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サラザン家の宿命

説明書的なお話です。

「ねぇねぇ、ねーちゃ、かみのむくろ、てなぁに?」


あたしの膝の上で、幼い従弟が突然そんなことを聞いた。


父様の双子の弟、ガロン叔父様の忘れ形見のロイくんは、あたしとは対照的に魔術の資質に恵まれて、世間からは神童なんて呼ばれている。


だけど、あたしの膝の上でこうして甘えてる姿は普通に、もうむちゃくちゃ可愛らしい天使みたいな五歳児だ。忙しいソニア叔母様を助け、産まれたときから世話をしているあたしを、本当の姉のように慕ってくれていた。あたしも大事な弟だと思っている。


あたしはロイくんからの予想外の質問にどう答えていいか迷いながら、露台の縁から、目下をきらきらと流れる美しい水面を眺めていた。


ここは神王宮の一番奥、ハロナ皇家がお住まいになっている清神の真宮の更に裏手。この広大な宮廷の端にひっそり佇む、清月の離宮と呼ばれる場所。遥か昔には、父様の師匠、大魔導師シン・ロウ様が滞在していたとも伝わる簡素な趣きの静かで清廉とした離宮だ。


この宮は、その所在が不便な宮廷の奥地であることと、真宮の背後という不敬な位置にあることも重なって、長らく誰にも使われていない空き宮だった。


幾度か父様に「秘密の隠れ家」と連れてきて貰った思い出がなければ、あたしもロイくんもこんなとこに離宮があるなんて知らなかったかも知れない。


父様の訃報が届いてから、あたしは父様が宮仕えの際に使っていた清火の離宮っていう豪華な宮で、ロイくんと共に過ごしていた。うーん、住まわされていた、かな。


だって外出は事実上禁止、外出どころか気が付いたら「一人でやります」という行動は、厠以外の全てが禁止になっていた。

部屋の中には監視役みたいな女官達、宮廷で忙しく執り行われたサラザン家の跡継ぎとして必要な儀式には出られたけど、外にいるときは知らない魔導師さん達に常に囲まれていた。


だけど今頃は、女官さんたちも、魔導師さんたちも、きっと大騒ぎをしていることだろう。


閉じ込めていたあたしとロイくんが、ちょっと目を離した隙に煙のように消えていってまったんだから。


いくら五歳児だからって父様お墨付きの神童ロイくんを甘く見ちゃいけない。


あたしを暗い顔にさせてたことは、もちろんその不可解な軟禁生活だけじゃなかったけれど、幼いロイくんは、たぶん今までみたいな自由が戻ればあたしが元気になると思ったんだろう。


秘密基地に行こう、と突然厠で移動陣を描き出して、驚くあたしをこの宮へと連れてきたのだ。


勿論、この軟禁生活を叔母様が黙認しているのは、それにあたしたちを危険から遠ざける目的が少なからず含まれているからだ。


お姉ちゃんなら、ダメだよってロイくんを止めなきゃいけなかったのに。


だけど正直、ここ一月、本当に息が詰まっていたし、まるで腫れ物を触るような周りの大人達の対応にはうんざりしていて、外へは出たくて仕方なかったんだ。


だから本当は、あたし一人を転送してくれればよかったんだけど。ロイ君は頑として一緒に来ることを譲らなくて、結局あたしが根負けしてしまったんだ。


今までずっと寮生活だったあたしと毎日一緒にいることが純粋に嬉しいのか、それとも父様の死によって、重苦しく張り詰めている宮内の空気を幼いながらも感じとっているのか。軟禁状態中もずっと、ロイくんは常にあたしにべったりで。誰がなんと言おうと、絶対あたしの傍を離れようとしなかったから。


いや、それにしてもあたしだってまさか、ロイくんが移動陣を敷けるなんて思っても見なかった。


あれは正式に魔導師と認められた人でも、宮廷の免許を得ないと修得を許されない術だもの。どうやら父様がこっそり教えちゃったらしい。


もし叔母様にばれていたら、父様、死んじゃう前に、きっと叔母様にぶっ殺されてしまっていただろう。ソニア叔母様は、ロイくんの身の安全を脅かす者に容赦はしない。


普段はしとやかなソニア叔母が母の顔になって迫ると、いつもたじたじになってしまった父様を、つい、思い出してしまいそうになる。


あたしは目蓋に滲み出てくるその風景を振り切るように、ひたすら輝く水面に視線を這わす。


だって、もう戻らない思い出、なんていらないもの。


露台にそって流れる小川は、恐らく魔力関係なく天然に湧き出た清水なんだろう。


宮廷の至るところにある魔術によって造られた泉や清蓮の庭のような、整然とした美しさや華やかさはないけど、淡々と飾らない落ち着いた清らかさがあった。


「ロイくん、それ、どこで聞いたの?」


取敢えず、情報源から確かめることに決めて、あたしはロイ君の顔を覗き込んだ。


緊張したあたしの声に、ちょっと恐いものを感じたのか、ロイくんは膝の上でくるりと向き直り、あたしの首にぎゅっとしがみついた。


ロイくんは、あたしと同じ赤色の髪と葡萄酒色の瞳をしている。サラザンの血を受け継いだ証だ。父様も、ガロン叔父様も一緒。だけどその小さな顔は、ガロン叔父様というよりは、ソニア叔母様によく似ていて、女の子みたいな白い肌の優しげでとても綺麗な子だった。


