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    帰還

「帰るぞ」

 私は逡巡する。

「まだ、この子の親が……」

 躊躇いを見せる私の肩を、龍馬さんが叩く。「帰ろう。後はタンポポに任せて」

 私はタンポポを見る。彼は、もう一度仮面を顕現させていた。

「慧はまだ仮面の経験が浅い。だから、お前はここらが潮時だ。経験がないのにこれ以上難しいことをしようとすると、誰かを助ける前に自分まで死ぬことになるぞ」

 脅迫ではない。私は感じる。これは事実だ。タンポポは私に恐怖を与えるつもりはなく、書類のデータを読み上げるような気分なのだろう。

「この子の親をお願い。助けてあげて」

「大丈夫だ。任せろ」

 私は、その一言を信用することにした。あたりを見れば消防車も来ていたらしく、確かに未熟な私が現場で走り回っていても邪魔なだけだろう。ここは、年長者に任せるしかない。

 龍馬さんに服の裾を引っ張られながら、私は猛烈に後ろ髪引かける思いで背中越しに見る。後ろでは、タンポポが消防士の一人に少女を預けている。

 豪々(ごうごう)と燃える音が、私たちを笑っているかのようにも聞こえたのは気のせいではない。


最近、本編書くのが楽しくて仕方ありません。シーンがシーンなだけにそうなのかもしれませんが、とにかく楽しいです。どのシーンなのかは、そんなに大したネタじゃないんですがネタバレとなるため控えさせていただきます。その時をお待ちください!

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