
にゃ~ん
そんな甲高い声に振り向き
ふと窓を見ると あの猫が私を見ている。
ねえ、ぼくと買い物に行こうよ。
「えっ?猫の買い物?」
猫の商店街なんて
あるのかしら・・・・・
そう思いながら
私は、少しの好奇心で
あの猫についていった。
ぼくもたまには、
おいしいものが食べたいからね。
猫はそう言いながら
近くのスーパーマーケットに
入っていった。(ペット禁止の張り紙には、お構いなしに)
ここにはね
いろんな缶詰があるんだよ。
おいしそうでしょ。
昼下がりのスーパーマーケット
まだらの客に混じって
猫が缶詰売り場の前に
座っている。
この缶詰にはパイナップルの絵が描いてあるから
それは、パニナップルが入っているんだよね。
そしてね
お魚は、お魚の缶詰・・・・
キノコのは、マッシュルーム・・・・
猫が長々と私に語りかける。
(そんな当たり前のことをはなされてもね)
あれ
猫が猫の絵の描いてある
缶詰を見つけた。
「あ、これが欲しいのね。買ってあげるわ」
私は下を向いて優しく猫に語りかけた。
まだらな客を気にしながら
猫の絵が描いてある缶詰って?
もしや・・・・・・・・・・
急に猫が震え始めた。
「あっ猫が入ってるわけじゃないから・・・」
私は青ざめた猫に語りかけた。
怖いよ~
ぼく、変な想像しちゃったよ。
ぼくは、おいしくないよ~ねっ?
もし、猫の缶詰をパカって
開けてみたら
「にゃお~ん」って猫が飛び出してきたら
可愛いかなって
私はそんな想像をしながら
隣で震えている猫を尻目に
目を細めて、ニヤッとした
猫と目があった
猫がマスマス青ざめた。