性格もちょっぴり内向的で、人前ではあたしやソニア叔母さまの影に隠れてしまう。

あたしの小さい頃とまるで反対だ、とよく父様が笑っていたっけ。


父様の死、本当はまだ信じられない。うん、たぶんあたし、全然信じていないんだろう。自分でも薄情なんじゃないかって思うくらい、悲しみが沸かない。


だって、今までだって忙しい父様とは中々会えなかったし。二年間くらい全然顔を見れなかった時期もあった。

違うのは、ちょっとうざったいくらい頻繁に届く手紙がめっきり来なくなってしまったことだけ。


父様の亡骸は無かったらしい。魔導師なら当然のことだけど。人外の力を得る交渉に「死後の身体」はとてもリスクの少ない格好の条件になるから。父様は凄い精霊といくつも契約を持っていたから、髪の毛一本残らなかったってトージャさんが言っていた。


そんなことは、知っていた。魔導師っていうのはそういうもの。


魔導師の死とはどういうもので、あたしはどう向き合えばいいのか。

父様は、そういうことをあたしに教えるのを決して躊躇ったりしなかった。


だけど、だからこそ尚更、実感が沸かないんだ。


一月過ぎた今でも涙一滴流せなくて、毎日、少しずつ消えていく父様の魔術を他人事みたいに眺めていた。


今朝、一番長く続いていた最後の魔術、都の防御結界の継承にも立ち会ったのに。


だって、出来損ないのあたしでは、父様の魔力が消えていくことなんて感じられない。


「あのね、トーちゃんと、かあさまが、ちっちゃい声で言ってたの……こわいの、なの?」


ロイ君の不安げな声が、あたしを現実に引き戻す。あたしはロイ君の小さな身体を包み込むように抱き寄せた。


トーちゃんっていうのは、トージャさんのことだ。あの日から毎日のように、忙しい仕事の合間を縫っては、あたし達の様子を見に来てくれている。


でも、そうか、トージャさんと叔母様の口から、その名が出たってことは、やっぱりそうなんだ。


未だに父様の死が公にされないこと。あたしもロイくんも住み慣れた郊外の屋敷ではなくて、この結界に守られた宮廷内に居なければならないこと。


父様の死の詳細を誰も語ってくれないこと。


薄々は気が付いていたんだけど。


もう、時間がないんだ。



「うん、でもね、サラザンの子はそれを恐いって言っちゃだめなの」



あたしはロイくんを安心させるように、その額に自分の額をくっつけて、笑顔を見せる。

半ば自分自身に言い聞かせるように言った。


「その時が来たら、赤の導師として神骸と戦わなきゃならないんだよ」


あたしが父様からこのサラザン家の運命を初めて聞いたのも、調度、今のロイくんくらいの頃だった。


ロイくんはあたしの言葉を聞いて、得意気にはいはいと小さな手を挙げた。


「知ってるー。あかのどーし。こわいのをやっつけるのー!ガルおじちゃー」


そう、それは本来なら父様が受け継ぐ筈の宿命だったんだ。

毒竜の鎮圧に父様がわざわざ自ら西海へ赴いたのも、今思えばきっと「暁」を探しだす為だったんだろう。


だけど、もう、父様はいない。


「ロイくん、エジン・サラザン様は知ってる?」


「うんっ!いっぱいいっぱい、ひいがつく、ロイのおばあさま!」


ひい、ひい、と指を降りながら、ロイくんが言った。実はあたしも何回ひいを付けるのが正しいのかはよく知らない。


「ふふ、そうそう。そのエジン様」


あたしはいつか父様にして貰ったように優しくロイくんの頭を撫でながら、ゆっくりと話し出した。


あたしとロイくん、そしてミチや叔母様、トージャさん、すべての生物が暮らすこの世界。


父様が居なくなってしまった世界。


その名は「アダン」。古い言語で「死骸」を意味する言葉を冠するこの世界が、どうしてそう呼ばれるようになったのかを。



この世界は、神様の死から始まったという。


それより前の、その神様が生きてる頃の世界については、今までいろんな魔導師が研究してきたけれど、ほとんど何にも解ってないらしい。


父様は研究や魔術の開発より、実践派の魔導師だから難しいことは分からないってよく言っていた。だけど、たしかガロン叔父様はこの研究をしていたと聞いたことがある。

あたしも学園でちょっと習ったけれど、とにかくニ千年も昔の話だ。魔導の技術は勿論、文字すらもない時代のことで、ハロナ皇家や我が家始めとする高位貴族に伝わる伝承以外には当時を知る手掛かりすらないという。


