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     友達

「慧ちゃんはいくつかの勘違いをしている」

 何を知ったふうに。私が反論するより早く、輪廻さんが話し始める。

「ひとつは私に勝てると思っていたこと。二つ目は仮面が万能なんかではないということ」

 炎の奥で、人影が揺らめいている。この期に及んで、誰が来るというのだろうか。

「最後に、慧ちゃんの親友は死んでいない」

「え――」

 炎の壁を突き破って来たのは、タンポポと百華だった。背中に、誰かを背負っている。

「輪廻、人命救助の最中にどっか行くんじゃねえよ。まだこの子を外に出してねえのにお前追っかけちまったじゃねえか」

 文句をたらたらと漏らすタンポポに、輪廻さんは涼しい声色で返す。

「いや、ちょうどいいタイミングで連れてきてくれたね。意図していないとはいえ、なかなかいい仕事をタンポポはしてくれたよ」

 タンポポが背後の人を降ろす。茶色い髪が、さらりと揺れる。

 私は息を飲んだ。

「杏樹?」

 口に出しておきながら、現実味に欠けると我ながら思った。だって杏樹は、私の目の前で炎に呑まれたのに。

「私たちが偶然このショッピングモールにいたことに感謝して欲しいね。それに、百華がいるんだ。死なないことに関して、百華の右に出る者はいないよ」

 輪廻さんがゆっくりと私の上からどいた。私はばたばたと落ち着きのない動きで、杏樹に近づく。胸が上下しており、まだ生きているようだ。

「髪が少し焦げて右手もちょっとだけ火傷したけど、それ以外は命に別状はないよ」

 杏樹の上半身を抱き上げる。彼女の体は温かかった。たったそれだけのことなのに、涙が出てきた。

「良かった、本当に良かったよお」

 ぐしゃぐしゃな顔をして、私は杏樹を抱きしめる。涙だけにとどまらず鼻水まで出てくる有様だ。

 何度も何度も彼女の名前を読んで、もう離すまいと抱きしめた。

僕がどっちかって言えば野球派ってこともあるんですけど、未だにオフサイドの詳細を分かっていません。なんでそれがオフサイドであれが違うんだよ!と、テレビを見るたびに吠えてます。最近すごく面白いサッカー漫画を購入したので、これを機になんとなくわかる程度には勉強できたらいいなと思っています

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