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   ハイスクール③

 私が高校へ入るにあたって、真っ先にしなければならなかったことは容姿をそれとなく変更させることだった。人ごみの中で仮面を出してしまった私は人の目につくわけにもいかず、そうは言っても学校へ行かずに引きこもるわけにもいかず、舞踏荘の面々と話した結果外見を改造するという着地を見せた。だがあまりに奇抜な格好をするわけにもいかない。そこで輪廻さんが提案した案とは、髪型を変えることと伊達眼鏡。伊達というだけあって、もちろん度はない。さらに言うなら、私の視力は2・0だ。上限なしで測ろうと思えば、多分2・5から3くらいはあるんじゃないかという自信だってある。

 さておいて。髪だって切った。輪廻さんがお勧めする美容院へ行ったらあれよあれよとヘアカタログを眼前に積み重ねられ、何がなんだかわからないうちに椅子へ座らされて髪をザックリと殺られた。比喩でも何でもなく、殺られた。

 もとより私の髪は長く、肩甲骨と背中くらいまで伸びていたのだが、それがものの見事に顎付近まで刈り取られた。その美容師は輪廻さんが推すだけあって結構な腕前の持ち主らしく、人相が悪い私でもあたかもそれがクールなキャラであるかのように見えてしまうから、髪の毛が他者に与える威力は計り知れない。身をもってそれを知った。

 伊達眼鏡も輪廻さんプロデュースで、それなりに格好いいものを購入。「妹が出来た気分で、私は嬉しいよ」と言って変身代を私の代わりに払ってくれた輪廻さんには、ほとほと恩義ばかりが積もってしまって頭が上がらない。

 輪廻さんに対する感謝を噛み締めながら、私は杏樹に話しかける。

「今日って何曜日だっけ?」

 私の問いかけに、杏樹がポケットから携帯電話を取り出す。私も携帯電話は持っていないではないけど日常的に使う癖がないせいか、今でも舞踏荘の自室で留守番させている。私にとっては、携帯電話の立ち位置なんてそんなものだ。

「金曜日」杏樹が携帯電話をしまう。

 なるほど。この騒がしさは、休日を控えている高校生特有のテンションなのかもしれない。

 勝手に納得した私は今日が金曜日だという現実を受け止め、ぼんやりと外を眺める。

 今日の夜は、空を跳ぶ予定だ。



みなさんはオフ会とかするんでしょうか? 僕は周りに物書きがいないせいか、すんごくやりたいタイプです。で、出会い厨じゃねえし(震え声)

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