伝承っていっても、どちらかといえば神話に近く、それは子供にも分かるくらい単純で、抽象的で、大事なとこは酷く曖昧な言い伝えだった。


家によって多少の違いはあるけど、多くに語られるこの世界の運命はこうだ。


−この世は、神の死に因って目覚め、彼の骸にこそ息吹く。魔は阻み、道となり、精霊は知り、理となる。大地に満ち、海に満ち、空が満ち足りた時を経て骸は甦り、故に然れば全て死へと還す−


解釈は色々あるけど、代表的な簡単なやつに準えれば、この世界は神様の死骸で出来ていて、魔導も精霊達もすべてその骸から生まれた力だってこと。そして長い長い時間を掛けていつか神様は甦るけど、甦った時に世界を滅ぼしてしまうだろう、という意味らしい。


必要な時には死んじゃってるから役に立たない癖に、甦ったら世界を終わらせちゃうなんて、ほんと迷惑な神様だと思う。そんなこと言ったら、不敬罪で捕まっちゃうけど。


で、サラザン家の伝承ならその後こう続く。


−其に抗う者、始まりの導師は血を繋ぎ赤を纏い、終わりの導師は永きを留まり白に染まる。神の四霊を超え古き朝、永き夜。暁の精霊は赤へ、白夜の精霊は白へ。他に神骸に触れる力は無く。死を永らえる術は無し−


始まりの導師、っていうのが御先祖様であるエジン=サラザン様といわれている。この伝承を裏付けるように、エジン様の血を受け継いだ子供は必ず鮮やかな赤髪を持って生まれてくる。つまり、あたしもロイくんも、始まりの導師「赤の導師」になる資格を持っているってわけだ。


神骸が世界を滅ぼす為に生き返った時に、精霊「暁」に選ばれた赤の導師と、精霊「白夜」に選ばれた白の導師の二人が力を合わせれば、甦った神様を倒すことができる、そう伝えられてきた。


「じゃあ、しろのどーしはだぁれ?トーちゃん?」


簡単な言葉を選び選び話すあたしに、ロイくんは首を傾げて尋ねた。


「ううん。たぶんトージャさんは違うんじゃないかな。赤の導師みたいに血筋ではっきり決まってるわけじゃないから、白夜様が選ぶまで誰かは分からないけど。終わりの魔導師は永きを留まりっていう位だから、長く生きてる魔導師がなるっていわれてるんだよ。ロイくん、今、一番長生きの魔導師って誰か知ってる?」


「しってるよ!」


あたしの問いかけに、ロイくんは得意満面な顔になって言った。


「シン・ロウさま!とうさまと、おじちゃのおとーさん!」


「そう。お父さんじゃなくて御師匠さまだけどね。みんなロウ大導師が白の導師なんじゃないかって言ってるわ」


神様が生き返って世界を滅ぼす、なんて遥か昔の伝説が世界中で今だ信じられているのは、たぶんこの人が存在してるってことが大きい。


大魔導師シン・ロウ。

父様とガロン叔父様の師匠で、創世を知る唯一の人、って言われてる。

エジン様が生きていた時代から、今も尚老いることもなく世界に在り続ける、物凄い魔力を持つ魔導師だ。


だけど、彼が前史の記憶を明かすことは絶対になく、時の流れを語るのはその存在でのみだという。弟子であるガロン叔父様は創世の研究していたのに、ロウ大導師から実際の体験談や伝承の真の意味などを教えて貰えたことは一度もなかったらしい。


もう既に人の枠を超えてしまっていて、神骸を倒した後に新たな神になると伝えられているハロナ皇家や、神骸の声を聴けるという預言の巫女を輩出するダルシャ家と並んで、ロウ大導師もまるで神様みたいに崇められている。


ただ、皇帝陛下や巫女様と違うのは、ロウ大導師はアネイ国に縛られた存在じゃないこと。


父様達が生まれる前は、この宮廷に長く滞在したりもしてたらしいけど、最近は父様すら所在を知らないと言っていた。


だけど彼が、白の導師であることは確実なんだろう。


あたしは露台から振り返り、静まり返った離宮を見渡した。


もう使われなくなって久しいこの離宮を、父様はいつでも人が滞在できる状態にしていた。

父様はここにくると決まって柄にもなく無口になってしまってたから、ちゃんとこの場所の由来を聞いたことはないけれど。


所在不明な「暁」と違い、「白夜」はハロナ王家で封印してあるって噂だし、それに白の導師と赤の導師が神骸に立ち向かうには、その目覚めを知る巫女様の助言が必要不可欠だ。


