美容サロンのチェーン展開
ニーバンの計画していたステーションも早く進行する。天守閣の有る場所を起点に線路は続くよどこまでも。
(ソフィーは、やっぱりやり手だよ。教え子が支店を作り始めてる。列車で距離が近くなったからだね)
考えながら、施術を眺めていた。
「そろそろじゃな」
キャリロン王女が期待するように言う。
「あの人の教え子もリン波念力を使うてるしなー」
「庶民が手軽にできるからね。店としてもフェイシャルマッサージだけなら、すぐ開店できる」
ステーションにひとつの施術コーナーを作る計画だ。
「侯爵領じゃな。ハーマベ王国へ進出する足場にもなろう」
「そうだね。サナエ様もサテライトターミナルを希望してるし」
ハーマベ王国へ進出する列車の起点を置きたいらしい。ニーバンもボンクラ地方だけでは混雑すると計算してるようだ。
「ジェーンとジュリアンが、すっかりファンになったでー。施術してくれはるとはなー」
ジュリアンはジェーンと一緒にゲストになった女性で、アーホカがタオルへ大地の雫を染み込ませたのに気づいていたのが、肌トラブルもオリエに関係ない証拠となった。
「募集すれば、まだ集まるはず」
「リン波念力が一番じゃ。庶民が自分自身でも手軽にできるでな」
「そして食事だと。うん、エリカとは共存できると思う」
「好みがあるしなー。ソフィーの落ち着いた店の雰囲気はファンが多いでー」
「そのときの気分じゃな。庶民も選べて満足であろう」
「やっぱり、エンターテインメントでやるのが私らしさかしら」
ソフィーとは店同士の競い合いになりそうだ。エリカはフェイシャルマッサージを歓迎する気持ちもあるらしく、自前よりはアカリーヌの施術を頼りにしたいようだ。
侯爵領にはエリカも興味を持った。
「ハーマベ王国に、友達います。つながりますね」
お喋り美容術はエアロビクスなど、身体を使った方法で仲間が多いらしい。移動時間が短縮して交流も増えるのを期待してるらしいエリカ。
「施術はファンタジーへゲストを招くことですわよ。その、お祭り騒ぎは馴染まなくてよ」
「二人が一緒には無理もあるよね。侯爵領のステーションでは別々でいいでしょ」
「ダンス、いろいろあります。お喋り美容術、演技を教えますね」
エリカとしては、種類別の店というか、教室のようなものを考えている。
(私としては和やかな雰囲気がいいけど。施術でファンタジーの世界へゲストを招くのは、ソフィーの考えに賛成だよね)
「女性のコミュニティーセンターみたいなのを作りましょう」
「競い合うのは近くがよろしくてよ」
それで、ステーションごとに隣り合う美容術コーナーができるようになった。
(裏方みたいな施術技術になるけどさー。庶民へ広げられるチャンスだよ。金儲けもねー。元王子様やアーホカ様みたいになりたくないし)
ニーバンが、金はあとから付いてくる、と言ったのも思いだす。
侯爵領へニーバンもついて来た。繁華街は大通りに商店が連なり、ハーマベ王国の公爵領とつながっていた。
「ちょっと離れがよくてよ」
ソフィーが最適の立地場所を探すようにする。
「ステーションと繁華街。あの場所ですね」
エリカは中間地点にある建物を指さす。
「商売の場所は心得てる」
ニーバンが自慢そうにするが、郊外のレストランを知っているらしく、話しだした。
(さすが物知りだね。もう準備もしてくれてるし、気が利くけど、女心には鈍感なんだよ)
あれからデートらしいこともないが、アカリーヌにしても、いまは美容術に夢中だ。
「仕切りで分けるとして、シャンプーはどうするの」
「乾かすのになー。時間がかかるでー。人手が必要やなー」
「そうじゃな。そこは協力するんじゃ」
「プリンセス。グッドアイデアね。髪を洗う、同じです」
「お助けしてよろしいのよ」
そういうわけで、裏手にシャンプー用の設備を作ることになる。
(教え子たちへ任せることになるはずだから。ま、この二人よりは仲良くやれるでしょ)
きれいになる女性を応援する仲間として共有するものも多いし、話す機会もあった。
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新しい屋敷が完成すると、一気に同居という話がでてくる。
「婚約かー。いまさらねー」
(交際してるかなー。でも、王と女王だと国外では受け取られてるし。籍を入れるだけでいいか。でもさー、あれだよねー。花嫁衣装には憧れている)
「親同士の顔合わせは必要だろ」ニーバンが言う。
「肩がこらないの?」
「あのふたりも今更なはずだが、まわりが」
「そうだね。王女様とハルナ様も何か期待してるみたい」
「あれだ。なんだ女は、ほら」
「なに?」とぼけてみる。
(正式に結婚を申し込まないのかしら)
「花嫁衣裳っていうの。憧れると聞いてた」
「そうだね」
(あつ、そうか。とっくにプロポーズはしていた。でもさー。もう一度、ちゃんと言ってほしいんだよ。あのときはあのときだし)
そういうわけで、親同士の顔負わせはすることになった。




