レモンカラーに魅せられて
俺はレモンカラーが好きだ。
黄色、ではなくレモンカラーと呼んでいる。
だが、最初から好きだったわけじゃない。
きっかけは彼女のワンピースだった。
20歳。
初めてできた彼女との出会いは友人が開いたパーティーで初対面ではなかった。
会話こそあまりしたことがなかったが、何度か友人達を交えて会ったことはある。
いつもはブラウスにカーディガンにジーンズと仕事に近い格好ばかりだった。
あまり話さないし人見知りするタイプだと思ってた。
でも、今日は違った。
彼女はミモザの花の刺繍がしてある白いレースのワンピースを身に纏い、
揺れる赤いピアスに赤いバッグ、赤いハイヒールを履いていた。
友人達も驚いていた。
長い髪が肩で揺れる。
笑顔が眩しい女性だった。
その日の夜に告白されて付き合うことになった。
嫌われてるのかと思ってたからあまり意識しないようにしていたが彼女は可愛い。
ワンピースじゃなくてたって
彼女はずっと可愛かった。
それがこんなキラキラした格好してくるものだから
困る。
「嫌われてるのかと思ってた。」
ふるふると首を横に振る。
そんな仕草さえ可愛い。
「あのさ、OKしといて言うのもなんだけど何で俺なの?」
「すきだから」
カタコトみたいに言うなよ可愛いな。
「こんなに可愛いんだから他にいくらでもいそうなのに」
「付き合うなら好きな人がいいの」
「いや、そりゃまぁそうなんだけどさ・・・
ちなみに俺の何が良かったのか聞いても?」
彼女が小さく頷く。
「分かんない」
ですよね!!
俺だって自分の良さなんて一つも見つからない!
何やっても上手くいかないだもん!
「あ、でも・・・人が失敗しても笑って許しちゃうとこ?」
「あー、まぁそれは俺がダメダメだからさ・・・」
「そんなことない」
「なんか、ありがとう?」
「あとね・・・」
「うん?」
「今日オシャレ頑張ったのはパーティーだからじゃなくて全部あなたの為」
おい、辞めてくれ!
これ以上俺をどうしろって言うんだ!
そんでもってその日はサラッと帰りやがって!
ばかたれ、好きだ!!
もう煮るなり焼くなり好きにして!!
そう。
あの日から俺はすっかりレモンカラーに魅せられてしまった。
ミモザ、菜の花、ひまわり、レモン、ひよこ、蝶々。
なんかもう全部好きだ。
レモンカラーって言い方が移ったのは彼女のせいだ。
「私、レモンカラーって好き。光の色みたいで」
追加で光だってよ。
もうやんなっちゃうよ。