たぶん、父様はロウ大導師がこの宮廷に戻ってくることを確信していたんだと思う。希望的観測で何かを準備するような人じゃなかったし。


「シン・ロウさまとガルおじちゃまで、かみのむくろをやっつけるんだね!」


頭の良いロイくんは、あたしの話す神骸の伝説をちゃんと理解したようで、だけどやっぱり幼さからか、父様の死はまだ理解できていないみたい。


神骸を倒さなければならないのは、シン・ロウ様はたぶん事実上確定だけど、もうひとりは、父様ではなくなってしまった。


あたしはロイくんに分からないように、着物の裾をぎゅっと握った。


今が神骸の復活の時であるなら、きっと多くの人が、せめてあと十年遅ければと思っていることだろう。

どんなに天才的な才能があっても、ロイくんはまだ五歳。赤の導師を担うには幼すぎる。


赤の導師は、あたしだ。


七光りの無能者、あたしがそう呼ばれていることは知ってる。

そして、悔しいけど、それは今のあたしを表すのに相応しい呼び名だと思う。


エジン様の血を引いた子であるにも関わらず、未だひとつも魔術を使えない、出来損ないの子孫。


だけど、それでもあたしのこの身体にエジン・サラザンの血が流れている、それだけは事実で。


あたしは父様の子だし、ロイくんと、ソニア叔母様の家族だ。


だから、逃げたりしては駄目だ。


きっと、ロウ大導師様にとっても足手まといだろうし、たくさん迷惑を掛けてしまうと思うけど。あたしには、あたしなりに出来ることが必ずある筈だから。


まだ見ぬ大魔導師様に思いを馳せながら、あたしは決意を込めて、ロイくんに赤の導師が誰であるかを教えようと口を開く。


だけど、同時に、がらがらと離宮の扉が開く音が響く。慌ててあたしは声を飲み込んだ。

驚くロイくんを抱き上げ、露台の下に降りて張り出した高床と岩の隙間に身を隠す。


この宮は王宮内では珍しいことに魔術で動かす重たい石門はなく、室内との境は素朴な木の扉だけだ。屋内には仕切りは無く、扉から露台まで全て見張らせる開放的な造りになっていた。


たぶん、あたし達を探しに来た魔導師か衛兵のどちらかだろう。

ロイくんに、静かに、の合図を送りながら、恐る恐る露台の手摺の隙間を覗いて、扉を開けた人を伺った。


「なぁんだ。まだ居ないじゃない」


響いてきたのはあたし達の背後に流れる水音より、更に軽やかに澄みきった声。


扉を開けて入ってきたのは、息を飲むほど美しい女性だった。


足元まで伸びる金色の豊かな髪、光るくらいに白い肌。意思の強そうな整った鼻梁と、緩やかに弧を描く真っ赤な唇。そして翡翠色の瑞々しい瞳。


この宮に住む貴族達はやっぱり綺麗な人が多いんだけど、こんな美人は始めて見た。もうなんか綺麗すぎて怪しいくらいだ。


身体の線を惜しげもなく見せる薄い絹を重ねた菫色の着物は、大胆に項が開いていて、艶しい白い首が目に痛い。腰帯はきゅっと絞ってあって豪華な帯飾りが幾重にも巻かれていた。裾は床に引き摺るくらい長いけど、太股の辺りまで透けている。


男の人だったら一瞬で悩殺されるだろう。ロイくんの背では手摺の隙間に届かないのが救いだ。ちょっとまだ刺激が強すぎて教育上宜しくない。


衣服に宝玉を飾るのは高貴な身分の女性である証だし、長い裾の着物は貴族の服装だ。そうでなくても透けるくらいに薄く繊細な織模様の絹は、遠目でだって最高級と分かるくらい見事なものだった。


だけど、この神王宮に住まう高位貴族の貴婦人にしては垢抜けていすぎる気がする。


女性は優雅な足取りで部屋の中央にある大きな寝台に進み、その縁に腰掛けた。

あたし達のいる露台には背を向け、先ほど彼女自身が通った扉を正面にする格好だ。


まだ居ない、と言っていた。つまり、ここにくる誰かを待っているんだ。


暫く女性の神々しい程の美しさに呆気に取られて、漸く、いつにも増して回りの悪い頭で、あたしはそう思い立つ。


だけど、それに気が付いた時には、女性もまた何かに気が付いたように体を震わせて、跳ぶように寝台から立ち上がっていた。


「シン!」


澄んだ声にもどかしげな吐息を混ぜて、女性はまだ開いてもいない扉へと走り出した。


ながーい。取敢えずストックはここまです。そして全く物語が進まない件。もう少し導入編が続きそうです。

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