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    街

 街を歩きながら、私はすれ違う人たちの顔をつぶさに見て回っていた。どの顔も日々に急かされているようで、どこか慌てているようにも見える。そんな人々を見ながら、私は脳裏に舞踏荘の面々を描き起こす。どことなく、ただの人とは思えないのは私が彼らの正体を知っているからだろうか。それとも、輪廻さんが前言ったように私にも仮面を潜在的に有している人間を見分ける力があるのかもしれない。

 じゃあ、私はどちらなのだろう。

 ふと、そんな疑問が湧いた。つま先に目線を落としてせかせか歩くサラリーマンはきっと何の変哲もない普通な人だろう。逆に、タンポポや輪廻さんは仮面を持って、自分たちのような人間と一緒に暮らすことを大切にしている人たちだ。ここまではいい。事実の確認をしたまでだ。

 それなら、私はどちらに立っているのだろうか。

 なんとなく、兆しがなかったわけではない。今まで何も感じずに生きてきたといえば、嘘になることもまた事実だ。

 なんとなく周りの人間とは違うという自覚は、わずかながらあった。その所以が私の読書癖から始まって同級生とそりの合わないだけなのか、あるいは生来の冷めた性格に由来しているのか、はたまたもっと根本的な部分で何か一般人と食い違っているのかは判然としなかったものの、私の存在はクラスの中でも小股二歩程度距離を置いていたことは間違いない。

 例えるならみんな赤か白の帽子をかぶっている中、私だけ黒い頭のままでいるような居心地の悪さだ。開き直ってしまえば何の問題もないのかもしれないが、一度周囲に目を向けて自分だけそうなのかもしれないと思った瞬間、焦りに近い何かを感じ始めている。

 私を誰が守ってくれるのだろう。叔父や叔母は私と生活の空間を共有しているだけで、守ってくれる素振りは欠片も見せなかった。なら舞踏荘のみんなは私に何かあった時に守ってくれるのだろうか。

 そんな保証はどこにもない。

 私が仮面を出せず、しかし純粋な人間でもない微妙な立ち位置の人間になってしまったら、私を見る目が変わるだろう。人間は、並べてそういうものなのだ。

 一通り歩いて、私はつま先を反転させる。元は気分転換で街に出ただけなので、好きなタイミングで帰っていい。悩んで満足した私は、好きな本でも買って帰ることにした。考え事をした日には新しい本で脳を換気させる。これが、中学校三年間で積み上げた私の週間だ。先ほど来た道の脇に本屋があることは脳がしっかり記憶してくれている。私は足を早め、どの作家の本を買うか一人で足を浮かせる。


あぶねー! マジあぶねー! そんなテンションでございます。ここ一週間は部活の仕事により、こんなギリギリ更新がはびこりそうです。お許し下さい! ちなみに、ストックがまずいことになっているため、かなり細かく切り崩そうと企んでおります。重ね重ねお許し下さい!

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