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5話 ジークの教育(1)

「あー……やっぱり、勝てないかぁ」

「当然でしょう。私に勝てる訳もありません」


 そう言う割には視線が鋭くて困ってしまうな。

 確かに置き手紙で監視や盗聴の可能性は示した。わざとらしく一人の兵士から紙切れを握らされだってしたが……こうも僕を気にして攻撃してくるだなんて優しいに尽きる。別に叩き潰されたところで戦闘訓練なのだから文句は言わないのにさ。


「うーん、ちなみに今の僕の攻撃の悪い点は何でした」

「……獣を相手にしているような剣でしたな。確かに何も考えない獣ならば真っ向から受け止める戦い方は悪くはありません。ギリギリで流そうとする術も良い、ですが、それは考えの無い者が相手だからこそ」

「なるほど、そういった見方もあるのですね」


 わざとらしく、埃を払って立っておく。

 どうせ、出してきた力からして最低限まで落として剣術を教えようとしたに過ぎないんだ。その割には力の入りようがおかしかったが……それも別棟の庭という場に押し込んだ上層部への怒りの表れだと思っておこう。

 この場には父さんの息がかかった人しかいない。

 だから、目の前の存在が王国騎士団長だと理解した上で手を前後に見せてやった。周囲にいる騎士は四人、どれもが師団長を任される優秀な者達だね。それでいて本当の意味で裏切らない者達でもある。


「それで、これで終わりでしょうか」

「何度も叩き伏せませんと次期王足り得ません!」

「なら、次は……どうでしょうね」


 剣術なら父さんから直々に学んだんだよ。

 剣帝、そんな二つ名を与えられた王国の王だ。その力と才覚から周囲の国々を束ねていたと言われている天才だぞ。どうして、そんな存在に鍛えられた同門に負けると言うんだ。最初から見せられる景色を敵に見せていただけに過ぎない。

 ここまでは今までの映像を組み替えて景色として流すだけの偽の事実だ。でも、僕やジーク、そしてジークが認めている配下達は本当の力を見る事になる。だって、僕の直々の剣の師匠は王国最強と呼ばれた父さんなんだからな。


「へぇ、止められますか」

「燕返し、何度か受けた事がありますよ!」

「ええ、これ自体は僕が教えましたから」


 元の僕がどうかなんて言わずとも、だ。

 でも、この剣に関しては父さんと知識を共有して作り上げたものでもある。父さんと共に作り上げた剣だからこそ、こうして僕も胸を張って降るっていられるんだ。振るっている間くらいは……母さんが感じている寂しさを忘れていられるから。


『ローランは本当に固いなぁ』


 そうでなければ……母は守れないでしょう。

 ただ、少しだけ父さんの言いたい事が分かっては来ましたよ。確かに獣相手の剣だけでは限界がすぐに見えてしまう。目の前の存在が父さんの手で鍛え上げられたとなれば尚の事だ。僕はロードの息子として負ける訳にはいかない。

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